『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY      第6章  クレタ  71

2013-04-09 08:02:50 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『いやあ~、浜頭、昼めし大変、馳走になった。そのうえ、浜頭が親しくしている浜頭の皆さんにも会えた。何よりであった。我々が全く予期していなかったことである。心から礼を言う。ありがとう。ところで浜頭の予定の事だが、いつ来る?』
 『はい、そのことでしたら、今日の話し合いで目途がつきます。明日、昼までにはそちらへ行きます』
 『それは、有難い。待っている。吉報を頼む』
 『それは、もう充分、心しています。吉報を携えてまいります』
 『よろしく頼む。俺たちは、これで失礼する。昼めしは極めつきであった。大変旨かった。ありがとう』
 浜頭とのやり取りは終わった。アヱネアスは、浜頭連中の方に体の向きを変えた。
 『いやあ~、ご一同、貴方がたとここで会えたことをうれしく思っています。今後とも宜しく』
 アヱネアスは、気持ちを伝えて小屋を出た。彼は太陽を仰ぎ見て大体の頃合いを測った。
 『イリオネス、行こう』 と声をかけて舟艇を乗入れた浜へと歩を運んだ。そこには、7~8人の浜衆が屯していた。彼らは見慣れない舟艇の構造について囁きあっていた。
 『この船は、変わっている。どんな走りをするのだろうか』
 『船足は速いだろうか?』
 『船尾の三角帆は、どんな役目をしているか?気になる』
 『あれは、走りに関係がないよ。俺はそのように思う』
 彼らの話題は、走りに集中していた。イリオネスたちが近づくと話は止んだ。