雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

白い手

2013年09月13日 | ポエム

 白い手


朝の電車のまどろみに
見知らぬ女学生の
重い鞄を持った白い手が
その化粧も指輪も見られぬ
素朴でやわらかそうな手が
突然飛び込んで来て
僕は思わず心のなかで声をかける
きみは気がつかないだろうが
きみの手がどんなに貴重で美しいか
その美しさがどんなにはかないものかを
(1976.3.8)


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