
吉野山は山の下の方から上の方まで全山に桜があり長い間どこかが見頃となる。

今回は駐車場から花が出迎えてくれて、下千本、中千本、上千本どこも花盛りだった。
奥千本までは行けなかったが滞在の4時間が短いぐらいだった。

少しずつ上がって黒門を抜けて金峯山寺に向かう。

銅の鳥居(かねのとりい)は発心門といい、大峰山へ向かう修験者たちがくぐる門だ。
大峰への途中にある修行門、等覚門、妙覚門と合わせて四門ある最初の門だそうだ。

仁王門をくぐると金峯山寺だ。金峯山修験本宗の総本山で蔵王権現を本尊とする。
本堂は豊臣家の寄進で再興されたもので1592年の建立らしい。

蔵王大権現3躯(釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩)は秘仏だが、
仁王門の大修理を勧進して特別に開張していたので拝観してきた。
残念ながら写真は許可されていなかったが堂内を巡ることもできた。

吉野は南北朝時代に後醍醐天皇が京都を脱出して吉野朝を開いたところだ。
蔵王堂の傍に吉野朝宮址があり今は南朝妙法殿が建てられている。

蔵王道から少し上に吉水神社があり、そこからの中千本もなかなかの景色だ。

吉野山に桜が多いのは蔵王権現の神木だからだという。
修験道の開祖である役行者が修行中に現われた金剛蔵王菩薩に感得して蔵王権現像を彫った。
以来、行者たちは桜材で権現を彫刻し祀ったために神木として桜を大事にし、
信者が祈願するときには桜の苗を寄進するという風習ができたそうだ。

中千本の奥に如意輪寺が見える。後醍醐天皇の勅願寺で延喜年間の創建だという。
十分に桜を堪能したが、機会があれば次回は奥千本まで脚をのばしてみたいものだ。