毎日なにかしらの本を読んでいると「面白かった」と感じる本は多々ありますが、数年に1度、深い深い感動が胸に沁みいるような一冊に出会うことがあります。
久しぶりに、そういう本に出会えました。
良い本との出会いは人生を豊かにするという誰かの金言を、またにそうだ!!と、偶然の出会いに感謝。
椰月 美智子著の「しずかな日々」
野間児童文学賞、坪田譲治文学賞という児童文学賞をダブル受賞した本です。
「しずかな日々」というタイトル通りに、特に事件は起こらず、地味でおとなしい小5の男の子の夏休みのひと夏のことを描いたお話しです。
児童文学賞を受賞しているので、もとは子ども向けに書かれたものなのでしょうが、大人が読んでも十分。むしろ大人が読むと、子ども時代のリリシズムに胸にじわり。
友達もいない、勉強も運動も苦手なサエない男の子が、おじいさんと暮らすことで変わっていく日々。
でも劇的に変わるわけじゃない。
淡々と静かに、強さを感じさせないけれど、その実、ひとりで強く生きぬいていく姿にポロポロ涙がこぼれます。
悲しいわけでも、誰かが死ぬわけでもないし、闘病をするわけでもない。ただ日々の情景を描いてるだけなのに、読むものを感動させることができる本を名作と言わずしてなんという。
椰月 美智子という作家さんは、今回初めてなのですが、違う作品も読んでみようと思います。
いい作家やいい本との出会いもまたなにかのご縁。