法事で松山に行っていました。
85歳で亡くなった義父、83歳で亡くなった義母。
2人とも暑い夏に召されました。
あまりの急逝に驚きを隠せませんでしたが、今考えると2人とも寝込むこともなく、穏やかな最期だったと思います。
人の命には限りがあります。
長かったり短かったり…。でもそれぞれに輝かしい人生のはず。
今年は中村勘三郎さんの七回忌だとか…。
勘三郎さんが亡くなったときはショックでした。私は大ファンでしたから…。
亡くなって数ヶ月後、私は彼の夢を見ました。
お寿司屋さんのカウンターでお寿司を食べながらビールを飲んでいました。彼の話術に引き込まれ楽しいひと時。最後に彼はこう言ったのです。
「今いるところは楽しいよ。はやくくればいいのに…」
天国よいとこ一度はおいで。
酒は美味いしねーちゃんはキレイ♫
こんな歌もありましたね。確か「帰ってきたヨッパライ」という歌。
ヨッパライが交通事故に遭い天国に召されましたが、あまりに不謹慎で神さまのひんしゅくを買い天国から追い出され、現世に戻ってくる…というコミカルな歌でした。
知っている人はかなりオトナ。(笑)
中村勘三郎さんの夢は、何を私に教えてくれたのでしょうか?考えてみたらかなりリアルな夢なのに夢から覚めたら妙に爽やか…だったことを覚えています。
遠藤周作さんの奥様がおっしゃっていました。
遠藤周作さんは晩年病に苦しみ、最後は主治医に「もういいですね。これ以上の延命はさらに苦しむだけです」と言われ、人工呼吸器をはじめすべての管を外したそうです。外した途端、なんとも穏やかな安堵に満ちた顔になり、まもなく昇天したそうです。
奥様には悲しみはひとつもなかったそうです。永遠の生命を感じることができたから…と。それは万巻の書からも受けることができない無言のメッセージだったとか。
田原豊道先生がいつもおっしゃいます。
「死を離れて生はない!」と。
それが哲学なんですね。サンスクリットで「ダルシャナ」。
哲学と言うとなんだか近寄り難いですが要は「ものの見方」
さらに田原先生曰く
「ものの見方が変わると、考え方が変わる。考え方が変わると生き方が変わる」と。
法事は亡き人の人生をとおして、いろいろ考えさせてもらえる良いチャンスかもしれません。(荻山貴美子)