アエネアスは、広間を出て館に一旦戻り、ユールスを連れて浜に向かった。
波打ち際に立って朝陽に輝く海をすみずみまで心いくまで、何かを捜し求める視線で目にする風景を見つめた。
空は澄んで青く、右手にサモトラケの島塊を、そして、遠くはるかに広がるエーゲ海を見透かした。
『ユールス、どうだ。海が好きか。朝の海は気持ちがいいな』
父の言葉に、子供ながらにうなづくユールス。二人は、大地を離れて昇り始めた太陽をしげしげと敬虔な心持で眺め見た。
アエネアスは、再び目線をエーゲ海のはるかに移した。彼の心には、このエーゲ海の果てに、何かがもやって、視界を閉ざし、そのもやって見えないはるか彼方にあるものを目にしたい、そこに行きたい、いや、そこへ行かねばならないのではないかといった想念がふつふつと沸いていた。
彼は、毎朝の行事をユールスとともに終えて砦へと帰った。
オキテスは、メッキスらの着衣も改めさせて、砦の門前に待っていた。
『統領、こいつらをアーモンドの現場にやります。イリオネス、アレテスらに面通しした上で現地での仕事につかせますが』
『うん、それでいいだろう』
オキテスは、クラテスとテトラスに、イリオネスへの伝言と指示を与え、兵5人をつけてアーモンドの現場へと送り出した。
波打ち際に立って朝陽に輝く海をすみずみまで心いくまで、何かを捜し求める視線で目にする風景を見つめた。
空は澄んで青く、右手にサモトラケの島塊を、そして、遠くはるかに広がるエーゲ海を見透かした。
『ユールス、どうだ。海が好きか。朝の海は気持ちがいいな』
父の言葉に、子供ながらにうなづくユールス。二人は、大地を離れて昇り始めた太陽をしげしげと敬虔な心持で眺め見た。
アエネアスは、再び目線をエーゲ海のはるかに移した。彼の心には、このエーゲ海の果てに、何かがもやって、視界を閉ざし、そのもやって見えないはるか彼方にあるものを目にしたい、そこに行きたい、いや、そこへ行かねばならないのではないかといった想念がふつふつと沸いていた。
彼は、毎朝の行事をユールスとともに終えて砦へと帰った。
オキテスは、メッキスらの着衣も改めさせて、砦の門前に待っていた。
『統領、こいつらをアーモンドの現場にやります。イリオネス、アレテスらに面通しした上で現地での仕事につかせますが』
『うん、それでいいだろう』
オキテスは、クラテスとテトラスに、イリオネスへの伝言と指示を与え、兵5人をつけてアーモンドの現場へと送り出した。
