貝原益軒の『養生訓』は300年ほど前の日常生活の管理法を説いた実践書です。私はこの本の解説書の古書を持っています。
300年前に、今でいうベストセラーになった本だそうですから一読の価値あり。
この本のタイトルは
『養生訓入門』~楽しむことを人生とする~
人間50年と言われた時代に貝原益軒は84才の寿命を全うしたそうですから現代にも大いに役に立つ教えでしょう。
この時代は儒者と医者は一人の人物に兼ねられる場合が多かったそうです。貝原益軒もその一人。
私が一番気に入っているのは
「動け、そして休め」
一文をご紹介しますね。
「自分の身体に合ったことをして手足を動かしているのがいい。ときに動き、ときに静かにする。こうするなら身体の気は循環して滞ることはない。静かにしすぎると気が滞るし、動きすぎれば気が疲れる。動くのも静かにするのも、長すぎるのはよくないことだ」
動と静との基準をはっきりしていないところがミソです。
貝原益軒はどういう動がいいか?どういう静がいいか?時間や量などは?
そんなことは自分の体験で学び取るしかないといっています。
自分の身体の能力をよく知り、なぜそれをやるのかの本質をよく知ること。
さらに病気にならないというだけではなく、もっと積極的な利点の頂点にあるものは「楽」である、と言いました。
『養生訓』の前に『楽訓』という書物を出していた貝原益軒はその著書にこう書いているそうです。
「さあ、それでは、この天地に満ち満ちている四季の景色のきわまりない楽しみを思ってみよう。春はまずー」
この文章で貝原益軒の教えの一端を垣間見ることができますね。
さて、今、巷で注目されているのが緩急ウォーキング。
20秒早歩き
10秒ゆっくり歩き
これを10回(5分間)繰り返すだけで、1時間ウォーキングの効果が得られるそうです。これって現代の『養生訓』?
我が家から駅までは歩いて10分ですから片道やってみようかな?(荻山貴美子)