お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
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 「一生懸命に登った碓氷峠を下って帰ってみたい〜そんな想いに駆られたことはありませんか?」。こんな誘いに乗って4月21日に開催されたランドヌ東京主催の「2018 BRM421東京400 いってこい信濃追分」に参加した。峠は碓氷峠だけであとは平たん。こりゃ楽ちんコースだと甘く見ていたら見事に打ちのめされた。いくつかの誤算もあった。400キロブルベは甘くないね。


中山道と北国街道が分岐する分去れ


コースと標高プロフィル


 スタートは21日午前6時に世田谷区の駒沢公園。コースは狛江から稲城、青梅と走って東京を抜け、飯能からはブルベお馴染みのルートで高麗、毛呂山、越生、小川、寄居、本庄、藤岡、富岡、横川を経由。碓氷峠を上って軽井沢を走り抜け、追分宿の先を右折して浅間サンラインで小諸まで行って折り返し、復路もほぼ同じコースを走る405・5キロ。制限時間は27時間で、翌22日午前9時までに帰ってこなくてはならない。

 悩んだのがウエアだった。天気予報は繰り返し「土、日は季節外れの暑さ」と言っている。昼間は30度近くまで上がる所もあるらしい。200キロなら夕方に帰還できるので深く考えることもないが、一晩中走る400キロではそうもいかない。夕方の標高1000メートルからのダウンヒルがあり、夜間は下界でも10度近くまで下がることが予想される。

 昼間は半袖、レーパンでいいとしても、スタート時点の朝はひんやりするだろうし、軽井沢も到着時間によっては寒いだろう。そして一番冷え込む夜をどうするか。最初は冬用の厚手のウインドブレーカー、冬用グローブ、ネックウオーマー、長袖インナーをサドルバッグに入れ、あとはアームウオーマー、レッグウオーマー、モンベルの超軽量ウインドブレーカーで調整しながらしのぐ作戦にした。しかし、サドルバッグの重量が3キロを超えてしまい、再考。結果的には冬用の厚手のウインドブレーカーを普通のウインドブレーカーに、冬用グローブも薄手の指付きグローブに替え、ネックウオーマーはやめた。これだと重量は3キロ弱になった。輪行袋はボトルケージに入れた。

 当日の朝は午前3時過ぎに起床。4時前に自宅を出発し、自走で25キロ先の駒沢公園を目指す。途中の国道246号で市が尾から自走のブルベライダーと合流した。この日はあちこちでブルベが行われるのだが、同じ軽井沢を目指す仲間だった。ほかに遭遇したジーパンのライダーは溝の口で右折したので、同じランドヌ東京主催で等々力発の浜名湖600キロを走るのだろう。

 このときは半袖ジャージ、レーパンにアームウオーマーをつけ、モンベルの超軽量ウインドブレーカーをはおるというスタイルだったが、スタート時点ではウインドブレーカーを脱いだ。


スタート地点の駒沢公園でブリーフィング


スタート地点の駒沢公園


 ブリーフィング、車検と進み、午前6時前にスタート。すぐの横断歩道を渡って公園内に入り、駒沢大付近から公園を脱出。このあたりはキューシートを見ても道がよく分からず先頭に押し出されたら困るので、信号でちぎれないように馬事公苑、砧公園の脇を集団にくっついて走って行く。世田谷通りに出たところでひと安心だ。

 多摩川沿い付近から集団が崩れ始め、矢野口付近ではひとり旅となった。しかし、このコースが青葉ブルベのスタート地点となっている大丸公園前を通ると知った時は驚いた。そういえば以前、青葉ブルベのブリーフィング中に知り合いが目の前を通り過ぎ、「あれは東京ブルベだ」と教えってもらったことがあった。そういう事だったのか。ということは連光寺坂を上らなければならないのね。行きはいいが、帰りがきついんだよねぇ…。

 ところがここで第1の誤算。アタックしたわけではないのに、連光寺の上りで足がつりそうになった。スタートから20キロで、自走を含めると45キロとなるが、トルクを入れると「やばっ」という状態。残りは380キロもあるのに大丈夫だろうか。その後は何ともなかったが、実は後半戦になって苦労する羽目になろうとはこの時は知るよしもなかった。

 連光寺を下り切ると大集団に連結。巡航速度が30キロ以上の速い集団でついていくのにひと苦労したが、何とか信号で追いつきながら最後尾を走った。ウインドブレーカー、アームウオーマーはモノレール下に入ったあたりで脱いだ。

 この後は何の問題もなく53・0キロ地点のPC1「セブンイレブン青梅畑中3丁目店」へ午前8時35分に到着。貯金は1時間4分とまずまず。トイレは混んでいたので諦め、ポカリスエットとクリームパンを補給し、リスタートした。

 向かい風の中を青梅坂下から小曽木街道へ。飯能駅前からは藤岡へ向かうお馴染みのルート。中山(西)から国道299号へ入り、台から高麗神社方面へ。北平沢からは県道30号。途中のローソンでトイレ休憩。青山陸橋(西)を右折し、総合グラウンド前、能増、今市地蔵前と左折し、北柏田を右折。花園橋で荒川を渡り、国道140号へ。花園郵便局前を右折し、小前田(おまえだ)駅前を通過して北上する。

