スターバックスで小説を読む。
僕の家の近く三木SAにはスターバックスがある。今日は小春日和。梅は各地で満開らしい。僕は先日買ったジャケットとシャツと革靴に身を包んで、今後お世話になりたい教育施設の担当者に菓子折りを持ってご挨拶に伺った。
事務所は当初(僕も10年ほど前に勤めていた)に比べて少なくなった職員の中から担当者の方が出てきてくれた。少しふくよかで僕よりも若い(?)男性が不安そう現れた。
僕はメールでやりとりしていたので名前をお伝えすると笑顔になってくれて、菓子折りも受け取ってくれた。すると新しくなった施設の案内まで買って出てくれた。
中に入ってみたかったので、喜んでお受けすると近々行う研修会に来られる人達が僕がお世話になった人達だったことが判明して驚いた。
あの10年前のメンバーが1点で繋がる。怖いくらい集まってきた。そして今の担当の悩みや今後の展望に関しても話してくれた。
春の暖かい風が吹き抜けていった。
僕は「また来ます」とお約束して、案内してくれた人の良さそうな男性担当者とお別れ。なぜか春を感じたくなっていた。
ある程度、ジャケットと革靴でオシャレに決めているのでコーヒーを飲むにしてもマクドではない!スタバだ!と三木SAに足を運ぶ。
何やらオシャレなパニーニ的な食べ物とコーヒーを注文して、持ってきていた小説を開く。
ご自慢のBOSEのイヤホンから流れてくるテイラー・スイフトの爽やかな歌声が何処か外国にいるような感覚を味あわせてくれる。
小説の世界は、少年北斗が殺意を持ってターゲットに向かう。
ハラハラする。
するとスタバの店員が話しかけてくる。
「試飲」のコーヒーを小さな紙コップに入れてくれる。
イヤホンを外して、小説を閉じて味わう。
急に今の状況を書き留めたくなってブログを書き始める。小さな紙コップのコーヒーは美味しい香りと共に一気に飲み干された。
もう一杯コーヒーが飲みたくなる。
マグカップで飲んでいた大きなコーヒーもとっくに空になっていた。
SAには満杯に近い車が停まっている。
中国自動車道の上り。みんなどこに行くんだろう。楽しそうにコンビニで買い物して車に乗り込むカップル。作業着を着てトイレに駆け込むおじさん。
駅にドラマがあるように、SAにも様々な人間模様が渦巻いているんだろう。
スタバの店内を見回す。
着席率20%。
女性ばかり。子連れの母親2人組。
女性友人2人。ひとりの女性。
イヤホンをして音が聞こえないと関係性もわからない。男性が入ってくる。
のんびり小説を読む男性は僕だけだ。
飲み物を買って車に持ち込んで三木を通り過ぎていく。
空は白く霞んでぼんやりしている。
太陽は出ていない。
何も起こりはしない。
なんでもない日。
事件も犯罪も起こらない。
小説なら「今日」を描くことはない。
なんの予兆もない。
贅沢な時間である。
このなんにも起こらない日は、記憶にも残らない日である。でもひょっとしたら人生の大半をこういう「何もない日」として過ごしている自分は幸せなのかもしれない。
こういう日は、当たり前すぎて記憶にも残らないのだが、幸せな日々として積み重なっていく。
当たり前の時間を噛み締めている。
口の中に仄かに残る苦味のように。
僕の家の近く三木SAにはスターバックスがある。今日は小春日和。梅は各地で満開らしい。僕は先日買ったジャケットとシャツと革靴に身を包んで、今後お世話になりたい教育施設の担当者に菓子折りを持ってご挨拶に伺った。
事務所は当初(僕も10年ほど前に勤めていた)に比べて少なくなった職員の中から担当者の方が出てきてくれた。少しふくよかで僕よりも若い(?)男性が不安そう現れた。
僕はメールでやりとりしていたので名前をお伝えすると笑顔になってくれて、菓子折りも受け取ってくれた。すると新しくなった施設の案内まで買って出てくれた。
中に入ってみたかったので、喜んでお受けすると近々行う研修会に来られる人達が僕がお世話になった人達だったことが判明して驚いた。
あの10年前のメンバーが1点で繋がる。怖いくらい集まってきた。そして今の担当の悩みや今後の展望に関しても話してくれた。
春の暖かい風が吹き抜けていった。
僕は「また来ます」とお約束して、案内してくれた人の良さそうな男性担当者とお別れ。なぜか春を感じたくなっていた。
ある程度、ジャケットと革靴でオシャレに決めているのでコーヒーを飲むにしてもマクドではない!スタバだ!と三木SAに足を運ぶ。
何やらオシャレなパニーニ的な食べ物とコーヒーを注文して、持ってきていた小説を開く。
ご自慢のBOSEのイヤホンから流れてくるテイラー・スイフトの爽やかな歌声が何処か外国にいるような感覚を味あわせてくれる。
小説の世界は、少年北斗が殺意を持ってターゲットに向かう。
ハラハラする。
するとスタバの店員が話しかけてくる。
「試飲」のコーヒーを小さな紙コップに入れてくれる。
イヤホンを外して、小説を閉じて味わう。
急に今の状況を書き留めたくなってブログを書き始める。小さな紙コップのコーヒーは美味しい香りと共に一気に飲み干された。
もう一杯コーヒーが飲みたくなる。
マグカップで飲んでいた大きなコーヒーもとっくに空になっていた。
SAには満杯に近い車が停まっている。
中国自動車道の上り。みんなどこに行くんだろう。楽しそうにコンビニで買い物して車に乗り込むカップル。作業着を着てトイレに駆け込むおじさん。
駅にドラマがあるように、SAにも様々な人間模様が渦巻いているんだろう。
スタバの店内を見回す。
着席率20%。
女性ばかり。子連れの母親2人組。
女性友人2人。ひとりの女性。
イヤホンをして音が聞こえないと関係性もわからない。男性が入ってくる。
のんびり小説を読む男性は僕だけだ。
飲み物を買って車に持ち込んで三木を通り過ぎていく。
空は白く霞んでぼんやりしている。
太陽は出ていない。
何も起こりはしない。
なんでもない日。
事件も犯罪も起こらない。
小説なら「今日」を描くことはない。
なんの予兆もない。
贅沢な時間である。
このなんにも起こらない日は、記憶にも残らない日である。でもひょっとしたら人生の大半をこういう「何もない日」として過ごしている自分は幸せなのかもしれない。
こういう日は、当たり前すぎて記憶にも残らないのだが、幸せな日々として積み重なっていく。
当たり前の時間を噛み締めている。
口の中に仄かに残る苦味のように。