それにしても大地震はなぜに寒い時期に多いのか。
2018(平成28)年の熊本地震は4月から7月の間に震度7が2回をはじめ震度5弱以上の地震を19回観測する大地震だったが、1995(平成7)年の阪神・淡路大震災が1月17日、2011(平成23)年の東日本大震災が3月11日でどちらも寒い時期。もちろんその他にも大きな地震は起きているのだが、強く印象に残っている地震は、なぜか寒い時期に発生しているものだ。
もっとも、印象に残り続けるのは別の要因もあるだろう。規模が大きく繰り返し報道されていたにとどまらず、阪神・淡路は発災の日に神戸市を訪れる予定になっていたことがある。当時務めていた共産党市議団の事務局長として団の視察に同行していることにしていたのだが、発災の報を受けて視察を中止したし、当初計画の前泊行程で宿泊が予定されるホテルは、震災当日に1階が潰れていた。また2泊3だけだったが、神戸で被災者支援のボランティア活動にも参加していた。東日本大震災では自らが被災地だ。
今回の大地震も、寒さの最中の災害だ。今日の午前9時段階での行方不明者は103名いるようだ。建物の下敷きになった際などの生存率が大幅に下回る72時間はすでに過ぎているが、この寒さは行方不明者にも、避難所あるいは自宅で過ごす被災者にも、救助・救援活動に携わる人々にも、困難を及ぼすことになるだろう。
90台の女性が5日ぶりに救出された歓迎すべき報道もあったが、これまでの犠牲者はすでに161人に上っている。犠牲になられたみなさんを追悼しつつ、被災者された方々にはお見舞いを申し上げたい。
驚かされたのは、この災害発生のほぼ26時間後、羽田空港で発生した航空機事故だ。
テレビの画面に燃え上がる航空機の映像が映り、事故の発生を伝えるアナウンスが繰り返された。
事故は羽田空港のC滑走路上に停止していた海上保安庁の航空機に着陸しようとしていた新千歳空港発日本航空(JAL)516便が衝突し、海保機は炎上、JAL機は炎を上げながら滑走し停止後火災により消失した。衝突して滑走路するJAL機の映像からは、前輪を喪失して胴体で滑走している様子が良く分かった。事故で海保機の乗員6人のうち機長が自力で脱出したものの残り5人は死亡、幸い、JAL機の乗客・乗員は全員脱出して犠牲者はなかった。
映画でしか見たことがない場面がテレビに映し出される現実。この現実は、これまでの証言等で、1つは、海保機が管制の指示された誘導路の指定ポイントで止らずに滑走路に進入し40秒間停止していたこと、2つ目には、滑走路で停止していた海保機に管制もJAL機も気がつかないでいたことが主な要因になってもたらされたことが浮彫りになってきたように思う。
海保機が管制の指示と異なり滑走路に進入したことは、交信記録に明らかだ。
交信記録は次の通りだ(FNNプライムオンラインより引用)。
17:43:02
JAL516(衝突した日航機): 東京タワー、JAL516 スポット18番です。
東京タワー(管制塔): JAL516、東京タワー こんばんは。滑走路34Rに進入を継続してください。風320度7ノット。出発機があります。
17:43:12
JAL516(衝突した日航機): JAL516 滑走路34Rに進入を継続します。
17:43:26
DAL276(出発機2番目): 東京タワー、DAL276 誘導路上Cにいます。停止位置に向かっています。
東京タワー(管制塔): DAL276、東京タワー こんばんは。滑走路停止位置C1へ走行してください。
DAL276(出発機2番目): 滑走路停止位置 C1 DAL276。
17:44:56
東京タワー(管制塔): JAL516 滑走路 34R 着陸支障なし。風310度8ノット。
17:45:01
JAL516(衝突した日航機): 滑走路 34R 着陸支障なし JAL516。
17:45:11
JA722A(衝突した海保機): タワー、JA722A C誘導路上です。
東京タワー(管制塔): JA722A、東京タワー、こんばんは。1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください。
17:45:19
JA722A(衝突した海保機): 滑走路停止位置 C5に向かいます。1番目。ありがとう。 17:45:40
JAL179(出発機3番目): 東京タワー、JAL179 滑走路停止位置 C1へ走行しています。
