クリテス兄弟の長兄のアクロテスが浜衆らに指示を出していた。荷が舟艇に積み込まれた。
『アクロテス、今日は突然押しかけて、えらく世話になったな、ありがとう。父上によろしく伝えてくれ。積み荷の品ありがたく頂戴する。ありがとう』
『ギアス、艇を出してくれ』
アクロテスがイリオネスに声をかけてきた。
『軍団長殿、この船はめずらしい型をしていますね。今度、父とそちらに出向いたとき、この船をじっくり見させてください』
『おう、判った。ギアスに言って、試しに乗せてもらったらいい。そのように手配する』
『ありがとうございます』
彼らとのやり取りを終えた。舟艇は、浜をゆっくりと離れた。入り江の風は気ままに吹いた。向かい風かと思えば左手側の山から吹き下ろしてくる。艇の進行は漕ぎかたにゆだねた状態であった。入り江から出た艇は北上し、半島の北のはずれで西に進路をとり帰った。帰路途中は、航走に力を貸す風を得ることは出来なかった。SOUDAの浜から帰着するまで漕走した。漕ぎかたは休むことなく懸命に漕いだ。艇は無事、日没前に帰着した。
浜に着いた彼らをオロンテスが出迎えた。
『統領、ご苦労様でした』
彼は、ギアスの方に向きを変えて声をかけた。
『ギアス、風の具合はどうであった』
『SOUDAの浜を出て、こちらに着くまで、漕いで漕いで帰ってきたような始末だ』
『それは、大変だったな、ご苦労』
オロンテスは言葉でねぎらった。
『アクロテス、今日は突然押しかけて、えらく世話になったな、ありがとう。父上によろしく伝えてくれ。積み荷の品ありがたく頂戴する。ありがとう』
『ギアス、艇を出してくれ』
アクロテスがイリオネスに声をかけてきた。
『軍団長殿、この船はめずらしい型をしていますね。今度、父とそちらに出向いたとき、この船をじっくり見させてください』
『おう、判った。ギアスに言って、試しに乗せてもらったらいい。そのように手配する』
『ありがとうございます』
彼らとのやり取りを終えた。舟艇は、浜をゆっくりと離れた。入り江の風は気ままに吹いた。向かい風かと思えば左手側の山から吹き下ろしてくる。艇の進行は漕ぎかたにゆだねた状態であった。入り江から出た艇は北上し、半島の北のはずれで西に進路をとり帰った。帰路途中は、航走に力を貸す風を得ることは出来なかった。SOUDAの浜から帰着するまで漕走した。漕ぎかたは休むことなく懸命に漕いだ。艇は無事、日没前に帰着した。
浜に着いた彼らをオロンテスが出迎えた。
『統領、ご苦労様でした』
彼は、ギアスの方に向きを変えて声をかけた。
『ギアス、風の具合はどうであった』
『SOUDAの浜を出て、こちらに着くまで、漕いで漕いで帰ってきたような始末だ』
『それは、大変だったな、ご苦労』
オロンテスは言葉でねぎらった。
