『ギアス、オロンテス隊長は、このことを知っているのか?』
『いえ、それは定かではありません。テカリオン殿に船だまりで会ったのは私です』
『船だまりには、テカリオンの船が停泊しているわけだ。オロンテスは気がつくだろう。解った、ありがとう』
パリヌルスは、いま、何をすべきかと考えた。とりあえず統領にこのことを伝えるべきと心に決めた。彼は新艇建造の場へと走った。
建造の場には統領の姿が見えない。すかさずドックスに声をかける。
『おう、ドックス、統領は?』
『統領は、宿舎の方へ帰られました』
『おっ!そうか』
パリヌルスは、いまたどってきた浜をとって返し、統領の宿舎へと急ぎ足で向かう。
彼は統領の宿舎の戸口前に立って呼びかけた。
『統領!おいでですか?』
答えがない、どこだろうかと思案する、軍団長のところかなとイリオネスの宿舎をたずねるが、ここにも誰もいない。このあとたずねるところは、撃剣訓練の場のみである。彼は、撃剣訓練の場へ急ぎ足を運んだ。
剣を打ち合う音、発する気合の声が聞こえる。パリヌルスは安堵した。
『あっ!パリヌルス隊長、息せきって何事です?』
『おう、リナウス、統領が見えているか?』
『軍団長と撃剣の最中です』
『そうか、では、待つ』
『隊長、急用でしたら、声をかけますが』
うなずくパリヌルス。リナウスが両人に歩み寄る、声をかける。イリオネスがリナウスの声を聞いてふりむいた。
『なにっ!パリヌルス隊長が来ている?』
『統領、パリヌルスが来ているそうです』
打ち込みの手をとめる、パリヌルスの方に目線を移す。
『おう、パリッ!どうした?』
『統領、待っていました朗報が届きました。ギアスが朗報をもって帰ってきました。テカリオンが明日夕刻に来ます』
『おっ!そうか。俺の通信手段が通じたか、重畳!』
イリオネスが首をかしげて聞いている。
『統領、俺の通信手段ってなんです?』
『俺の念力だよ。俺が思念すれば、想いがおのずから通じるのだ』
『パリヌルス、ご苦労であった。俺を探し当てるのに苦労したか?』
『いえ!最初に建造の場をたずねました。それだけです』
二人は微笑みを交わした。
『いえ、それは定かではありません。テカリオン殿に船だまりで会ったのは私です』
『船だまりには、テカリオンの船が停泊しているわけだ。オロンテスは気がつくだろう。解った、ありがとう』
パリヌルスは、いま、何をすべきかと考えた。とりあえず統領にこのことを伝えるべきと心に決めた。彼は新艇建造の場へと走った。
建造の場には統領の姿が見えない。すかさずドックスに声をかける。
『おう、ドックス、統領は?』
『統領は、宿舎の方へ帰られました』
『おっ!そうか』
パリヌルスは、いまたどってきた浜をとって返し、統領の宿舎へと急ぎ足で向かう。
彼は統領の宿舎の戸口前に立って呼びかけた。
『統領!おいでですか?』
答えがない、どこだろうかと思案する、軍団長のところかなとイリオネスの宿舎をたずねるが、ここにも誰もいない。このあとたずねるところは、撃剣訓練の場のみである。彼は、撃剣訓練の場へ急ぎ足を運んだ。
剣を打ち合う音、発する気合の声が聞こえる。パリヌルスは安堵した。
『あっ!パリヌルス隊長、息せきって何事です?』
『おう、リナウス、統領が見えているか?』
『軍団長と撃剣の最中です』
『そうか、では、待つ』
『隊長、急用でしたら、声をかけますが』
うなずくパリヌルス。リナウスが両人に歩み寄る、声をかける。イリオネスがリナウスの声を聞いてふりむいた。
『なにっ!パリヌルス隊長が来ている?』
『統領、パリヌルスが来ているそうです』
打ち込みの手をとめる、パリヌルスの方に目線を移す。
『おう、パリッ!どうした?』
『統領、待っていました朗報が届きました。ギアスが朗報をもって帰ってきました。テカリオンが明日夕刻に来ます』
『おっ!そうか。俺の通信手段が通じたか、重畳!』
イリオネスが首をかしげて聞いている。
『統領、俺の通信手段ってなんです?』
『俺の念力だよ。俺が思念すれば、想いがおのずから通じるのだ』
『パリヌルス、ご苦労であった。俺を探し当てるのに苦労したか?』
『いえ!最初に建造の場をたずねました。それだけです』
二人は微笑みを交わした。
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