メッキスは思い出しながら訥々と話した。
『私たちは、もうボロキレのように疲れ果てていました。ここからは陸路を北へと向かいました。とにかく、トラキアの内陸へ向かおうと、ボラールを通り、川に沿って上流へと逃避したような次第です。生きていくために水が入ります。川魚を捕まえて食べ、山野の小動物を捕らえて食べ、山菜をほじって食べ、ダキの山裾を流れる川の近くで過ごして、何とか露命をつないだようなわけです。負傷者の傷の癒えるのを待つのに、ここで1ヶ月くらい過ごしたと思います。ここで命をなくした負傷者が二人、傷の癒えた者が二人、これでまともと思えるものが9人となりました。私どもは、これからのことを考えると途方にくれました。着ているものは日に日にみすぼらしくなっていきます。川の近くにいますので身の清潔保たれるものの、問題は、毎日の食べ物のことでした。身の危険も顧みず、人里の近くに行きたいと思いました』
語るメッキスの両の目が涙がにじんでいた。
『私たちは、もうボロキレのように疲れ果てていました。ここからは陸路を北へと向かいました。とにかく、トラキアの内陸へ向かおうと、ボラールを通り、川に沿って上流へと逃避したような次第です。生きていくために水が入ります。川魚を捕まえて食べ、山野の小動物を捕らえて食べ、山菜をほじって食べ、ダキの山裾を流れる川の近くで過ごして、何とか露命をつないだようなわけです。負傷者の傷の癒えるのを待つのに、ここで1ヶ月くらい過ごしたと思います。ここで命をなくした負傷者が二人、傷の癒えた者が二人、これでまともと思えるものが9人となりました。私どもは、これからのことを考えると途方にくれました。着ているものは日に日にみすぼらしくなっていきます。川の近くにいますので身の清潔保たれるものの、問題は、毎日の食べ物のことでした。身の危険も顧みず、人里の近くに行きたいと思いました』
語るメッキスの両の目が涙がにじんでいた。
