『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

[Aeneis's story] episode Ⅳ 『建国の地へ』 To the funding of a nation  第1章  イピロスへ  4

2019-11-14 06:05:24 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 支度を整えたアエネアスら三人は、浜頭の許へ出向く、三人を迎える浜頭。
 アエネアスが話しかける、アエネアスの言葉がけには気取りがない。
 『やあ~、浜頭殿、私ら船団の者らを休ませるのに浜を貸していただける、ありがとうございます。見るからにいい浜ですな!私がこの船団を率いているアエネアスといいます。私らは6日前にクレタ島を出航して、西に向けて旅をしている者です。陸地のあり具合で沿岸に沿って航海しているわけでイオニア海を北上しています。ついては空模様の関係もありますが、今夜と明日1日、明夜、浜頭殿の浜で休ませてもらえれば幸いなのです』
 アエネアスの長口舌、ここまで言って、親しげに浜頭と目を合わせる。
 イリオネスに声をかける。
 『イリオネス、持参したものをくれ!』
 持参したものを受け取って、アエネアスが浜頭のほうへ体を向ける。
 『これは私らが焼いて作っている『堅パン』なるものです。皆さんで食べてください。そして、これは私らが浜を使わせていただく礼金です。受け取ってもらえば幸いです。ギリシアで通用しているドラクマ銀貨です』と言って、銀貨を入れた皮でできた小袋を浜頭に手渡す、受け取る浜頭が口を開く。
 『私がこの辺り一帯の浜の差配をしているレガントです。ピユロスのトーバル浜頭とは懇意にしています。このところ会ってはいませんが、元気にしてましたか?アエネアス殿、心遣いの品、頂戴します。また、これは、『礼金』といわれましたな、私が受け取るということで心おきなく浜を使われるということでもらい受けます。アエネアス殿の厚意を喜んでいただきます。ありがとうございます。浜を使ってください。また、入用なものがあれば言ってください。私らが持っているものであれば用意いたします』
 浜頭がアエネアスに向けて手をさしのべる、その手をシッカリと握るアエネアス、二人の意が通じ合う、初対面である二人の心が融け合う、続いて、イリオネス、パリヌルスとも手を握り合う。
 イリオネスが浜へ船を揚陸して貝殻落とし等の整備作業をしたい旨を浜頭に伝えて話し合いを終える。
 イリオネスがパリヌルスに声をかける。
 『おう、パリヌルス、オキテス、オロンテス、アレテスに事の成り行きを伝えておいてくれ。オロンテスのほうに作業計画があるようであれば対処してくれ。船の整備の件は、お前の責任対処だ。いいな』
 『了解しました』
 船に戻ったパリヌルスは、オキテスら三人を呼んで事の成り行きを伝えて、船の揚陸を指示した。