楽しかるべき連休に、まるで極地の寒々しい風にさらされたかのように恐れ慄いている人たちがいる。方や、滅多に無いイベントに出くわしたかの如く、大はしゃぎで祭り気分に浮かれた連中がいる。昨日から、妙にやり切れない気持ちに襲われ、すっきりしないのはそのせいかも知れない。寄る年波からか、「ついていけない」自分がいる。
ことの起こりは、ファイル共有ソフト「Share(シェア)」に潜んでいた暴露ウィルスによって、一人の男性のパソコンから、会社の内部資料から社員名簿までの一切が流出したことによる。6日のことだ。事が大きくなったのは、流れたデータの中に、清純派アイドル級美貌を持つ恋人(ZAKZAKの表現)の恥ずかしい写真が混じっていたためだ。
男性が作成した秘密フォルダに、ソーシャルネットワークサービス「mixi(ミクシィ)」用のフォルダがあったことから、すぐにネット上の匿名掲示板に群がる“個人情報ハンター”にミクシィの個人ページが割り出されたばかりか、ネット上の大騒動=祭りになり、個人情報やあけすけな画像までが飛び交っている。そこへ、先のZAKZAKが報じた(その後削除)からたまらない。掲示板のみか一般にまで明るみになった。
折りしも、310万円台だったミクシィ株が213万円の大幅下落、連日で上場来最安値を更新ということもあり、掲示板では、MIXIまで巻き込んだ事件になっている。そして、今朝からその女性が行方不明という噂が流れ、自殺の虞(おそ)れまで囁かれたためか、一時の過激さは影を潜めたものの、それでもsage進行で持続している。
だ・か・ら・ネットは怖ろしい
と一言で片付けられたくない。ぼくの屈託はここにある。インターネットの意義を認めるからだ。マスメディアは恣意的な情報操作をしているという思い込みが、ぼくにはある。報道は真実を伝え切っていない、というのが率直な感想だ。報道する、しないの選択が実に恣意的で、意図的だ。新聞が報じられたことを鵜呑みにせず、ネットで深くさらに検証したいのだ。
デジカメで「性が」変わるといったぼくに、
「その前はビデオで、さらに遡れば8ミリで、とっくに性は変わってます!」
と答えてくれたのは誰だったか。変わるとは必ずしも進化を意味しない。この面で、ぼくは保守的で、性はふたりだけのもの…、という思いが強い。
「写真に撮るなよ、撮らせるなよ!」
さらに、言えば、そんなもの納めたパソコンに、
「ファイル交換ソフトなんかインストールするなよ!」
と言いたい。共有ソフトであるからには、ゲットの利点だけを挙げないで、ギヴするデメリットも考えろよ。
自己責任という言葉がある。伸びたゴムのような緩い自己規制ではその責任は果たせない。掲示板では、誰に責任があるのかが時として論争になる。みんなMIXIが嫌いみたいで、安全だからという歌いこみで実名登録させたMIXIに責任を被せる向きがあるが、これはネタだろう。
いちばん責任が重いのは、データを預かった男性である。女性から信頼を受け、撮らせてももらったのだろうし、パソコンに取り込ませてもらったのだろう。そこへ「Share」を入れるのかよぉ!
やり切れないのは、経営再建中とはいえ大手メーカーの、しかも技術系部門の社員であること、さらに言えば名門高卒の、偏差値の高い公立大学出身者でもある。頭いいのだから、愛する女性は守ってやれよ。甘いのはマスクだけにしろ、そこは認めよう、悔しいが。
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アン・マレーのスタンダード曲ばかりを集めたCroonin' を聴いている。こんな日だから、「Secret Love」が深く沁みる。遠い花火か。
起こった出来事はオソロシイ…の一言ですが「いちばん~男性である」はまったく同感デス。