伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

議員だよりの原稿を書きました

2015年10月25日 | 市議会
 今日付けの日本共産党磐城市議団の議員だよりの原稿を書きました。2018年度には、国民健康保険が都道府県単位に統合されようとしている時に、市の対応はもとより、都道府県の役割が重要だという趣旨での原稿です。





市民の納税意識は低くない!
高すぎる国保税が滞納の原因


 いわき市議会9月定例会で継続審査になっていた2014(平成26)年度決算の審査が、5日から8日に開かれた決算特別委員会で行われました。私は、企業会計・特別会計決算委員会の審議に出席しましたが、国民健康保険事業特別会計(以下、国保特会)歳入歳出決算では、「納税意識の低下」という問題を、決算の状況から質疑しました。(伊藤浩之)

「納税意識の低下」は、国保税滞納の原因としてよく上げられるものですが、本当にそうなのでしょうか。
 14年度の国保特会決算では、どうもそうではない状況を見ることができるのです。

 まず、収納率が向上しているという点です。

 同年度の国保税の収納率は86・1%でした。前年より0・4%、わずかですが伸びているのです。
 その原因を執行部は、市民の経済状況が良くなったためとみていることを答弁しました。震災後、震災関連事業等の増加で、就業の機会が増えて収入が確保され、国保税を支払うことができるようになってきていると考えて良いでしょう。

 もう一つが、同じ歳入の「一般被保険者延滞金」という項を見ると、予算の段階で8600万円と見込んだものが、実際には1億3775万円と約5000万円も余計に収入されていることです。

 この見込み違いの要因として考えられるのは、①国保税の徴収に特別の力を入れる、②市民が国保税を支払うだけの収入を確保することができた――を挙げることができると思います。

 このうち、現年度分の収入の増加の要因を、経済状況が良かったことにあるとみていることから、「延滞金」の収入の増加もここに原因を求めることが妥当だと考えられます。

 以上、二つの数字には収入さえ確保されるならば、市民は国保税を支払う意識を持っていることが示されていると思います。

■国保支援を国がしっかり

 裏返して考えれば、市議団がかねてから指摘してきた通り、国保税が市民の負担能力をこえて高すぎることが国保税滞納の原因だということが示されています。

 今年度、国は、国保会計に対する支援として総額1700億円の予算を組みました。このことによる増収も追い風となって、いわき市の国保税は、今年度、所得割で計1%の引き下げをすることができました。

 財源さえ確保すれば、高すぎる国保税を市民に負担させなくてすむことが示されたのです。

 かつて国は〝医療が国をつぶす〟と叫んで、国保に対する支援を削減しました。それが、国保税の暴騰を招く結果になりました。

 こうしたことからも、国として国保に対する責任をしっかり果たさせること、そのために国の政治の流れを変えることが大切になっています。

■今後、県を監視する県議会の役割が重要に

 県の役割も大きくなります。
 3年後の18年度をめどに国保制度が大きく変わろうとしています。

 内容は、市町村が運営する国保制度を都道府県と市町村が共同で運営する仕組みに変えるというものです。

 保険証の発行、保険料の決定や徴収、医療の給付などは、これまで通り市町村が行います。

 一方、県の役割は、市町村から集めた国保税(拠出金)を一手に担い、これまでは原則市町村が担っていた給付(医療費の支払い)を行うことになります。〝国保財政の元締め〟〝市町村の監査役〟としての強大な権限を行使することが、国から期待されているわけです。

 このことにより、加入者の実情を無視した国保税の徴収が横行したり、保険料の高騰を抑えるために医療(給付)の抑制がされるようになるのではないかといった懸念が浮上しています。

 それだけに県の役割を監視・規制する県議会の役割が大切になってきます。加入者・住民の立場に立って県の動向を監視し、国保制度に住民目線を反映させることが期待されるのです。

 日本共産党は、住民のみなさんの声を国にも、県にも、そして市にも届け、高すぎる国保税を解消し、住民の声が生きる国保制度になるように努力していきたいと思います。

 ご意見・ご要望などお寄せ下さい。


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