トロイを離れて、三度目の朝を迎えた。二人の疲労は、体力の限界をこえている。昨夜は岩陰に身を寄せて身体を休めた。メネラオスは朝日に向かって、岩の上に立っていた。朝日は、対岸の島の小高い山から昇ろうとしている。目を凝らして見つめた。島と言っても、でっかい島である。向こう岸の海岸に集落が見える。漁村と思えないくらい戸数が多い。二人が目指している集落ではなかろうかと思われた。メネラオスはオデッセウスに声をかけた。身体では、喜びをあらわせないが、二人の気持ちは雀躍した。
彼らのたどっている海岸沿いのあちこちに、小さな集落が点在している。二人は、馬を引いて歩き始めた。二人には、ここはどこだか判らない、だが、対岸の集落は、アンテノールの指示した集落に違いないと思った。
歩いている。考えながら歩いている。二人は、目標に近づいていることを疑ってはいない。二人は、一軒の家の前に立っていた。
彼らのたどっている海岸沿いのあちこちに、小さな集落が点在している。二人は、馬を引いて歩き始めた。二人には、ここはどこだか判らない、だが、対岸の集落は、アンテノールの指示した集落に違いないと思った。
歩いている。考えながら歩いている。二人は、目標に近づいていることを疑ってはいない。二人は、一軒の家の前に立っていた。