落語が好きだ。秋の夜長とくれば、中学生の頃から、テレビよりもラジオの寄席番組を楽しみにしていた。今でも、落語のCDやDVDは離せない。持ってないが、もし、iPodを買うとしたら、真っ先に取り込むのは落語しかない。
キャンパスを歩いていると、芝生の上に座布団を敷き、壁に向かって「延陽伯」を演じる落研の先輩がいた。桂文枝師匠そっくりのと声音とその間にたまげた。とても学生とは思えぬ渋い胴間声で、決して下品に流れずに庭全体に鳴り響いていた。ぼくが演者としての落語を諦めた瞬間である。こう言って自分を慰めた。
「落語家としてはぼくの声は綺麗過ぎる…」
もし、
「お前は面白い奴や」
と言ってくださるなら、ぼくの笑いのベースは落語にある。家族から、
「まったぁダジャレェっ! ハイ、ハイ」
と、鬱陶しがられるのも、笑いのツボのソースが落語にあるからだ。
さて、映画館で何としても観たいと目論んでいて、とうとう観れなかった一本がある。それが明日発売される。DVDで鑑賞することになるが、出演者の顔ぶれを見れば購読しておいても損はない。お得ではなかろうか。
臨終に接し、
「師匠、何か心残りはありませんか?
最期に、これはやっておきたかったということはありませんか?」
と問われたら、ぼくなら何と答えるだろう。やはり、おそ○しかない。
寝ずの番 特別番 価格:¥ 4,935(税込) 発売日:2006-10-18 |