15日にいわき市議会東日本復興対策特別委員会が開かれ、東京電力の常務執行役で第一安定化センターの小森明生所長や福島復興本社の林孝之復興推進室長などの出席のもと、第1原発事故の復旧の進捗状況などについて説明がありました。原子力規制委員会の会議で、東電が多核種除去装置で処理した水を海洋放流する計画を説明したという報道などを受けて、開催されることになったものです。
説明では、第一、第二の原子炉は現在、安定的な冷温停止状態(10度台から20度台)が維持されており、滞留水は放射性物質の低減処理をした上で、処理水はタンクに貯蔵し、淡水化したうえで再利用を行っています。滞留水増加の原因になっている地下水流入の対策として井戸を掘って地下水を汲み出し、水位を下げ流入を抑制する作業をすすめています。
また、1から4号機の廃炉に向けて第1期を使用済み燃料プール内の燃料取り出し、第2期を燃料デブリ(溶け落ちた核燃料)の取り出し、第3期を原子炉施設の解体としているロードマップを説明し、安定的な冷温停止状態の達成を内容とするステップ2の完了から30~40年後に原子炉解体の作業を終える計画でいることなどが説明されました。ここらの説明は、これまでの説明や報道されてきたものとほとんど変わりません。
説明後、質疑が行われました。説明にあった現在工事中の地下水流入対策は、流入量をゼロにするものでありません。このため多各種除去装置で処理される汚染水は減るでしょうが、無くなることはありません。増設されている貯蔵用のタンクもやがてはいっぱいになり、処理水が放流されることになってしまうことは道理です。
東電は、新聞報道された処理水放流の記事は規制委員会に提出した資料に記載された事項が報道されたもので、委員会の中で発言したものではないと釈明。記載した主旨も、無条件に放流するというものではなく、①地下水流入抑制②汚染水処理③陸上保管などの対応をしっかりするという課題にしっかり取り組むことが前提となっており、その結果を見てから判断するというもので、放流は考えていないとして、現時点での放流の考えについては否定しました。また放流を行う際も、関係省庁や市町村の了解なくしては行わないとし、漁業者にもしっかりとした説明を行うことに言明しました。
仮に放流されてしまえば65核種は検出限界値より少なくすることが可能とみているものの、トリチウムは取り除けません。放流水の中に含まれてしまいます。東電はその影響は小さいといいます。しかし風評被害の発生なども含めて漁業などへの影響が大きく、放流しなくて済む対策――事故原子炉への地下水流入をゼロにすることがカギを握ると思いますが、そうした対策をしっかり検討するよう求めました。
原発労働者の特別手当(危険手当)がピンはねされている実態が聞かれるため、事前に「発注者として東電はどのように対応するのか」を質問していました。東電は、事業の発注時に、通常の工事費より割増した金額で契約しており、危険手当の支払いは十分できるようにしていると説明した上で、手当額は会社によって異なり、賃金と一体で別手当となっていない例もあるとしました。さらに元請けとの関係で監査的な調査もしているという答えもありました。
東電の調査でも「もらっている」と答えた労働者は5割程度にすぎません。また、東電の下請けの関係は多層構造となっていることから、元受の関係の調査にとどまらず末端の労働者までを対象にしっかりと掌握することを求めました。
さらにいわき市民に対する一律賠償の問題も質問していました。東電は一般の場合は原発事故直後から4月22日のほぼ1か月間だけに一律賠償を行い、それ以降は個別の交渉による賠償とする考えです。なぜ4月22日の期限なのか。東電は、「原子力損害賠償紛争審査会の中間指針は、賠償期間を「当初」とするだけで期間を定めていません。事故に関する情報が一定周知されたり、屋内避難区域がおおむね解除されたことなどを考慮しながら、一律賠償期間月日までと独自に定めました」としました。
東電が独自に定めたものなら、東電独自の判断でも十分に一律賠償対象期間を幅広くとることは可能です。検査が行われていても、スーパーの特売日などに水を買う市民が殺到する状況があるなど、原発事故に対する不安などの心に対する影響は未だに続いています。経済的損害も含めて、現在も被害を続いていることを受け止めて、一律損害賠償期間を延長する検討をするよう求めました。
原発事故から2年が過ぎようとしています。しかし、原発事故の対応をめぐっては様々な問題が継続し、そしてその解決を求める世論も広がりを見せています。こうした中で、この特別委員会の質疑で、私は初めて耳にしましたが、東電が労働者の雇用条件などについて元請との間で監査的な調査をしているとしたことには、東電も世論の圧力で動かざるを得なくなっていることが表れているのでしょう。しかし、東電の行動は全面解決に向かう動きにはほど遠いと言わざるをえないと思います。まだまだ東電に対する諸問題解決を求める声と世論を大きくしていくことも必要でしょう。特別委員会はそのことをつくづく思わせるものとなりました。
