『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第6章   クレタ  82

2013-04-24 07:48:58 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 彼らが上陸したクレタの地の天候はエノスに比べて、やや落ち着いた傾向であった。

 古代の者たち、彼らは、自分たちの生きているこの自然をどのように理解していてだろうか。私はペンを走らせながら、ふと思い考える。第一の疑問はなんであったろうかと。単純に思い浮かぶのはこれではないだろうかと考える。『朝はどこから来るのだろう?』そこから発して、彼らなりの世界観を組立て、大変に長く多くの積年を重ね、今日の世界観に到達している。我々が今日まで生きてきた時空を考えると、命を大切さをしみじみと思い考える。

 アヱネアスは目覚めた。イリオネスも目覚めた。皆も目覚めた。
 
 彼らも人間の持っている最も自然な生体のリズムで生きている。その自然体に抗するのは、人間が持っている意思、思考、欲求等の動機の為せるところではなかろうかと考える。そういったところでふと考える。夜、寝ないで物事を考えたり、したりするようになったのは、いつの時代からであろうかと考える。人が聞いたらなんとバカなことを考えているのだろうかと思われるだろうと思う。読まれて笑わないでくださいね、私は考えはこうである。人間が『はかりごと(謀事)』を考える、するようになってからではないだろうか

 クレタの上陸地点に屯ろするトロイの民が一斉に目覚めた。今日が明けた。
 彼らは朝行事に浜辺に向かって歩を運ぶ、彼らの今日の幕開けである。その頃には、オロンテスを長とする一群の者たちは、もう仕事を始めている。この時代でも『朝一番早いのはパン屋のおじさん』であったのではなかろうか。
 
 ペンを進めていく中で『多忙』と表現するが、それは第三者の観察眼の見るところであって、彼らに多忙という生活感があったかどうか、それは、はなはだ疑わしいことだと思っている。
 この『トロイからの落人』を書いていての筆者の感想です。読みぐるしかっただろうと思っています。