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マーケティング研究 他社事例 708 「冷凍マグロの倉庫も活用か」 ~コロナワクチンの保管問題~

2020-12-25 08:35:26 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 708 「冷凍マグロの倉庫も活用か」 ~コロナワクチンの保管問題~


95%という高い有効性が認められたファイザーの新型コロナウイルスワクチンですが、基本的に摂氏マイナス70度での保管が必要になる点がアメリカで問題視されています。

94.5%の有効性が認められたモデルナ社(アメリカ)のワクチンの場合、保管温度はマイナス20度で、こちらのワクチンなら一般的な冷凍庫で事足りますが、マイナス70度となると病院ごとに「2万ドルのコストがかかる」(CNNニュース)とされ、配備するのは容易ではありません。

日本も他人事ではありません。

ファイザーから購入を約束している数はアメリカが1億回分(5000万人分)であるのに対し、日本は1億2000万回分(6000万人分)です。

同社のワクチン事業部門で先進国地域市場を担当する担当者によると、同社はワクチンの提供スピードを速めるために、開発が終了前から製造設備の準備を並行して進める「Manufacture at risk」と呼ばれる手法を採用して来たと言います。

今更日本が購入をやめるわけにはいかないという事情もあります。

ではどうやってマイナス70度に保ちながら日本の病院などに配布し、安全に人々に投与するのか?

ファイザーはワクチンと同時に超低温を維持できるスーツケース大の専用箱を開発したと言います。

しかしこの取り扱いがやっかいなんです。

「有効期限は向上で密閉してから10日間」「箱を開けていいのは1日2回。1回につき3分まで」「箱に収納できるワクチンは1000~5000回分」など細かな条件が付きます。

ファイザーによると、日本向けのワクチンを製造するのはアメリカかベルギーの工場だと言います。

投与の現場にワクチンが届くまで平均3日かかるとされ、箱での保存は最大10日間なので、箱を受け取った病院は残り7日で1000~5000人にワクチンを投与するか、別の場所で保管しなければならない計算となります。

箱を開けられるのは1日2回、各3分までなので、その時に通常の冷蔵庫に移したとしても最大5日しか持たないと言います。

さらに1人当たり2回の投与が必要で、2回目は1回目の21日後と決まっています。

管理が複雑過ぎて病院の負担は計り知れません。

常識的には、非常に難しい対応というのを理解できます。

どうすればいいのでしょうか?

冷凍マグロ用の冷凍倉庫が活用できないかという議論が進んでいるようです。

冷凍マグロの保管はマイナス50度~60度が一般的ですが、マイナス70度で保管できる冷凍庫を販売する会社や冷凍倉庫をすでに持つ水産会社もあります。

そういった既存の設備を応用できる可能性があるのではないかという事です。

なお、ワクチンの保管用冷凍庫を開発するツインバード工業によると、マイナス80度まで達成できる冷凍技術を有するものの、マイナス70度レベルの冷凍庫を既成品として販売しているわけではないと言います。

日本政府からマイナス70度で保管できる既存の冷凍庫がどこにあるかの調査依頼が冷蔵庫の業界関係者にあったといいます。

すし文化が新型コロナから日本を救うかもしれません。

食品業界と医療業界、日本政府の連携プレーに期待したいものです。



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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 
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