以前、このブログに、「私は職人好きである」と書いた。
以下は、ここ数ヶ月の間の出来事である。
我が家は築15年。そろそろ外壁塗装の時期である。
我が家はヘーベルハウスなので、必然的に(いや、別に必然ではないが、何となく流れで)旭化成リフォームさんに外壁塗装の見積もりを出してもらい、工事や色の打ち合わせ等を重ねている。
旭化成リフォームさんの担当者は迫間さんという。非常に好青年である。
仕事も一生懸命してくれる。私の我が儘な要求に嫌な顔一つ見せずに対応してくれる。私の素人じみた質問に対するレスポンスも丁寧でかつ早い。
世間では、「旭化成は高い」との評判も聞くが、ここまで担当者が一生懸命やってくれているのであれば、相応の報酬を支払ってもいいのではないか、と思ったりする。
思ったりはするのだが、外壁塗装は300万以上かかるとの見積もりが出てきており、「もう少し安くなんない?」と迫間さんに泣きついてみたりもしているヘタレな私である。
ところで、我が家の浴室の入口扉の下のゴムパッキンと浴室出窓の窓枠コーキングも、築15年を経てかなりヘタってボロボロになってきているので、この際、まとめて旭化成リフォームさんに直してもらおうと、こちらの修理見積もりも依頼した。
迫間好青年の目算では
「まぁ、かかっても2~3万円くらいだと思います。」
とのことだった。
浴室のゴムパッキンとコーキングの修理は旭化成グループではあるものの、迫間さんの所属する旭化成リフォームとは別会社(旭化成ホームズ)が担当するとのことで、後日、旭化成ホームズ(から指示された下請けさん)が下見に来てくれることになった。
ここまでは迫間さんの段取りである。問題もなかった。
問題はその後である。
下見に来られる予定日は平日である。時間は当初、
「15時くらいを予定していますが、前の現場の関係で16時くらいになってしまうかもしれません。」
とのことだった。
私が下見に立ち会った方が話が早いので、仕事のスケジュールをやりくりして16時少し前には自宅に戻れるように段取りし、
「では、いっそ16時でお願いします。」
と迫間さんに伝える。
当日。15時に事務所を出て自宅に向かおうとしていた私の携帯に妻からメールが。
「旭化成の人、もういらして下見して帰ったよ。」
へっ?
何かの手違いか? しかし、クソ忙しいスケジュールを調整したのは何のためだったんだ? と多少イラッとはしたものの、「迫間さんが悪いわけでもないしなぁ。よくある伝言ミスだろ。」と思い直す。
後日送られてきた見積書の金額は10数万円であった。
しかも、「浴室入口扉全体の交換」と、頼んでもいない項目まで入っている(ちなみに、この項目が一番高い。これを除けば、ほぼ迫間さんが言っていた2~3万円で済む工事である。)。
その上、ご丁寧に「依頼するなら同封の注文書を郵送しろ」との手紙まで入っている。
「何故、頼んでもいない浴室入口扉まで交換する見積もりを出したのか。」「何故、頼んでもいない工事まで組み込まれた注文書を送るか否かの二者択一を迫るのか。」についての説明は一言もない。
後で迫間さんに調べて貰ったところ、現場下見に立ち会った私の妻が「扉も汚くなっちゃって」と気にしていたので、扉交換も項目に加えました、とのこと。
ふざけるな。
実は旭化成ホームズ(と、この辺から呼び捨て)の浴室修理には今年初めにも苦い経験をさせられている。
昨年、浴室入口扉の戸車が壊れた。
旭化成ホームズに電話すると、すぐに下請け業者さんを寄越してくれた。修理時間も数分。
数日経って、費用の請求書が送られてきたのですぐに入金した。
ところが、今年3月頃、
「昨年の浴室入口扉の戸車修理費用が未払いなので、すぐに払ってくれ。」と、下請け業者さんから手紙(督促状ともいう)が。
入金したかどうかもすっかり忘れていたので慌てて振込手続きを取ろうとして、ふと、通帳を確かめてみると・・・、ちゃんと支払ってるじゃないか。
「何かの手違いだろう。」と何度かその下請け業者さんに電話連絡を試みるもつながらぬ。
ようやく、数日後に電話がつながった。
私:「あの、督促状頂いたんですけど、昨年、修理して頂いた直後にお支払いしてますが・・・」
下請け業者:「ああそうですか。分かりました」
・・・「分かりました」じゃなくて、「お手数かけて誠に申し訳ありませんでした」じゃねーの?
