続・トコモカリス無法地帯

うんざりするほど長文です。

三身合体

2015-05-11 04:13:29 | 映画の感想
昔のゲームで、いや、今もあるけど女神転生てゲームで、悪魔3体を合体させる三身合体というのがありました。強力な「魔神」を作るには必須で、素材も優秀なのを使う必要があります。

ゲーム由来の言葉で、現在では「3つ合わせたら予想外な結果が出た」と言う意味で使われることが多いようです。
私にも当てはまる事例がありました。

好きなもの3つ。3つ揃って検索したらどうなったかという話。


・ルトガー・ハウアー
個性派俳優さんです。どんな善人役でも酷薄な殺人犯に見えるのは「ヒッチャー」で殺人鬼ジョン・ライダー役が嵌りすぎてたためで、世間的にはブレードランナーの戦闘レプリカント役が有名ですが、私には殺人ヒッチハイカーの人。

日常にすいっと入り込んで来て、隣の席から何気なく殺意を向けてくるすごい怖い人。怖い人役で世界一だと思ってる俳優さん。善人役もいっぱい演じてるけど、悪役より怖く見えるので使いにくい俳優だとも思います。顔の造りが鋭角的で、眉も唇も薄くて、笑顔でも爬虫類のような冷たさを感じる実に悪役顔。「ブラインドフューリー」でも「サルートオブザジャガー」でもいいよ、一目見れば筋肉量も凶器も特殊メイクも使わずに、怖さを出せる人が居るとわかります。「ホーボー・ウィズ・ショットガン」でもバンバンショットガン撃ってましたが、丈の長い上着にショットガンがこんなに似合う人、他に居ません。

大ファンですけど会いたいと思わないし、きっと目線を合わせるのも無理です。 私がジョンライダーにびびり過ぎてるだけで、むしろ人情味ある悪役とは言い切れない、複雑なキャラを演じることが多い俳優さんですが、本気で悪役演じたら半端じゃなかったので、こんな評価にしてます。

・サム・ペキンパー
バイオレンス映画の巨匠と言われる偉い人。スローモーションで血が飛び散る銃撃戦場面をよく撮ってて、どうしようもないならず者達が撃ち合いながら数を減らす「ワイルドバンチ」や「戦争のはらわた」とか、かっこよくない嫌な暴力の上手い映画監督。どうせみんな死んじゃうんだろ、やっちゃえやっちゃえと、感情移入せず意地悪な視点で見ると楽しい映画を撮った人です。
この欄は他に置き換えても成り立ちます。私の好みの話ですから。
・ラロ・シフリン
作曲家。「燃えよドラゴン」「ミッションインポッシブル」などの派手な音楽を書いた人。作品ごとにやる気のムラが多くて、出来不出来の差が大きいとも聞きますが、私は「マグナムフォース」のイントロ大好きです。開始25秒からの低音の重なりのわざとらしさが古臭くて素晴らしくかっこ良いです。今はこんな直球でスタートダッシュかけてくる曲ありません。

・ロバート・ラドラム
サスペンス系謀略小説の大御所。ジェイスン・ボーンの生みの親。並みのサスペンス作家の3倍の濃さがあるとか評判を聞きましたが、いつも前半で力尽きて後半で失速する作風も持ち味の一つなのでしょうか。「暗殺者」も「マタレーズ暗殺集団」も初っ端の詰み状態スタートから、じわじわと体勢を巻き返していく前半の緊迫感と盛り上がりは凄まじいのですが、状況が安定すると気が抜けるのか、ぞんざいな展開でがっかりします。

貶したような記述もありますが、基本的にはどなたも好きなジャンルで上位に来るので、ファンだと自称します。
そしてそれら好きなもの三つを、三身合体させて何が生まれるかと言うと。

「越中詩郎」

プロレスラー?ヒップアタック?
どうしてこんなことになったのかというと。
主演:ルトガー・ハウアー
監督:サム・ペキンパー
音楽:ラロ・シフリン
原作:ロバート・ラドラム
の条件で検索して出てくる映画があって、タイトルは「バイオレント・サタデー」
元は「オスターマンの週末」というラドラム作品の中では地味な小説。3組の友人夫婦6人がCIAの計略で殺しあうという、数年前から流行ってるデスゲーム系漫画の先鋒みたいな話です。一般人が主役なので日常品を使ってあれこれ工夫して殺しあいます。その映画のテーマ曲が越中詩郎の入場テーマに使われてます。

映画バイオレントサタデーを観るより先に、越中詩郎の入場テーマで知っていたので、検索した動画を見たら、予測外なところから馴染みの曲が流れて動揺したのです。

検索条件全部横文字なのに、日本人のおっさんが出てくる不条理感。

若い頃のルトガー・ハウアーの蛇か猛禽じみた鋭い捕食者顔を期待して検索したら、越中詩郎の丸顔に行き当たった私の受けた衝撃が伝わるでしょうか。


所属エリアが違うのでやりませんけど「ワグナス!ワグナス!」とコラージュが作れそうなショックを受けました。わかっていたろうにのう。


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