伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

今年度は年度中に実施できる分だけ契約。次年度は残りの地区で実施したい――側溝の土砂撤去の実施方針が説明されました

2017年02月02日 | いわき市
 2011年の東電福島第一原子力発電所の事故によって土壌が放射性物質に汚染されたことから停止していた、市道側溝の土砂の撤去について、今後の進め方の説明が担当課からありました。

 昨年8月に開かれた臨時会では、汚染土壌の処分の方向性が定まったことから市単独事業で実施するとして補正予算等が議決されていましたが、その後、復興庁が補助事業で実施する方針を示したことから市単独事業としてすすめることはストップし、国との調整が続いていました。

 その結果、今年度については2月以降に当初からモデル事業として実施することにしていた小名浜地区のうち、今年度中の事業終了が可能な中部浄化センター周辺の地区で対象側溝延長18.9Kmについて土砂除去を実施することになりました。事業費は約1億円で、2分の1は福島再生加速化交付金で措置される他、震災復興特別交付税で2分の1が措置されることから、市からの持ち出しなしで事業がすすめられることになります。

 小名浜地区の残りの地域について、市としては予算措置がされれば新年度早々に実施し、小名浜地区以外ですでに除染作業が完了している久之浜・大久地区を除く11地区は、地域の状況確認作業をして除去する場所を確定し、次年度中には実施したい考えです。この事業で実施対象となる側溝の延長は約358.5kmで、事業費は約26億4000万円が見込まれています。

 市議会だより等でこれまで、実施対象地域を環境美化のための市民総ぐるみ運動で土砂上げをしていた範囲と排水不良等がある地域としてきましたが、実はこの表記が不正確だったことに今日気がつきました。

 実施対象区域にある側溝の中で排水不良等で土砂が厚く堆積している場所や臭気のきつい地域は対象となります。しかし、排水が良好な箇所では堆積物が流下していて線量的に問題がないので、土砂等が多少あっても、その箇所では土砂の除去対象箇所にしないというのです。

 確かに土砂が流下しているとすれば線量的には問題がないと考えられるので撤去の必要はなく、今後は市民総ぐるみ運動の中で地区の方々に除去をお願いすればよいということになります。

 ただこれまではこうしたところでも泥上げをしないよう指導してきた経過があります。これは土壌汚染があるための措置ととらえられており、今回除去しないということと矛盾することになります。

 これまで撤去できなかったのは、汚染が小さい箇所であっても、土砂上げしたものを保管する場所の確保に困難をきたしていたためでした。今般、市が土砂撤去に踏み切った背景には、撤去された土砂を処分する見通しが立ったということがあるので、これまで土砂の撤去をしないよう指導してきたこととは整合性があることにはなります。

 これまでもすべてを撤去する旨の説明はせず、あくまで排水不良等の箇所としてきたようですが、それでもなお市民には丁寧な説明が必要でしょう。

 なお1月28日の新聞で、再生加速化交付金の市配分額が4900万円とされており、小名浜の事業規模から考えてやけに小さい額だなと考えていました。今日の説明を受けてその疑問は氷解しました。

 めでたし、めでたしといったところか・・。


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