自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

モンキチョウ,秋の産卵(3)

2020-09-16 | モンキチョウ

9月13日(日)。一方,同時に採取していた卵は,前回報告した二つの卵と同じ時刻に次々に孵化。たぶん,同じ成虫が産んだものと思われます。

これらのうち,孵化したものから2事例をご紹介します。

その1。顔が見えました。

 

頭部全体が出ました。

 

「よいしょ」。そんな感じです。

 

その2。大顎が赤く見えています。

 

頭部が出た瞬間です。

 

ゆっくりとではありますが,休まずに出て来ます。

 

この個体は頭をぐうっと上に向けました。

 

順調に孵化した卵のほか,途中で発生がとまってしまったものが数例ありました。孵化するって,じつはたいへんなことのようです。

 


モンキチョウ,秋の産卵(2)

2020-09-15 | モンキチョウ

9月13日(日)。午後。孵化が近づいてきました。と思いつつ次に見ると,一つ目の卵はもう孵化済み。そして,卵殻は跡形だけがわずかに残っているだけ(写真中の下側)。

 

二つ目の卵を気にしていたのですが,用ができてその場を離れても撮ったときは孵化直後。どうしてこんなに運がついていないのかと思うほど。

 

懸命に卵殻を食べているところでした。

 

観察の結果,今の時期の卵期間はちょうど4日間ぴったりとわかりました。

 


モンキチョウ,秋の産卵(1)

2020-09-12 | モンキチョウ

9月10日(木)。畑で仕事をしていて,モンキチョウが畔で産卵をしているのを目撃。

 

産卵後,卵を確認。そのチョウはあちこちで産卵しました。あとで,そのうち2個を採取。ほかにも卵がないか調べると,次々と見つかりました。それらは最初の2個とは切り離して継続観察することに。

 

なかには孵化近いものも。産み付けられた日時が異なるものがあるということです。

 

今の時期の卵期間は何日間でしょうか。

 


モンキチョウ,卵どっさり,孵化たっぷり(続々々)

2020-06-26 | モンキチョウ

本シリーズの締めくくりです。誕生直前の卵の内部をご紹介します。もちろん,外から卵殻をとおして見える様子です。意外とリアルな姿が迫ってきます。

薄い皮の向こうに顎がくっきり。それに,機械感覚毛と根元のソケットも。

 

頭部の側単眼,顎,そしてからだに生えた無数の毛がくっきり。頭部と尾部とが触れています。

 

カプセルの中に,折れ曲がったからだがくっきり。

 

機械感覚毛が一本光っています。穴の大きさを測っているような。

 

頭部が出て来ました。誕生です。様々な器官とその配置の見事さよ。いのち,このふしぎな小宇宙。

 

モンキチョウの卵から学べるものはどっさり。

 


モンキチョウ,卵どっさり,孵化たっぷり(続々)

2020-06-24 | モンキチョウ

結局,モンキチョウの孵化が本番を迎え,わんさか続きました。同じ日に産み付けられたか,同一個体が産み付けたか,いずれかでしょう。観察には申し分のない機会に恵まれました。

そのうち,2例を画像でご紹介します。

前方向からの撮影がいちばん。頭をぐっと出しかけた瞬間です。

 

からだは筋肉のかたまりという感じ。

 

もう一つ。卵殻の内側に頭部が見えます。殻を開け始めたばかりの時に撮影しました。

 

やや向きを変えて正面方向から撮影しました。

 

出て来るときは口も目も見え,あとから見ても実感があります。

 

1mmの世界でこんな撮影が繰り返しできるなんて,なんだか贅沢な。そんな気持ちになって来ました。

 


モンキチョウ,卵どっさり,孵化たっぷり(続)

2020-06-20 | モンキチョウ

卵を採取した当日,運よく三つの卵が孵化しました。その様子を写真二枚ずつご紹介します。

その1。誕生の瞬間です。触角をつかさどる機械感覚毛が光っています。

 

ぐっと身を乗り出しました。

 

その2。頭を出してからすぐに出る場合,ゆっくり出る場合,いろいろあります。これはゆっくりタイプ。

 

早く着地したいという気持ちがはたらくのでしょう,感覚毛が機能しています。このあと,さっさと脚を着きました。

 

その3。うんと近づいて撮りました。これ以上は無理というまで。

 

からだの表面の様子がよくわかります。

 

ほぼ同じ時刻に誕生したのは,同じ親が同じときに産み付けた卵だったからでしょう。いそがしい撮影でした。

 


モンキチョウ,卵どっさり,孵化たっぷり

2020-06-19 | モンキチョウ

畑仕事をしていると,たまたまモンキチョウがシロツメクサ群落で産卵中なのを目撃。目で追っていると,たしかに近くで集中的に産み付けています。今度はあとを追ってみることに。

産卵姿勢に入ったときの葉を覚えておいて,すぐ葉を採集。産卵するごとに採集,という具合にしていきました。

ところが,驚いたことに,ある地点で卵がたくさん見つかりました。たった一畳ぐらいの広さのところに卵がいっぱいなのです。中には一つの葉に卵が二つの例が。

 

もっとたくさんの例も。

 

おもしろいことに,卵を見ると白から赤,孵化寸前,そして幼虫まで様々です。これは産卵日にズレがあたということです。お気に入りの場所で,数頭のチョウが訪れたかもしれません。同一個体が産み付けたのかもしれません。

大きくして写しました。

 

集めると,とうとう葉が20枚近くに。卵は20以上です。いやはや,びっくりしたのって。

 

孵化まで観察するとなると,たいへんなことになりそう。でも,貴重な機会なのでやれるまでやってみます。

 


今どき,モンキチョウの卵期間は?(4)

2020-06-07 | モンキチョウ

5月30日(土),午後1時。さあ,頭が出るほど穴が大きくなりました。

 

頭を出しました。

 

そのまま葉に向かって……。

 

着地!

 

午後1時20分。さっそく卵殻を食べ始めました。

 

なんとかおしまいまで見届けられて,ほっ。結局,モンキチョウの今どきの卵期間は五日間を切るか切らないか程度と考えておけばよいとわかりました。

 


今どき,モンキチョウの卵期間は?(3)

2020-06-05 | モンキチョウ

5月29日(金),午前6時。産付後,四日と18時間が経過。孵化直前の雰囲気です。

 

もう一つはまだ時間がかかりそう。

 

午前9時30分。産付後,四日と21時間30分経過。見ると,孵化を終えて卵殻を食べていました。生まれる瞬間を見逃しました。

 

午前11時00分。産付後,四日と23時間経過。もう一方の卵はもう孵化間近になっていました。

 

午後1時。産付後,五日と1時間が経過。殻が破れ始め,孵化が始まりました。

 


今どき,モンキチョウの卵期間は?(2)

2020-05-31 | モンキチョウ

5月26日(火),午前8時。産付後,一日と20時間が経過。赤みがずいぶん増しました。着実な変化です。

 

5月27日(水),午前8時。産付後,二日と20時間が経過。薄っすらと濃い線条が見えます。

 

5月28日(木),午前8時。産付後,三日と20時間が経過。上半分にはっきりとした線模様が見えて来ました。

 

午後3時30分。産付後,四日と3時間30分が経過。体内が形成されています。こんなに小さくても,からだはしくみで詰まった生命体です。とても複雑な変化をたどります。