『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第2章  トラキアへ  180

2010-04-01 07:45:46 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 パリヌルスが使用を薦めた軍船を改造した交易船は、とてもよく出来ていた。
 船体の大きさは、全長が約26メートル、船幅が5メートル弱と軍船よりやや広めである。帆柱の高さが船底から18メートル弱で立ち上がり横長の帆を張っていた。船首には強靭な衝角がついているところが軍船構造であった。この時代の交易船には衝角構造がなかった。荷を積む関係上、天井はやや低めの2メートル強の高さで船倉構造の甲板構造であった。船倉の両側には20の櫂座があった。船倉構造は重心が高めとなるのだが、船のメタセンタ(浮力の作用線と平衡の位置の浮力の作用線の交点)の上に重心が位置する構造ではなかった。また、船尾には、引き綱一本で開帆、折りたたむことの出来る、補助三角帆が取り付けられていた。故に安定した航走能力を持った船といえた。
 太陽は、まだ朝のうちといえる高みにあった。船は、島の形がほぼ掴むことのできる地点を進んでいる。島に近づく、オキテスの頭中の作戦がまとまってきていた。彼はためらうことなくルドンを呼び寄せた。
 『ルドン、兵たちを配置したか。俺の考えが少々変わった。船倉の兵数を20人とする。。残った兵は、全て甲板に配置だ。いいな。アミクス、タルトス、そして、5人を急ぎ集めてくれ。闘いの注意事項を打ち合わせる。』