東京タワー(管制塔): JAL179、東京タワー 3番目。滑走路停止位置 C1へ走行してください。
JAL179(出発機3番目): 滑走路停止位置 C1 へ走行、離陸準備完了。
17:45:56
JAL166(到着機2番目): 東京タワー、JAL166 スポット21番です。
東京タワー(管制塔): JAL166、東京タワー こんばんは。2番目、滑走路 34R進入を継続してください。風320度8ノット。出発機あり。160ノットに減速してください。
17:46:06
JAL166(到着機2番目): 減速160ノット、滑走路34R 進入を継続。こんばんは。 17:47:23
東京タワー(管制塔): JAL166、最低進入速度に減速してください。
JAL166(到着機2番目): JAL166。
17:47:27
(3秒無言)
管制官は海保機に対して「1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」と指示しており、海保機も復唱している。それなのに、海保機が滑走路まで進んでしまったのはどうしてなのだろうか。
この管制記録を、C滑走路上にある5番目の「滑走路停止位置」を示していると素人目で読んだ。しかし、C5の「5」は、誘導路の番号を示すという。従ってこの指示は、5番誘導路の滑走路停止位置ということになる。航空関係者がこの言葉を誤解する余地はないように思う。
一方、報道等では、「1番目」の言葉を海保機が誤解したのではないかという専門家の指摘がある。この言葉の他に誤解の余地がある交信はないことから、滑走路で離陸を待つ1番目と勘違いしたのではというのだ。
現時点で真相は見えていない。いずれせよ、海保機は、管制の指示とは異なり滑走路に進入しその場で待機した。こういう勘違いをしたのはなぜか。そこが分かっていない。脱出した海保機の機長は、離陸許可を得ていたと認識し、他の乗員も同様の認識をしていたという。
不幸にして死亡した海保機の乗員の証言を得ることは、もはやかなわない。回収されたという海保機のブラックボックスの解析で乗員がどのように情報共有をしていたのかが明確になり、今後の事故防止充実につながってほしい。今は、そんな思いを強くしている。
また、安全を確保するための施設を構築していくことも必要だ。
報道では、管制室には、滑走路への誤進入があった際に警報を発する装置などがあり、稼働していたとされているが、これに管制官が気付かなかったようだ。また、これらの装置の他に、他国ではヒューマンエラーを防ぐための様々な装置が設置されているという。しかし、羽田空港では一部に設置あるいは未設置の状況にあった。設置するためには予算の措置が必要だという。
航空機の離発着の安全性は、基本的に人対人のコミュニケーションで支えられている。安全性を高めるためにはヒューマンエラーを防ぐための、補助的な施策・装置が大切なことはいうまでもない。こうした設備の充実も重要なのだろう。
それにしても、火災を起こしたJAL機で乗客・乗員に犠牲者が1人もなかったというのはすごいと思う。事故から18分後だったかには、全員の脱出が完了したという。脱出路を確認するための乗員の冷静な判断。「大丈夫、乗員の指示に従いましょう」という乗客から乗客への呼びかけ。現場にいたみなさんの賢明な判断が、奇跡を成し遂げたと言えるだろう。JALでは、事故時の脱出訓練がしっかり実施されていたことも功を奏したのだろう。
備えあれば憂いなしという言葉は本当にその通りだ。
地震、航空機事故。新年の日本を震撼とさせた事態。この事態を受けて思う。災害、事故を防ぐための措置を充実し、人々が安心して暮らしていける社会に。教訓を活かしてそんな一歩を踏み出せる年になることを願いたい。
2018(平成28)年の熊本地震は4月から7月の間に震度7が2回をはじめ震度5弱以上の地震を19回観測する大地震だったが、1995(平成7)年の阪神・淡路大震災が1月17日、2011(平成23)年の東日本大震災が3月11日でどちらも寒い時期。もちろんその他にも大きな地震は起きているのだが、強く印象に残っている地震は、なぜか寒い時期に発生しているものだ。
もっとも、印象に残り続けるのは別の要因もあるだろう。規模が大きく繰り返し報道されていたにとどまらず、阪神・淡路は発災の日に神戸市を訪れる予定になっていたことがある。当時務めていた共産党市議団の事務局長として団の視察に同行していることにしていたのだが、発災の報を受けて視察を中止したし、当初計画の前泊行程で宿泊が予定されるホテルは、震災当日に1階が潰れていた。また2泊3だけだったが、神戸で被災者支援のボランティア活動にも参加していた。東日本大震災では自らが被災地だ。
