『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第9章  戦闘再開  25

2008-01-10 07:28:32 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 五隊に編成したトロイ軍は、防戦一途の連合軍を攻め立てた。作戦遂行を先導する将たちは、ここぞと兵を励ました。突如、吹き荒れるイデー山おろしの東風が、砂塵を巻き上げ、連合軍に目つぶしの砂を吹き付け、トロイ軍の背中を押した。押されて進むトロイ軍、これを迎え撃つ防戦苦闘の連合軍は、防衛柵に、ゲートに押し付けられて、逃げ場を失い、兵は、無惨に攻め手の刃に倒れていった。
 ヘクトルの作戦は当たった。攻めろ!倒せ!退くな!の怒号が渦を巻いて飛び交った。

第9章  戦闘再開  24

2008-01-09 07:55:35 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 『ヘクトル!この局面で、戦馬、戦車での攻撃は無理だ。杭がある、柵がある、水がある、防御は完璧に近い。しかし、ぬかりもある、今、我が軍に神が手を貸している、勢いもある、連合軍は誉れ無く敗れるを願う。ヘクトル、俺の進言を入れよ。将兵に徒歩で攻めさせよ。あとは、お前に続いて、敵に攻め込む!これが、俺の献策だ。』
 誰でも思いつくような簡単な策ではあったが、ヘクトルは、プリダマスの意気込みをかった。
 『おうっ!了解っ!』 ヘクトルは、即座に命令を下した。
 軍装を整えて、地上に降り立ったヘクトルは、将兵たちを五隊に分けた。
 一番隊の将は、ヘクトル、プリダマスにケプリオネス、二番隊の将は、パリス、アルカトスにアゲノル、三番隊の将は、ヘレノス、デイポポスにアシオス、四番隊の将は、アエネアス、アルクロコスにアカマス、五番隊の将は、サルペドンのリキュウア隊にグローコス、アステロパオス、といった隊編成で戦いに挑んでいった。

第9章  戦闘再開  23

2008-01-08 07:46:12 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 その頃、トロイ軍は、連合軍を攻めて、攻めたてていた。濠の手前で、防衛柵の下で、ゲート前で果敢に戦闘を展開していた。
 ヘクトルは、憎っき敵、連合軍をここまで追い詰めた。その心意気を誇示するように、風のように舞い、暴れまくり、鬼神恐れるものなき状態で振舞った。だが、此処まで来て、敵の防御を破るには、策が必要であることに気がついた。
 杭あり、柵あり、水ある、広き濠を渡り、ゲートを押し開き、敵陣に突入して、闘う策である。
 今の状態では、戦車で濠を渡るわけにはいかない、戦馬もおののいている。
 徒歩の将兵たちは、飛び来る矢や槍、そして、石に、杭や柵をうまく防御に使いながら、勇んで進み行く。その時、徒歩の兵を率いている将のプリダマスの進言があった。

第9章  戦闘再開  23

2008-01-08 07:45:55 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 その頃、トロイ軍は、連合軍を攻めて、攻めたてていた。濠の手前で、防衛柵の下で、ゲート前で果敢に戦闘を展開していた。
 ヘクトルは、憎っき敵、連合軍をここまで追い詰めた。その心意気を誇示するように、風のように舞い、暴れまくり、鬼神恐れるものなき状態で振舞った。だが、此処まで来て、敵の防御を破るには、策が必要であることに気がついた。
 杭あり、柵あり、水ある、広き濠を渡り、ゲートを押し開き、敵陣に突入して、闘う策である。
 今の状態では、戦車で濠を渡るわけにはいかない、戦馬もおののいている。
 徒歩の将兵たちは、飛び来る矢や槍、そして、石に、杭や柵をうまく防御に使いながら、勇んで進み行く。その時、徒歩の兵を率いている将のプリダマスの進言があった。

第9章  戦闘再開  22

2008-01-07 07:54:00 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 ユロピロスは、苦しそうにパトロクロスに訴えた。
 『パトロクロス、この有様では、トロイの攻勢が船陣までに及ぶ!アキレスに軍を救ってくれと言って欲しい。頼みだ。』
 『お前の言葉も、ネストルの言葉もアキレスに伝える。安心しろ!それにしても、ユロピロス。お前を此処に捨てては置けん!手当てをする!』
 パトロクロスは、友に手を貸した。ユロピロス陣営の宿舎に彼を運び、大腿部の矢じりを引き抜いて、手当てを施した。
 パトロクロスが友の手当てをしている間に戦況は、トロイ軍の攻勢が濠に迫り、一部は、防衛柵を破り、船陣にまで及び、激戦が展開されている。パトロクロスは、しばし、戦況を望見して、アキレスの待つ自分の陣へと急いだ。

第9章  戦闘再開  21

2008-01-05 08:05:48 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 『ちょっと前、運ばれてきた負傷者は誰だ!』
 『マカオンが弓でやられた。重傷ではない。』
 『他に負傷した者は、誰だ!』 パトロクロスは訊ねた。その問いかけには衛兵が答えた。
 『アガメムノン統領、デオメデス、オデッセウス、それに二人の将が手当てに来ている。』
 『判った。治療には誰が当たっている?』
 『マカオンの指示で助手が手当てを施している。安心してよい。パトロクロス、君が此処に来たわけは何なのだ。アキレスは、連合軍のことなど、どうでもいいのとちがうのではないのか。パトロクロス、アキレスを説いてくれ。この俺が、頼んでいたと伝えてくれ。』
 帰営の途についたパトロクロスは、途中、負傷している友、ユロピロスに出会った。彼は、大腿部に矢傷を負っていた。

第9章  戦闘再開  20

2008-01-04 08:29:20 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 『パトロクロス、パトロクロス、ちょっと来て欲しい。』
 アキレスは、パトロクロスを呼んだ。
 『アキレス、何か用か。』
 『戦場を見ろ!ヘクトルのトロイが押しているではないか。今、戦場から、傷を負って戻ってきた奴がいる。戦車が目の前を走っていったのだ。誰なのか確かめてくれないか。軍医のマカオンと思われるのだが、、、、』
 『判った。』 パトロクロスは、ネストルの陣営に向かった。
 ネストルの陣営を訪れたパトロクロスは、開口一番、
 『ネストル、私は座っている時間がない。すすめなくていい!』
 『そうか、じゃ、すすめない。悪く思うな。ところで何用だ。息をきらしているではないか。』

謹賀新年   2008年  元旦

2008-01-04 07:51:19 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
      あけまして おめでとう ございます。
      今年も何卒 よろしくお願い申し上げます。

       HIPOKRATESHERB SUBISIKI HIPOKRASON
                    山田 秀雄