 ここで第2の誤算。まだ100キロも走っていないのに左のケツが擦りむけそうな感じになってきた。300キロ近くまではもつはずなので早すぎる。右は問題ないので、左だけレーパンの当たり所が悪いのだろうか。これ以降はトイレ休憩のたびに皮膚保護クリームの「ボルダースポーツ」を塗り続けることになった。


ブルベでお馴染みの小前田駅


 天神橋で国道254号に出て、ガリガリ君の赤木乳業を過ぎると115・4キロ地点のPC2「セブンイレブン児玉町児玉店」が見えてくる。ここへは午前11時33分に到着。貯金は貯金2時間7分と順調に増えている。帰路も同じペースで走るとすると4時間以上の貯金となる。よしよし(^o^)

 登坂に備え、ビーフカレーで腹ごしらえしてリスタート。小林を左折して西上州やまびこ街道となった国道254号を快調に走る。

 

富岡製糸場付近


 富岡製糸場付近は午後1時50分ごろ通過。一ノ宮の手前を右折し、県道51号で妙義を目指す。北山を右折して上るのはこれまで走ったブルベと一緒だが、下りの途中の八城を曲がらず直進して国道18号に出るのが今回のコース。ちょっとややこしく、真っ暗闇の帰路で苦労することになった。

 国道18号に出たところで距離は160キロ前後。PC3は折り返しの202キロ地点なので、左折してすぐのところにあったセブンイレブンで補給とトイレ休憩。距離的にいいのでほとんどのブルベライダーがストップしていたようだ。ここまでのグロス時速は20キロ台と快調なペース。少し先に峠の釜飯の「おぎのや」があり、「これが釜飯を食って帰る300キロブルベだったらいいな〜」などと思っても仕方ないんだけどね。

 セブンイレブンから4キロほど走ると「おぎのや」。お昼をかなり過ぎているが駐車場は満車だった。実は帰りに食べようかなと事前に計画し、営業時間を調べて見るとなんと午後6時には閉店するらしい。距離的には245キロ付近となるので、グロス時速20キロ以上で走らないと間に合わない。無理ですな。せめて8時ぐらいまではやっていて欲しかった。

 おぎのやの先が碓氷バイパスと旧中山道の分岐点。Y字を左へ行き、碓氷峠を目指す。


左へ行くと碓氷峠


最初の直線の上り


 高架を過ぎると長い直線の上りとなる。碓氷峠の登坂は3度目で、これまではきつかった印象もあったのだが、今回上ってみるとはっきり言って緩い。「こんなもんだっけ?」と首をひねりながら時速15キロぐらいで軽く上っていく(それでも遅いね(^_^;)。上りきると「カーブ1」となり、いよいよ峠道の始まり。これが「カーブ184」となればピークに到着する。12キロの登坂で、今回の最大の難所だ(と、この時は思ったが、大きな間違いだった)。


カーブ1


 上り始めて1キロで碓氷湖。2・2キロでめがね橋に到着。何度来ても圧巻の風景だ。


めがね橋


 傾斜は相変わらず緩く、カーブも多いのでカーブ番号の数字はすぐに上がっていく。時速10キロ以上が出て自分としては気持ちよく上っていたのだが、桁違いの速さで上ってきた2人ほどにドキューンと抜かれた。競争じゃないんだからそんなに飛ばさなくてもと思うが、彼らはそれが普通なんだろうね。還暦間近で孫娘もいるじーさんはゆっくり上ろう。

 ピークまで残り4キロを過ぎたあたりから傾斜がきつくなってきた。同時に体調もちょっとおかしくなってきた。第3の誤算だ。実は前日にワインを飲み過ぎて二日酔い気味だったのだが、まあそれはいつものこと。しかし、心拍数が上がり吐き気もするようになってきた。1週間前に風張峠を上ったときは何ともなかったが、ちょっとまずい状況となってきた。結果的には吐き気はおさまらず、ゴールするまでまともに食べられない状態が続いた。腹が減っているのにがっつり食べられないのはつらかった。

 終盤のきついところは直線の上りが多く、カーブ番号が前半のようにすいすい上がらず心は折れ気味。しかし、残り1キロからはまた緩やかになりひと息ついた。心拍も落ち着き、最後のカーブ「184」を過ぎ、標高960メートルの碓氷峠に到着した。


カーブ184


碓氷峠


碓氷峠の先は軽井沢


 時間は午後3時半。折り返して再びここへ戻るまでの距離は約50キロ。日没は午後6時27分。3時間あるので明るいうちに戻ってこれそうだ。

 さて、このブルベでひとつしかない峠越えは終了。あとは追分宿を軽く観光し、下り基調の復路を駒沢まで走って帰るだけ。終わったも同然だと思ったのだが、甘かった。このブルベはここから始まると言っても過言ではなかったのだ。(後編へ続く)

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