今回の大地震も、寒さの最中の災害だ。今日の午前9時段階での行方不明者は103名いるようだ。建物の下敷きになった際などの生存率が大幅に下回る72時間はすでに過ぎているが、この寒さは行方不明者にも、避難所あるいは自宅で過ごす被災者にも、救助・救援活動に携わる人々にも、困難を及ぼすことになるだろう。
90台の女性が5日ぶりに救出された歓迎すべき報道もあったが、これまでの犠牲者はすでに161人に上っている。犠牲になられたみなさんを追悼しつつ、被災者された方々にはお見舞いを申し上げたい。
驚かされたのは、この災害発生のほぼ26時間後、羽田空港で発生した航空機事故だ。
テレビの画面に燃え上がる航空機の映像が映り、事故の発生を伝えるアナウンスが繰り返された。
事故は羽田空港のC滑走路上に停止していた海上保安庁の航空機に着陸しようとしていた新千歳空港発日本航空(JAL)516便が衝突し、海保機は炎上、JAL機は炎を上げながら滑走し停止後火災により消失した。衝突して滑走路するJAL機の映像からは、前輪を喪失して胴体で滑走している様子が良く分かった。事故で海保機の乗員6人のうち機長が自力で脱出したものの残り5人は死亡、幸い、JAL機の乗客・乗員は全員脱出して犠牲者はなかった。
映画でしか見たことがない場面がテレビに映し出される現実。この現実は、これまでの証言等で、1つは、海保機が管制の指示された誘導路の指定ポイントで止らずに滑走路に進入し40秒間停止していたこと、2つ目には、滑走路で停止していた海保機に管制もJAL機も気がつかないでいたことが主な要因になってもたらされたことが浮彫りになってきたように思う。
海保機が管制の指示と異なり滑走路に進入したことは、交信記録に明らかだ。
交信記録は次の通りだ(FNNプライムオンラインより引用)。
17:43:02
JAL516(衝突した日航機): 東京タワー、JAL516 スポット18番です。
東京タワー(管制塔): JAL516、東京タワー こんばんは。滑走路34Rに進入を継続してください。風320度7ノット。出発機があります。
17:43:12
JAL516(衝突した日航機): JAL516 滑走路34Rに進入を継続します。
17:43:26
DAL276(出発機2番目): 東京タワー、DAL276 誘導路上Cにいます。停止位置に向かっています。
東京タワー(管制塔): DAL276、東京タワー こんばんは。滑走路停止位置C1へ走行してください。
DAL276(出発機2番目): 滑走路停止位置 C1 DAL276。
17:44:56
東京タワー(管制塔): JAL516 滑走路 34R 着陸支障なし。風310度8ノット。
17:45:01
JAL516(衝突した日航機): 滑走路 34R 着陸支障なし JAL516。
17:45:11
JA722A(衝突した海保機): タワー、JA722A C誘導路上です。
東京タワー(管制塔): JA722A、東京タワー、こんばんは。1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください。
17:45:19
JA722A(衝突した海保機): 滑走路停止位置 C5に向かいます。1番目。ありがとう。 17:45:40
JAL179(出発機3番目): 東京タワー、JAL179 滑走路停止位置 C1へ走行しています。
東京タワー(管制塔): JAL179、東京タワー 3番目。滑走路停止位置 C1へ走行してください。
JAL179(出発機3番目): 滑走路停止位置 C1 へ走行、離陸準備完了。
17:45:56
JAL166(到着機2番目): 東京タワー、JAL166 スポット21番です。
東京タワー(管制塔): JAL166、東京タワー こんばんは。2番目、滑走路 34R進入を継続してください。風320度8ノット。出発機あり。160ノットに減速してください。
17:46:06
JAL166(到着機2番目): 減速160ノット、滑走路34R 進入を継続。こんばんは。 17:47:23
東京タワー(管制塔): JAL166、最低進入速度に減速してください。
JAL166(到着機2番目): JAL166。
17:47:27
(3秒無言)
