真夏だというのに、長袖長ズボン、長靴、帽子、首にはタオル
蜂避け様のフェイスカバー、ゴム手袋と軍手の二重履き。
この怪しさ満点の格好で日々強制退去を迫りました。
トカゲは結構素直に引っ越して行きました。
ヘビは姿さえ見せませんでした。
色々な幼虫たちが一番気の毒だったのですが
隣が草地の駐車場のため、スコップの先っちょに乗ってもらい、
そちらに移動願いました。
やはり、しぶといのは雑草。
とくにツタ類はこっちに掴みかかってくるような勢いで伸びていました。
毎夜、悪夢を見ました。
ヨウシュヤマゴボウを切ろうとしたら赤い液体がぶしゅーっと
吹き出たりするような夢ですから普通の精神状態じゃありません。
私は負けました。
疲労と、恐怖と、夏の日差し。
何よりも雑草に。
そしてとうとう除草剤を使用することにしたのです。
しかし、いくら生き物に害がないと言えども
「枯らす」薬剤などなかなか恐ろしくて使う気がしません。
こんなものを使ってもいいものかどうか…
雑草を排除して美しい花だけを愛するのか?
また、『沈黙の春』などを思い浮かべたりしました。
でも、でも、でも~~~
もう限界なんだよう~~ごめんして~~~
しかし、撒くためには踏み込んでいかねばならず、
これがまた想像以上に大変な作業でありました。
剪定ばさみと熊手を持ち、
ばさーっ!と手前の枝葉から切り落とすのですが、
あっと言う間に足もといっぱいになるのです。
それをわしわしと熊手でかき集める…この繰り返しでした。
ツタ類やツユクサがその作業を邪魔するので
大変な根気が必要でした。
集中が切れたのはヨウシュヤマゴボウを切り取った時でした。
赤黒い実もたわわに実っていて、切ろうとすると
それがぶるぶるるんと震えるのです。
しかもはさみが入らない!格闘!
思わぬ展開です。
わぁーと叫んだりしながら、最後は脳から変なものが分泌されたのか
オイオイ泣きながら切りました。
ヤマゴボウが下の方の茎だけ残して倒れてしまうと
私はあんなにためらっていたのに
うわわわわーっと大急ぎで除草剤を撒いてしまいました。
撒き終わると、なんとなく興奮冷めやらぬような状態がしばし続き、
その後、立ち上がれないほどの疲労感に変わりました。
その憔悴しきった状態で
翌日から三重に帰省しました。
草が枯れていくところを、見たくなかったのです。
続く
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