『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第6章  クレタ  81

2013-04-23 08:29:04 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『お~、アレテス!』『、、、、、、!』二人は言葉に詰まった。
 イリオネスは、アレテスをひっしと抱きしめた。二人はトロイ時代からの盟友である。
 『アレテスご苦労、まあ~、一口飲んで落ち着け』
 かたわらには、オロンテスが杯を差し出していた。
 パリヌルスは、自分の部下であるテクテイを抱きしめてやっていた。
 『お~、もう一人いる。そいつは何なんだ』
 『はあ~、奴ですか。仔細についてはまだ聞いてはいませんが、私どもについてきて離れない、そのようなわけでついてくるのを許したんですが。明日、私が仔細を確かめて報告いたします』
 『そうか、判った。仔細を聞いて確かめろ。まあ~、今日はこれで二人とも休め。何か、急ぎの報告があるか』
 『特別にありませんが、一緒について来た者は、小島の見える無人の小集落で見つけたのですが、用心します。今晩は私の傍らで休ませます。いいですか』
 『あ~あ、いいだろう。報告は、明朝、朝一に受ける。アレテス、今日はこれで休め』
 『判りました』
 オロンテスが五人の食事を準備して焚き火のところへ戻ってきた。
 『まあ~、食事をして落ち着け』
 『ありがとうございます』
 イリオネス、そして、パリヌルスら三人は、調査探索に出かけた四人が無事に帰還したことを歓んだ。
 『軍団長、安堵されましたね。全員、無事帰還、何よりです』
 『お前たちをつき合わせた、いろいろと世話をしてくれてありがとう。夜も更けた、休んでくれ』