講演会で印象的だったこと
建築家三分一博志2010年竣工『六甲枝垂れ』
アート建築としての作品。
“建築とは、動く素材である。”
六甲山の水という素材を通じて、六甲山を見る。
雨としての水
霧が吹き上げてくる
雪が積もる
雨水を貯めて氷を作り出す。
霧は空気の流れを可視化して風の流れを伝える。
そして木々には樹氷が付く。
樹氷は唯一、気体から固体へ変化する。
六甲枝垂れに吹く厳しい北風
その風上側に積み上がるように風上へ樹氷は伸びていく。
風速5m/s以上、湿度ほぼ100%、気温−5°C以下という条件が揃うと樹氷が育つ。
六甲枝垂れという大きな樹木建築に自然の樹氷が付着して建築作品が完成する。
建築は地球のディテールになる。
風や水、気温が六甲山を表現する。
都市部を見下ろす厳しい自然環境
夜景を楽しむのはもちろん六甲山の自然の豊かさを見るための建築は今日も山の上に佇んでいる。
(写真は2017年1月の様子)