『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

[Aeneis's story] episode Ⅳ『建国の地へ』 To the funding of a nation 第1章 イピロスへ 12

2019-11-26 06:02:31 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 一同が風雨にうたれながら顔を合わせている、顔をうつ雨滴がいたい。
 アエネアスが一同に告げる。
 『おう、おはよう。いい朝ではない!見てみろ!海は荒れて荒れまくっている、出航は、空模様、風具合、海上状況の収まりを待つ!今日は出航しない!以上だ』
 一同が統領の意向を了承する、自船のところに戻って行く。
 パリヌルスは波打ち際に起つ、海を眺める、湾の彼方の海を見る。
 クレタの海との違い感じている、海の深さだろうか?海洋のスケールの大きさだろうか?と考える。
 レガント浜頭が姿を見せる、イリオネスとパリヌルスが浜頭を迎える。
 『おう、おはよう』
 『おはようございます』
 『ため込んでいたパワーを使っての荒れだな。今日の出航は無理ですな』
 『言われる通りです。そのように意を決めています。おさまりを待ちます。浜頭、おさまりを待つ停留方よろしく願います』
 『了承するする。おさまりを待たれるがいい』
 浜頭が海の状態を確かめる、イリオネスと言葉を交わして戻って行く。
 イリオネスがパリヌルスに声をかける。
 『おう、パリヌルス、浜頭の了承も得た。模様眺めだ、まあ~、おちつけ!考えて解決できる問題ではない』
 『そうですね。この荒れ状態のおさまるのを待ちます』
 『荒れたあとは、海路の日和に恵まれるかなだな?』
 『心静かに、荒れのおさまりを待ちます』
 二人の会話が終わる、イリオネスが去っていく。
 独り波打ち際に残ったパリヌルスに吹きすさぶ風が話しかける、風の言い分に耳を傾けた。

 『おいっ!お前ら何をおびえている?ああ~ん!俺がビュ~ビュ~!波はザンブリコだ!俺が戯れる!海が踊る!思い知ったか!』
 『それがどうした?』パリヌルスが開きなおる。
 『おいっ!パリヌルス!何をビビッテいる?お前の造った船がこの荒ぶる海に耐えれると思っているのか?のぼせあがるんじゃないぜ!お前の造った船なんぞ、木っ端みじんに砕いてやるぜ!』
 風がピユ~と吹き鳴らして過ぎていく。
 『俺の遊び場はチッチャクはない!ここにとどまってはいられない!俺は多忙なのだ。もう少し楽しんだら、ここを去る!待つのだな!俺はだな、邪魔をする奴のいない海が大好きなのだ!』

 パリヌルスは、荒れまくる風の独り言を耳にした感にうたれる。
 波が足を洗っている、感じて我に返る。
 『俺は何かを忘れている?』
 吹きまくる風がパリヌルスを戒める、戒めを受けとめる。
 思い起こす、それは『謙虚』の二文字であった。