その例2。
誕生!
からだをこんなに反って!
繰り返して!
こんなに背伸びをして! 落下しないかなあと心配。でもだいじょうぶ。
顎を開いて! 大笑いしているような。
ほんとうに印象的なしぐさ! 「なぜそうするの?」。そう尋ねたくなります。
その例2。
誕生!
からだをこんなに反って!
繰り返して!
こんなに背伸びをして! 落下しないかなあと心配。でもだいじょうぶ。
顎を開いて! 大笑いしているような。
ほんとうに印象的なしぐさ! 「なぜそうするの?」。そう尋ねたくなります。
ツマグロヒョウモンの孵化が続きます。ツマグロヒョウモンの幼虫は,生まれた直後,特異な表情をします。というか,とくべつに印象的なしぐさをするので,こころを引き付けます。
そのしぐさは,殻から出た後,自由を謳歌するみたいにのびのびとからだを反ったり,うねるような動きを見せたり,といったふうなのです。このことはこのカテゴリーの前回記事でも触れました。それが例外なく観察できるので改めてご紹介しようと思います。
ところで,このしぐさを昆虫行動学の目で読み解くとどうなるのでしょう。一つの理由があってそうした行動に入るとは考えられないのですが,それにしても気になります。単なるウォーミングアップ? 生まれ出た歓喜の表現? こうすることで,呼吸を促してからだを膨らませる? 小さな世界で起こる"意味"を推し量るのはたいへんむずかしいことですが,じつにおもしろい話でもあります。
その例1。
頭を持ち上げて。
からだをねじって。
数回,こんな動きが続きます。
撮影は,この動きをあらかじめ描いておいて行えば失敗なし。
ダイコンの葉にカマキリが一匹。カマキリは秋を代表する昆虫です。晴れた日なので撮っておきました。
ダイコンの葉にはそれを食する幼虫が結構います。それにイナゴも見かけました。そうした昆虫を獲物にしているのでしょう。
まったくあわてる様子なし。じつに堂々としたものです。
しばらくすると,ゆっくり向こうに移動しかけました。
日が傾いた時刻。まだいました。居心地がよいのでしょうか。
こういう日は,ヒトもカマキリも気持ちよいでしょう。カマキリは上機嫌に見えました。
卵殻は薄い皮の部分から破られます。
どんどん破られます。筋になって残った硬い部分が崩されます。
いよいよ誕生です。「おめでとう!」の瞬間!
誕生後は,うれしさを爆発させるかのようにからだを反ったり。
ひねったり。生きる喜びを全身で表現しているような。
あとは殻を食べて,自立したくらしに備えます。
キンカンの若葉で、アゲハの卵を探しているときのこと。卵が二個ある葉にアブラムシがいっぱいいました。卵を見ているうちに、すぐ傍にクロヒラタアブの卵を発見。
さらによくよく見てみると、孵化がかなり近そう。内部がやや黄色っぽく見えたので、それとなく予感。下写真はアブラムシを取り除いた後撮影。
クロヒラタアブの孵化場面はこれまで何度となく撮ったことがありますが、今回、意外と簡単に撮れそうに思えました。誕生シーンは何度撮ってもすてきなものです。それで、枝を切り取ってスタジオに持ち込みました。
いつ生まれるか予測不能の場合は、インターバル撮影がいちばん簡単。一分間隔ぐらいにセットしておけば見逃しはありません。理想的な場面を切り取ることは叶わないにしても、なんとか写るはず。
というわけで、夜中から朝まで6時間撮影をセットしました。結局、それでは孵化に至りませんでした。撮影済みの画像を確認したところ、内部で動きが見られました。
このとき卵をじっと見ていると、偶然中から口が出ました。そして、すぐに中に戻ってしまいました。誕生は時間の問題のようです。
惜しいことに、ここで急用ができて外出。もちろん、インターバル撮影にセット。帰ってから確認。すると、外出した直後誕生していたことがわかりました。画像はなんとか記録できていたのは予想どおり。
もっと短時間間隔でシャッターが切れるようにセットしていたら、動きの細かさが記録できたのでしょうが、今回はこれでよしとしました。
インターバル撮影は心強い味方です。
9月23日(木)。午前9時50分。産卵後,およそ三日と21時間が経ちました。影がはっきり確認できます。
午後8時20分。産卵後,およそ四日と7時間が経過。頭部が形成され,毛がくっきり。
9月24日(金)。午前6時50分。なんだかもうすぐ孵化しそうな。
上写真撮影後,およそ10分が経過。左奥に毛がほんの少し見えかけました。孵化が始まったのです。産卵後,およそ四日と19時間が経過しています。「しっかり撮影しなくちゃ」。
9月21日(火)。産卵後、二日間が経過。いくぶん黄色味を帯びて来たかなといった感じ。
9月22日(水)。産卵後、三日間が経過。右半分の黄色味が濃くなっています。
9月21日(火)。午前3時40分。アゲハの卵に寄生しているハチをインターバル撮影しているので,電池交換のために起きました。
それで,ヒメウラナミジャノメの卵を見ると,孵化済み! 殻をほぼ食べ終わっている段階でした。殻がわずかに見えます。
結果,今の時期は産卵から孵化までの時間は五日と14時間程度だとわかります。
初々しさが伝わって来ます。いつ見てもいいですね。
全身が見えるようにして撮りました。
この後は産卵場所に戻すことにします。
9月20日(月)。午後1時30分。産卵後ちょうど五日間が経過しました。
大変化あり。側単眼と顎がくっきり見えています。卵の色は空色がほとんど消えて、白っぽさを増しています。この分だと、明日には孵化するでしょう。気にかけておかないと、見逃してしまいそう。
夕方。産卵後,五日と3時間ほど。
夜遅くなったので,最後に一コマ撮ってから就寝。今にも孵化しそう。このときインターバル撮影で画像保存しておけばよかったのですが,もう一つのアゲハの寄生バチにカメラをセットしていたので,できませんでした。
9月17日(金)。産卵後三日目。二日が経ちました。
9月18日(土)。産卵後四日目。目に見えるような変化はなし。
9月19日(日)。産卵後五日目。四日が経ちました。大変化あり。側単眼が見えかけました。それに,卵の空色に濃淡が現れています。