ブルーグラスの師匠といえば、安乗 かねよ旅館の大将である。太平洋に向かってバンジョーをかき鳴らすその姿は神々しい。
その師匠とインターネット音楽配信サイト、Woodsongsを聞いた。フォークソングが中心の番組だが、時にブルーグラス・ミュージックも観ることができる。約2時間の番組が動画で見られるのだからたまらない。まして、師匠とこうして並んで一緒に聴く機会は久しぶりだから、嬉しさも倍増する。
アーカイブの「489」に注目だ。
国本武春氏って「英語でしゃべらナイト」で観た記憶が。確か浪曲師じゃなかったかしらん。しかも、曲師(三味線弾き)を付けず、自ら三味線を弾き語る。珍しいというより唯一のひとだ。
♪聴いて二人はのけぞったぁ~♪
思わず浪花節調になってしまった、それも虎造節。バンジョー、フラットマンドリン、フィドル(バイオリン)、ギター、ウッドベースに三味線がフィーチャー(feature)し、キワモノでないホンマモンのブルーグラスを聴かせる。隣りのブルーグラッサーを唸らせるほどの迫力で。
これぞブルーグラスという凄いのを喩えるとき、「ギンギンの」ブルーグラスと表現するが、まさにギンギンのそれ。コテコテじゃない。迫力ある音を聴かせるバンジョーには「バリバリ」という擬音がピッタリだが、この三味線は何なんだ。
かつて国内のバンジョー・プレ-ヤーがバンジョーを三味線に見立てて演奏したことがある。そればかりかバンジョーをお琴に擬して宮城道雄の「春の海」を弾いたりと、ブルーグラスって何でもありなのだが、三味線がハイロンサムの世界に入っていっても何ら違和感がないどころか、遜色ない。アパラチア山脈が発祥地と言っても本当に聞こえそうだ。
二人して圧倒された昼下がり。夏が終る。
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