お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
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※有吉佐和子(1931年(昭和6年)和歌山県生まれ。昭和31年に「地唄」で文壇デビュー。紀州を舞台にした「紀ノ川」「有田川」「日高川」三部作、世界初の全身麻酔手術を成功させた医者の嫁姑問題を描く「華岡清秋の妻」(女流文学賞)、老人介護問題に先鞭をつけ当時の流行語にもなった「恍惚の人」、公害問題を取り上げた「複合汚染」など意欲作を次々に発表し人気作家の地位を確保する。「悪女について」「真砂屋お峰」「和宮様御宮」「出雲の阿国」「香華」など多彩かつ骨太、エンターテインメント性の高い傑作の数々を生み出した。昭和59年8月逝去)



●すべてがいい話だなぁ

 無名の陶芸家が生み出した美しい青磁の壺。売られ盗まれ、十余年後に作者と再会するまで壺が映し出した数々の人生。定年退職後の虚無を味わう夫婦、戦前の上流社会を懐かしむ老婆、45年ぶりにスペインに帰郷する修道女、観察眼に自信を持つ美術評論家。人間の有為転変を鮮やかに描いた有吉文学の傑作。初出は昭和51年1月号〜52年2月号「文藝春秋」。2011年7月に新装版。

 新聞広告で「シングルマザーの惑い 定年を迎えた夫の奇行 すれ違う夫婦、相続争い 壺が映し出すリアルな人間模様に思わずゾクリとする不朽の名作」「原田ひ香が『こんな小説を書くのが私の夢です』と推薦」と宣伝していたので読んでみた。

 はっきりいって面白い。思い切り昭和な話で、昭和生まれとしては当然のごとく、ぐいぐい引き込まれていく。登場人物がほぼじーさんばーさんで、自分もその仲間入りしたばかりということもあり、自分事として共感が持てる。すべてがいい話だなぁ。昭和52年に書かれた作品だが、全く色あせていない。まさしく「不朽の名作」だ。

 

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