そういう経緯もあったので、旭化成関係の(水回り)下請け業者さんはもはや信用できない。
迫間さんには、「浴室のゴムパッキンとコーキングの修理はこちらで業者を探すから」と伝える。
恐縮して、平謝りの迫間さん。いや、迫間さんのエラーじゃないから、そんなに謝らなくてもいいっすよ。
というわけで、ポストに入っていたチラシからいくつかの業者さんを選んで電話をしてみる。
1社目。地元の丸平建設さん。チラシには「小さなことでもご相談ください。」とある。社長はゴルフ好きとのことだ。おぉ、同好の士ではないか!
電話したら、社長さんが速攻で自転車で駆けつけてくださった。
事情を説明して、見積もりを出して欲しい旨、伝える。
数日後、社長さんから連絡があり、
「メーカーと直接話して貰った方が費用も安く済むので、メーカーのサービス担当から直接連絡させます。」
更に数日後。トクラスのサービス担当から電話が。
「で、商品番号は分かりましたか?」
へっ?? 何の話??
「修理対象の商品番号が分からないと訪問が二度手間になってしまう上に費用も高くなってしまうので、商品番号を調べて連絡してくれるよう、お願いしておいたんですが。」
って、そんなこと一言も聞いてねーし。
携帯片手に色々調べて見るも、商品番号は分からず。
ついには、トクラスの担当者から
「いつ購入されたんですか? そもそも丸平建設さんで購入された商品ですか?」
と、根ほり葉ほり質問攻めに。
休日の朝である。下のチビが
「早くとしまえんに連れて行け~、連れて行け~」
と妖怪のようにまとわりついてくる状況下での尋問である。
・・・現場見てもらって、見積もり貰って、修理して欲しいだけなんだけど、俺。
なんだか、ばかばかしくなってきて、「現場を見に来ても頂けないんなら、もう、けっこうです。」と電話を叩き切る。
次に電話したのが、練馬を中心に職人が集まって結成している、という「職人グループ住宅」
大手の建設会社に依頼するより中間マージンがかからないから費用が安い、職人が直接お話をさせて頂くので安心・丁寧、とのチラシのふれこみである。
電話をしたら、「代表」のあらかわ氏が早速見に来てくれた。
これまでの事情を話して見積もりを出して欲しい旨、依頼する。
「分かりました。住所も分かっているので郵送するか、ポストに入れておきます」と代表。
・・・・・10日間待ったが連絡はない。
12月22日。しびれを切らしてこちらから電話をする。
代表:「あぁ、25日の9時30分に職人を作業に行かせますよ。」
・・・へっ?
まだ、見積金額も聞いてないし、依頼もした覚えないんだけど。
問い質すと、
「たいした金額じゃないから見積もりなんかいちいち出さない。我々の世界は口約束が一般だから。」
ちょっと、待て。
たいした金額か否かは発注者の私が判断することじゃないのか?
そもそも「見積もりを出す」と約束したのはおめぇーの方だろ?
結局、9時30分は困るので、14時頃に来て欲しいと申し入れる。
で、今日。
先ほど9時43分に妻からメールが。
「お風呂の工事始まってるよ。」
「代表」あらかわ氏に電話をして、「約束の時間と違う」と文句を言ったところ、
「この年末の忙しい時期に、いちいち、そんなことにかまってられるか」
ときた。
ちなみに我が家では23日からインフルエンザA型を発症した長男が静養中である。
一連のクソ職人相手の騒動で初めて殺意を覚えた。
てめぇ-ら、いい加減にしろ。
私が間違っているのか?
現場を見て貰って、見積もりを出してもらって、納得したら工事をお願いして、約束した日時に来て、きちんとした工事をして欲しい、というのはそんなに我が儘で非常識なリクエストか?
私はいかれたクレーマーなのか?
敬愛する三浦しをんさんは、「まほろ駅前狂騒曲」で行天春彦に
「正しいと感じることをする。でも、正しいと感じる自分が本当に正しいのか疑う。」
と言わしめた。
繰り返される苛立ちに、自分の正気を疑い始めた今日この頃である。