確定申告の時期です。
夫の医療費を整理していたところ、またまたフラッシュバック。
某国立病院のひと月の入院の苦々しい思い出が蘇りました。
余命を告げる医師は、その前に人格を磨いて欲しいと思うのは私だけでしょうか?
どんな病期にいても人は一所懸命に生きているのです。それを簡単に投げ出し、副作用で苦しんでいるのを尻目に実に無感情でさらに抗がん剤の次の投与を続けようとする医師。もう心まで殺される…と思いました。
特別この先生が冷たいのではないのでしょう。これが普通の病院のあり方。
泣き言を言うつもりはありません。どんなに抗っても、ガンは治る人と治らない人がいるということです。
ただそれだけ…。
ヨーガの四季の編集でパソコンを使わなくてはならず、一度家に帰るという私に「ここではできないの?」と珍しくダダをこねた夫。寂しかったのですね。無機質な病院に夫はストレスを抱えていました。
やや強引に退院し、17日間の在宅介護は本当に良かったです。毎日太陽の光を浴びて欲しいからベッドから車椅子に移動させるのも上手になった私。
夫は散歩を嫌がりませんでした。
訪問医師と訪問看護師、リハビリ…
たくさんの温かい人々の心に触れました。
そして豊島病院。
帰りたい?
と何度か聞きましたが、彼は嫌がりませんでした。
私がずっと寝泊まりしていたせいもありますがお医者さんも看護師さんも温かかったし、患者の身になって寄り添ってくれる…。
本当に頭が下がりました。
病室に大好きな長島茂雄さんの写真集を持って行ってあげました。
嬉しそうに眺めていたところに山田先生の回診。
しばらく野球談義をしていましたね。
今度生まれ変わったら野球選手?
そうなったら私がまた妻になり栄養管理をしっかりしましょう。だからまだ生まれ変わらずにもうしばらく幸せの世界に浸って私を待っていてください。
そんなに長いあいだじゃないと思います。(笑)
夫が亡くなってから数ヶ月は私が後を追うのではないか…と心配してくださるかたもいました。
本当に早く迎えに来て欲しい…と思っていましたが、ある日矛盾している自分にも気づきました。
偏った食事で倒れるのではないか?とメイバランスを飲んだり、野菜不足だから青汁飲まなくては…と思っている自分。
やはり生存欲は備わっているんですね。そんな自分が可笑しくて悲しくて…。
自己憐憫です。
昨年の今頃は夫は元気でした。
私たちは出先でバッタリ出くわすことが多かったのですが、後ろからからかわれたり、「よっ!」と声をかけられたり、時々は口笛を吹いて私を呼びました。
犬じゃないんだから…と言ったこともありました。
どうして目の前から消えちゃったのかしら?と不思議に思うことがいまだにあります。
確定申告は昨年の彼が書いた控えを見ながら取り組んでいます。
懐かしい夫の字です。
本当に…
こうして私は感傷に浸りつつ早めに申告書を出そうとしています。