テカリオンにオロンテスの姿が目にはいった。
『お~お、オロンテス殿、お久しぶりです、お元気ですな。元気が何よりとあいさつ申し上げます』
『あ~あ、テカリオン殿、いつもいつも世話になっています。あなたも元気そうで何よりです。なんぞ儲かる話はありませんか?』
『オロンテス殿、商売気たっぷりですな。儲かる話をしないといけませんかな、あいにくと儲け話を詰めた袋を船において来たようなわけで、それはまた、のち程にということで』
『いやね、テカリオン殿からのもうけ話が一番の頂き物でしてな』
『これはうれしい、手厳しいところもありますな。お手柔らかにお願いいたします。ワッハッハ!』
二人は高らかに笑いを交歓した。
『ところで、オロンテス殿、例の堅パンいかがです?なんぞ手を加えられて、あらためられましたかな?』
『はい、あれから研究しまして、少々改良しました。あとから持ってきます、食してみてください。集散所における売れ行きも安定してきています。パンの売り上げが減るかと気にしましたが、反対にプラスになってきました』
『そっそれはよろしかったですな』
『口に入れるものの売れる売れないは、味と食感にありますな。いやいや、勉強になりました』
『それはそれは、ぜひ味見をしたいですな。待っております』
『ところで今夕の夕食の件ですが、あなたと一緒されるのは何人ですかな?それから乗り組みの人らは何人ですかな?』
『こちらの相伴になるのは二人です。乗り組みの者たちへの気遣いはいりません』
『そのようなわけにはいきません。今とても豊漁が続いていますが、とれる魚がこまい、子魚の獲れ時期ですな、この子魚にひと塩、一日干し、中骨も全て食べれてうまい!それを皆さんに馳走したいと思っております』
『それはいいですな、あまえます、馳走になります。乗り組みの者たちは 25人です』
『判りました。では、あとで』
オロンテスは場を去っていく。テカリオンはドックスとも交歓してうちとける。彼はパリヌルスに声をかけた。
『おう、パリヌルス、皆さんともとの挨拶も終わった。新艇について少しばかり話しておきたい。いいか』
『判った。向こうで話をしようか』
テカリオンは二言三言イリオネスと話をして、パリヌルスと連れ立って建造の場をあとにする。二人は浜の静かな場所を選んで腰をおろした。
『お~お、オロンテス殿、お久しぶりです、お元気ですな。元気が何よりとあいさつ申し上げます』
『あ~あ、テカリオン殿、いつもいつも世話になっています。あなたも元気そうで何よりです。なんぞ儲かる話はありませんか?』
『オロンテス殿、商売気たっぷりですな。儲かる話をしないといけませんかな、あいにくと儲け話を詰めた袋を船において来たようなわけで、それはまた、のち程にということで』
『いやね、テカリオン殿からのもうけ話が一番の頂き物でしてな』
『これはうれしい、手厳しいところもありますな。お手柔らかにお願いいたします。ワッハッハ!』
二人は高らかに笑いを交歓した。
『ところで、オロンテス殿、例の堅パンいかがです?なんぞ手を加えられて、あらためられましたかな?』
『はい、あれから研究しまして、少々改良しました。あとから持ってきます、食してみてください。集散所における売れ行きも安定してきています。パンの売り上げが減るかと気にしましたが、反対にプラスになってきました』
『そっそれはよろしかったですな』
『口に入れるものの売れる売れないは、味と食感にありますな。いやいや、勉強になりました』
『それはそれは、ぜひ味見をしたいですな。待っております』
『ところで今夕の夕食の件ですが、あなたと一緒されるのは何人ですかな?それから乗り組みの人らは何人ですかな?』
『こちらの相伴になるのは二人です。乗り組みの者たちへの気遣いはいりません』
『そのようなわけにはいきません。今とても豊漁が続いていますが、とれる魚がこまい、子魚の獲れ時期ですな、この子魚にひと塩、一日干し、中骨も全て食べれてうまい!それを皆さんに馳走したいと思っております』
『それはいいですな、あまえます、馳走になります。乗り組みの者たちは 25人です』
『判りました。では、あとで』
オロンテスは場を去っていく。テカリオンはドックスとも交歓してうちとける。彼はパリヌルスに声をかけた。
『おう、パリヌルス、皆さんともとの挨拶も終わった。新艇について少しばかり話しておきたい。いいか』
『判った。向こうで話をしようか』
テカリオンは二言三言イリオネスと話をして、パリヌルスと連れ立って建造の場をあとにする。二人は浜の静かな場所を選んで腰をおろした。
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