連休初日の昼下がり、のどかだ。青く高い空を眺めていると、ヴェルレーヌだっけ、呟いている。
秋の日の ヴィオロンの ためいきの
身にしみて ひたぶるに うら悲し。
続きが出てこない…。
バイオリンならぬフラット・マンドリンを取り出して弾いてみる。久しぶりだ。弾くというよりチューニングで時間が過ぎて行く。チューニング・メーターの存在を知ってから調弦はかなり楽になった。それでも微妙な狂いを直すのに神経を使う。なのに、楽しい。これだけで充分な息抜きになるから不思議だ。あとは、メトロノームがぼくに合わせてくれるのを待つばかり。
ジョージ・クルーニー主演の「オー! ブラザー」を観て以来、打楽器のようにリズムを刻む楽器としてのフラット・マンドリンに魅せられている。バックビート。コードを抑えた左手をニギニギしながらミュートを利かす奏法がお気に入り。ぼくの師匠は、「ンッザッ、ンッザッ」といったエッジの利いたコードを、事も無げに、かつダイナミックに刻んでいく。凄い音量、かつ、ど迫力! 専門はバンジョーでしょうが…。
ぼくが弾くと、
「ッシュッポ、ッシュッポ」
と気の抜けたビールのような音がする。苦節10年というが、まだ8年だもんなぁ。
こんな感じに弾いてみたい、それがこの曲。欲を言えば、弾き語りたい。初秋の風に吹かれるかの心地して。
Discover The Chapmans!
フラマンはソロも素敵だが、トレモロでバックアップしても沁みるし、カット奏法も味わい深い。よかったら再生ボタンをクリックしてください。夜だったら音量に注意して_(._.)_。
The Chapmans 「GRANDPA'S WALKING CANE」
今日はポツンとひとり。穏やかで程のよいメランコリーさ加減を楽しんでいる。iTunesの「Bluegrass Radio」をビットレート128Kで聴いている。iTunesのインジケータでも曲名とアーティストは表示されるが、コチラだとタイムテーブルになっているので便利だ。「最新の情報に更新」ということで頻繁に「F5」キーを押す必要があるが、これが結構楽しみだ。演奏者と曲名を当てっこするのだ。ブルーグラス鎖国以来、長年の空白がいっぺんに埋まった気がして快い。秋は何といっても音楽だ。