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マーケティング研究 他社事例 701 「分かれるESG対応1」 ~二者択一の定義課す欧州~

2020-12-16 08:05:36 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 701 「分かれるESG対応1」 ~二者択一の定義課す欧州~


アメリカの大統領選でバイデン氏が勝利した事で確実に大きな恩恵を受けるセクターがひとつあります。

それがESG関連です。

理由は民主党が化石燃料の使用に厳しい姿勢で臨む公算が大きいからだけではありません。

ESG投資や企業の情報開示をめぐる規則が変更される可能性があるからです。

政治家にとってこの問題は、極めて重要な意味を持ちます。

ESG投資や情報開示に関わる現在の規則が変われば、関連セクターへの資金流入が加速し資産価格が急騰するからです。

アメリカ資産運用大手、ブラックロックのラリーフィンクCEO(最高経営責任者)が言う所のモメンタムトレード(ESG投資への急速な盛り上がりを機会にして利益を得る投資が起こる可能性があります。

こうした取引が起こり得るのは、トランプ政権下にあるアメリカと欧州のESG投資に対する温度差が広がっているからです。

欧州では規制当局と政府関係者が先を争ってESGにやさしい基準、とりわけ環境を意味する「E」を重視する投資手法を取り入れようとしています。

例えば欧州中央銀行(ECB)はグリーンボンド(環境債)に関与することを通じて、資本市場におけるベンチマークを設定しており、またイギリス規制当局は、マーク・カーニー前イングランド銀行総裁の支援を得て、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)制度の受け入れに動いています。

先般、カーニー氏は数年以内にTCFD開示を義務付けるよう要請しました。

最も重要な点は、欧州委員会がグリーンアセットを定義するためのタクソノミー(ある経済活動が持続可能かどうかを分類する仕組み)について最終報告書をまとめる段階にあることです。

これに伴って「持続可能な投資と報告を促す世界最初の分類システム」が構築される、とEU(欧州連合)の国連大使、オロフ・スクーグ氏は宣言しています。

この問題について投資家の多くは判断を保留しています。

その理由はEUタクソノミーが産業界における投資に対して「グリーン」か「ブラウン」かという二者択一の定義を課そうとしている事にあります。

実際の産業界はむしろブラウンからグリーンに変化する過程にあります。

問題はまだあります。

(続く)



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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 
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