説明では、第一、第二の原子炉は現在、安定的な冷温停止状態(10度台から20度台)が維持されており、滞留水は放射性物質の低減処理をした上で、処理水はタンクに貯蔵し、淡水化したうえで再利用を行っています。滞留水増加の原因になっている地下水流入の対策として井戸を掘って地下水を汲み出し、水位を下げ流入を抑制する作業をすすめています。
また、1から4号機の廃炉に向けて第1期を使用済み燃料プール内の燃料取り出し、第2期を燃料デブリ(溶け落ちた核燃料)の取り出し、第3期を原子炉施設の解体としているロードマップを説明し、安定的な冷温停止状態の達成を内容とするステップ2の完了から30~40年後に原子炉解体の作業を終える計画でいることなどが説明されました。ここらの説明は、これまでの説明や報道されてきたものとほとんど変わりません。
説明後、質疑が行われました。説明にあった現在工事中の地下水流入対策は、流入量をゼロにするものでありません。このため多各種除去装置で処理される汚染水は減るでしょうが、無くなることはありません。増設されている貯蔵用のタンクもやがてはいっぱいになり、処理水が放流されることになってしまうことは道理です。
東電は、新聞報道された処理水放流の記事は規制委員会に提出した資料に記載された事項が報道されたもので、委員会の中で発言したものではないと釈明。記載した主旨も、無条件に放流するというものではなく、①地下水流入抑制②汚染水処理③陸上保管などの対応をしっかりするという課題にしっかり取り組むことが前提となっており、その結果を見てから判断するというもので、放流は考えていないとして、現時点での放流の考えについては否定しました。また放流を行う際も、関係省庁や市町村の了解なくしては行わないとし、漁業者にもしっかりとした説明を行うことに言明しました。
仮に放流されてしまえば65核種は検出限界値より少なくすることが可能とみているものの、トリチウムは取り除けません。放流水の中に含まれてしまいます。東電はその影響は小さいといいます。しかし風評被害の発生なども含めて漁業などへの影響が大きく、放流しなくて済む対策――事故原子炉への地下水流入をゼロにすることがカギを握ると思いますが、そうした対策をしっかり検討するよう求めました。
原発労働者の特別手当(危険手当)がピンはねされている実態が聞かれるため、事前に「発注者として東電はどのように対応するのか」を質問していました。東電は、事業の発注時に、通常の工事費より割増した金額で契約しており、危険手当の支払いは十分できるようにしていると説明した上で、手当額は会社によって異なり、賃金と一体で別手当となっていない例もあるとしました。さらに元請けとの関係で監査的な調査もしているという答えもありました。
東電の調査でも「もらっている」と答えた労働者は5割程度にすぎません。また、東電の下請けの関係は多層構造となっていることから、元受の関係の調査にとどまらず末端の労働者までを対象にしっかりと掌握することを求めました。
さらにいわき市民に対する一律賠償の問題も質問していました。東電は一般の場合は原発事故直後から4月22日のほぼ1か月間だけに一律賠償を行い、それ以降は個別の交渉による賠償とする考えです。なぜ4月22日の期限なのか。東電は、「原子力損害賠償紛争審査会の中間指針は、賠償期間を「当初」とするだけで期間を定めていません。事故に関する情報が一定周知されたり、屋内避難区域がおおむね解除されたことなどを考慮しながら、一律賠償期間月日までと独自に定めました」としました。
東電が独自に定めたものなら、東電独自の判断でも十分に一律賠償対象期間を幅広くとることは可能です。検査が行われていても、スーパーの特売日などに水を買う市民が殺到する状況があるなど、原発事故に対する不安などの心に対する影響は未だに続いています。経済的損害も含めて、現在も被害を続いていることを受け止めて、一律損害賠償期間を延長する検討をするよう求めました。
原発事故から2年が過ぎようとしています。しかし、原発事故の対応をめぐっては様々な問題が継続し、そしてその解決を求める世論も広がりを見せています。こうした中で、この特別委員会の質疑で、私は初めて耳にしましたが、東電が労働者の雇用条件などについて元請との間で監査的な調査をしているとしたことには、東電も世論の圧力で動かざるを得なくなっていることが表れているのでしょう。しかし、東電の行動は全面解決に向かう動きにはほど遠いと言わざるをえないと思います。まだまだ東電に対する諸問題解決を求める声と世論を大きくしていくことも必要でしょう。特別委員会はそのことをつくづく思わせるものとなりました。
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