管制官は海保機に対して「1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」と指示しており、海保機も復唱している。それなのに、海保機が滑走路まで進んでしまったのはどうしてなのだろうか。
この管制記録を、C滑走路上にある5番目の「滑走路停止位置」を示していると素人目で読んだ。しかし、C5の「5」は、誘導路の番号を示すという。従ってこの指示は、5番誘導路の滑走路停止位置ということになる。航空関係者がこの言葉を誤解する余地はないように思う。
一方、報道等では、「1番目」の言葉を海保機が誤解したのではないかという専門家の指摘がある。この言葉の他に誤解の余地がある交信はないことから、滑走路で離陸を待つ1番目と勘違いしたのではというのだ。
現時点で真相は見えていない。いずれせよ、海保機は、管制の指示とは異なり滑走路に進入しその場で待機した。こういう勘違いをしたのはなぜか。そこが分かっていない。脱出した海保機の機長は、離陸許可を得ていたと認識し、他の乗員も同様の認識をしていたという。
不幸にして死亡した海保機の乗員の証言を得ることは、もはやかなわない。回収されたという海保機のブラックボックスの解析で乗員がどのように情報共有をしていたのかが明確になり、今後の事故防止充実につながってほしい。今は、そんな思いを強くしている。
また、安全を確保するための施設を構築していくことも必要だ。
報道では、管制室には、滑走路への誤進入があった際に警報を発する装置などがあり、稼働していたとされているが、これに管制官が気付かなかったようだ。また、これらの装置の他に、他国ではヒューマンエラーを防ぐための様々な装置が設置されているという。しかし、羽田空港では一部に設置あるいは未設置の状況にあった。設置するためには予算の措置が必要だという。
航空機の離発着の安全性は、基本的に人対人のコミュニケーションで支えられている。安全性を高めるためにはヒューマンエラーを防ぐための、補助的な施策・装置が大切なことはいうまでもない。こうした設備の充実も重要なのだろう。
それにしても、火災を起こしたJAL機で乗客・乗員に犠牲者が1人もなかったというのはすごいと思う。事故から18分後だったかには、全員の脱出が完了したという。脱出路を確認するための乗員の冷静な判断。「大丈夫、乗員の指示に従いましょう」という乗客から乗客への呼びかけ。現場にいたみなさんの賢明な判断が、奇跡を成し遂げたと言えるだろう。JALでは、事故時の脱出訓練がしっかり実施されていたことも功を奏したのだろう。
備えあれば憂いなしという言葉は本当にその通りだ。
地震、航空機事故。新年の日本を震撼とさせた事態。この事態を受けて思う。災害、事故を防ぐための措置を充実し、人々が安心して暮らしていける社会に。教訓を活かしてそんな一歩を踏み出せる年になることを願いたい。
震源は、湯の岳断層と井戸沢断層の交差する辺りで、どちらが原因かは分かりませんが、東日本大震災を起因とする余震と考えて良いのでしょうね。
いつ何時、どのような災害がやってくるのか分からない。この地震であらためて感じました。
災害への備えをしっかりすることが、次に生を繋ぐことになるのでしょうね。
今年が新たな災害のない年になることを心から願います。
2日には、衝撃を通り越した航空機事故が。
2日間とも、テレビ画面を食い入るように見ていました。
能登地震は現在進行中、昨日かな?16日になってもまだ緊急地震速報が出ましたよね。
今になってもとにかく気分が晴れません。仕方ないですよね。分かってはいても、そうなってしまう。
まずは、被災地方の方々が、暖かい環境で過ごせるようになってほしいです。
地震では4メートルも隆起した所があるとか。しかもわずか1分間の間に。
隆起した部分の海水は外へ向かったのだから、他の場所にすぐに津波が来たんだと思います。
いわきの井戸沢断層は、東日本大震災の1か月後に動き、2メートルの断層崖が田人町内に出現しました。
(マグニチュード7.0、今回の能登地震の10分の1くらいの規模かもしれません。)
こういう地震が、今回は海岸線で起こったわけですよね。
地震発生場所が陸域と海域とではこんなにも変わってしまうものだと、改めて思った次第です。
防災は大事です。
でも、防ぎぎれないほどの大災害が起こることもあると考えると、生きていることをかみしめながら1日1日を大事にしていこうと思ったのであります。