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マーケティング研究 他社事例 704 「コロナワクチンでドルの価値が下落!?2」 ~感染拡大を懸念する声も~

2020-12-21 08:05:09 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 704 「コロナワクチンでドルの価値が下落!?2」 ~感染拡大を懸念する声も~


シティーグループはアメリカ連邦政府準備理事会(FRB)が金融緩和政策を今後も続けると予想しています。

さらに世界経済の回復が加速しても、金利引き下げを検討するにあたり「慎重すぎるくらい慎重に期す」と見ています。

そうなれば、資金は他の投資先に向かいます。

アメリカでインフレ期待が高まるとドルの相対的な魅力が薄まり、投資家はより早く金融を引き締めるであろう成長国を狙う事になります。

ドル指数は、今年に入って既に下がっていて、アメリカの金融資産は他国に比べて有利な利回りを提供していましたが、この一部をFRBが利下げで無効にしたため、ドル指数は2020年の当初から4%以上下落しました。

ユーロは1月以来、対ドルで6%近く上昇し、オーストラリアドルも4%以上高い水準を続けています。

ただし、今年に入ってからの下落幅など、ここ数年の上昇幅に比べればわずかなものでした。

ちなみに、ドル指数は2014年に約13%、2015年には9%上昇しています。

ゴールドマンサックスのアナリストたちによると、過去10年間はアメリカ市場に買いを入れるのが「ほぼ外せない」状態だったと言います。

アメリカ企業が利益を大きく拡大したのに加えFRBが金利を上げたためでした。

他の多くの中央銀行が実質ゼロ金利を続けていたからです。

「これらを背景にドルの価値は高まり、今後の大暴落への道筋が整った」

ゴールドマンサックスは、ドルは今後12カ月間に実効為替レートで6%下げると予測しています。

さらにアメリカ経済の回復が加速してもドルは下がると懸念しています。

ドルは世界経済の健全度を示す「バロメータ」としての役割を果たしていて、世界経済が成長すればドルは下落し、失速すればドルは上昇する関係にあります。

「アメリカ経済が極めて良好でも、ドルは大きく下げる可能性があると我々は考えている。投資家はアメリカ以外の国に存在する大きなリターンを求め、新型コロナ危機の間とどまっていた安全地帯を出て行くからだ」

モルガンスタンレーは、新型コロナワクチンが普及すればドル指数が4%下落すると考えています。

代わって、ノルウェー、スウェーデン、ニュージーランド、オーストラリア通貨が上昇すると予測しています。

ユーロのほか、新興国の通貨(ブラジルのレアル、南アフリカのランド、ロシアのルーブルなど)もドルに対して値を上げる余地があるといい、2021年末までに1ユーロ=1ドル25セントに達するとみています。

ドイツ銀行は「現在の環境には。2021年末にかけてリスク資産が反発し、ドルが下がり、景気に敏感な通貨が伸びるのにうってつけの条件がそろっている」と言います。

しかし、新型コロナ感染の世界的な急増とロックダウン(都市封鎖)の再開がもたらす経済的な打撃を踏まえ一部のストラジテスト(資産運用についての戦略を立てる専門家)は慎重姿勢を貫きます。

「我々は、年末にかけてのドル相場について極めて強気な見通しを持っているだけだ」

「好材料は逐一強調されるが、都合の悪い現実はすべて脇に追いやられてきた」

イギリスパークレイズのアナリストたちも、懸念を表明します。

アメリカが進める財政政策の規模が小さすぎたり、時期が遅すぎたりすれば、リスク資産の魅力が失われ、安全地帯であるドルの需要が増す可能性があると見ています。

「市場は将来に目を向けるだけでなく、ある時点で現状を反映しなければならない」と指摘します。

ゴールドマンサックスの反論は、ワクチン治験の結果が良好であるため、経済の安定に対する投資家の欲求は大幅に低減すると主張します。

「ワクチンの開発状況は十分前向きな材料だ。投資家は今からドル安に向けたポジションをとるべきだ」

コロナウイルスを巡り、為替変動にも大きな影響を与えている事に、我々は興味を持たなければならないかもしれませんね。


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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 
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