残暑が厳しいですね・・・。何度か雨が降れば少しずつ涼しくなると思うのですが、今週は雨の日が多そうなので涼しくなることを期待しましょう。という事で、今回はJR大津京駅前でのプロジェクトを紹介します。(なお、このプロジェクトは、お施主さんの諸事情から中止となり、計画建物はアンビルドとなっていることを予めお断りしておきます)
駅前プロジェクトは、飲食店(軽飲食)のテナント用に木造2階建ての貸店舗を建設するプロジェクトでした。通常、貸店舗の場合、テナント側が店の内容に合わせて内装を決めますが、このプロジェクトでは、お施主さんの要望により店舗の内装は木の柱や梁などを現しにした木が感じられる内装とし、このような内装の趣旨に合ったテナントに店舗を貸したいとの事でした。このお施主さんの要望により、貸店舗の内装を木が感じられる空間になるようにしました。
コスト面から特殊な工法による木造フレーム(柱・梁・筋交い)を見せる事は避け、在来工法を工夫して木造フレームを現しとし木が感じられる内部空間にしました。上の画像は、カフェを想定して作成した貸店舗の外観パースです。こちらのタイプ-Aのデザインは、内部空間だけでなく、外部も木を感じてもらえるよう外壁を木板張りとしました。木板で覆われたマッシヴなデザインの建物とする事で、駅前の一角を癒しの空気が流れる場に出来るのではないかと考えました。
上の画像も同じくカフェを想定して作成した貸店舗の外観パースですが、こちらのタイプ-Bの店舗デザインは、お施主さんからガラス面を大きくしたタイプも提案してほしいと言う要望があり考えたデザインです。ガラス面を大きくするため、ビル用のカーテンウォールを木造建物に取り付ける細工をしているので、部分的に特殊な木造工法を採用しました。タイプ-Bは、ガラス面が大きいので、木が感じられる内部空間が外部からも感じ取れますが、その反面、テナントによっては、外部からの視線を緩やかに遮る工夫が必要となります。
タイプ-Aを提案した際に、外壁の木板張りについて、メンテナンスが大変なのでは・・という指摘があったので(実際のところ、木板の経年変化を理解してもらわないと採用できない)、タイプ-Bの外壁はガルバリウム鋼板としました。プロジェクトは中止となりましたが、お施主さんはタイプ-Bを気に入って下さっていました。でも、タイプ-Bの方がコスト高になるので、予算的に微妙かな・・というところはありました。コスト的なところを度外視すれば、私としてはタイプ-Bで外壁を木板張りにしたパターンが一番良いのではと思っていましたが、いかがでしょうか・・。
今回は、中止となったプロジェクトが埋もれたままになってしまうのは、寂しいと思い本ブログで紹介する事にしました。これからも、お施主さんの了承が得られる場合は、中止や見送りとなったプロジェクトを紹介していきたいと思っています。