伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

放射線への理解を深める地域モデル事業

2015年01月15日 | 原発
 いわき市での北部に位置する久之浜町末続地区で「放射線への理解を深める地域モデル事業」の住民説明が行われたので、お話を聞いてきました。

 同地区は双葉郡に隣接し、原発事故後はいわき市長の判断で、市内中部で避難生活を送った体験を持ちます。原発事故後、住民の自主的な活動で地区内の放射線値や土壌のセシウム量を詳細に測定しマップを作成、また避難先から地域に戻ってから積算線量計を利用して住民の被ばく線量を測定・評価し、不安を払拭して生活をできるようにする取り組みをすすめています。

 昨年いわき市議会11月定例会の補正予算案に、「放射線への理解を深める地域モデル事業」が計上され議決されました。末続地区で行われている自主的活動を、規模拡大して住民規模で展開しようとするものでした。

 今日の説明では、①定期的な食品測定と相談受付、②外部被曝測定と結果の説明会、③内部被曝測定と結果の説明会、④地区だよりの発行――を主な事業として、食品測定は週1回の測定日、希望者(5世帯程度)に対する陰膳検査(一食丸ごと検査)、千代田テクノル製の積算線量計を利用した外部被曝検査(2ヶ月に1回ほどの説明会を実施)、年に2回の内部被ばく検査などを、専任の支援相談員を配置し実施していくと言います。

 この間、住民が自主的にすすめてきた外部被ばく検査では、同地区住民の被ばく線量は一定の範囲内におさまり、年間の追加被ばく線量が1msvを超える事例は見られないといいます。

 今回事業化されることになり、さらに広く測定が行われることで安心感を高めながら、あるいは不安を払拭しながら生活することができるようになれば幸いだと思います。

 これまで取り組みを進めてきた方はおおよそ次のように話しました。

 「子どもたちの将来のために現在のデータをしっかり残しておくことが必要だと思いました。何かあれば、それを裏付けることになるし、何もなければそれで良い。末続での取り組みが北(双葉郡)に広がってくれるといいな、と思っています」

 取り組みの推移を見守っていたいと思います。


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4 コメント

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ガラスバッチの線量は4割低い (武蔵小杉)
2015-01-20 15:51:06
ガラスバッチの(株)千代田テクノル線量計測事業本部副本部長で執行役員の佐藤典仁氏が伊達市議員研修会で公式に説明しているのでよく考えてください。ニュース検索の一位でみる事が出来る。)本当に地域住民の健康を守ろうとしているのか
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特性を踏まえて判断すれば良いということですね。 (伊藤浩之)
2015-01-22 13:38:16
ご指摘ありがとうございます。確かにそのような記事をネット上で確認できました。

測定機器には、それぞれの特性があるので、その特性を理解して使う必要があり、ガラスバッチの場合は、3割から4割増しの測定値になることを想定して判断した方が良いということですね。

今回使用される線量計は、千代田テクノル製のD-シャトルという製品で、電子線量計をベースに作られた製品です。ただ、体の一定の部位に保持して使用することになる点は、ガラスバッチと同じようなことが発生する場合もあるかもしれませんが、機器の特性を理解して使用する必要があるということは記憶にとどめておきたいと思います。
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ガラスバッジの値が「低く出る」のではないです。 (市外の者ですが)
2015-01-29 13:44:13
空間線量からの推計が、実際の個人線量より「3~4割も過大」ということは以前から分かっている事です。

そして本当に知りたい実効線量が個人線量により近い事も分かっているので、個人線量を実効線量に替わる値として考えて問題ないとのこともです。

先行して個人線量測定を続けて来られた末続の方々を支援されている福島のエートスの方、宮崎医師、あるいは坪倉医師などにお尋ねになれば全くバカげた話というになると思います。

下の「まとめ」中盤に「ガラスバッジ測定は過小評価」という主張のどこが間違いか、反証があります。

このように、「自分や家族が、実際どれくらい被曝しているのか知りたい」という当たり前の思いを住民自ら叶えようとする活動にも、親切顔で下らない横やりを入れる人々がいるのは残念なことです。


「アルファ通信が破産し、リアルタイム線量測定システムの撤去が始まったら個人線量計を叩きはじめたジャーナリスト」
http://togetter.com/li/775668
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市外のものさんへ (伊藤浩之)
2015-01-29 18:15:24
コメントありがとうございます。

住民自ら測定をすすめ、またそれを手弁当で支えている活動を支えていくことは本当に大切なことだと思います。

末続での活動は2回お話を聞きましたが、一時避難から地元に戻った後、測定をしながら被ばくを少なくする生活スタイル考えている住民のお話を聞いて、ある種感動を覚えたことを思い出します。

機会の特性を踏まえての表記にはこんな話を聞いたことが背景にあります。

以前、リアルタイム線量計が少なめなデータを出していると問題になった時がありました。ある方が、別の線量計のデータと比較する調査を行った結果、測定器を上に向けて測るとデータが一致したそうです。

何でこうなるかというと、もともと設置型の線量計は、核兵器の実験で飛散した放射性物質を測定するために上から降ってくるものを測定する設計になっていて、これがJIS規格になっている。いま問題になっている横から放射線がくるものを想定した設計にはなっていないためだというのです。

装置はそれぞれの測定用途に沿って設計されるわけで、その特性を知って対応すれば、「うそつきだ」などの無用なレッテル張りをして混乱を産み出すことはないと思っているわけです。

ご指摘のように問題がなけrば、それで良いと思います。何よりも大切なのは、現在の線量のレベルならば、測定したデータをもとにそれぞれの方が安心して生活できる環境と生活スタイルを確立することなのですから・・と思っています。

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