大阪モデルで休業大幅解除も…通天閣界隈に人がいない理由
5月16日、独自に定めた休業要請の解除基準である『大阪モデル』に基づき、休業要請が大幅に解除された大阪府。同地のシンボルでもある通天閣(新世界)では、「大阪モデル」の数値が7日間連続でクリアされたとして緑色にライトアップされているが、現在の街の様子はどうなっているのだろうか?
緑色にライトアップされた通天閣
新世界の近所に住んでいる男性に電話で取材を行った。
休業要請解除も、人がいない新世界
通天閣本通商店街
通天閣
「大幅解除された最初の週末に通天閣近辺を少し歩いたのですが、通天閣に続く通天閣本通商店街では飲食店と理髪店以外はほとんど閉まっており、歩いている人もほぼいなくて閑散とした雰囲気でした。
新世界
また、新世界といえば串カツ屋が有名なのですが、営業している店は半分ほど。いくら飲食店の営業時間が午後8時から10時に延長されたといっても、一斉に再開されたという様子はありませんでしたね」 休業要請が緩和されたからといって一斉に店が再開しないのには、このような理由があるからでは……と男性はいう。 「観光客が来ないからだと思います。ミナミとかは買い物もできるので関西の人間もよく行き、人は増えているそうですが、通天閣にはほとんど行かないですからね。たまに行くとしても天王寺動物園でイルミネーションがライトアップされているときに、ついでに新世界でも行こうかな……という感じ。県外からの観光客か外国人観光客しか来ないので、中国団体ツアーが禁止された1月下旬頃から一気に人が減りましたね。 いくら他県で緊急事態宣言が解除されたからといって、まだ解除されていない大阪に観光しに行こうとは思わないじゃないですか。天王寺動物園も再開は6月だと言っているし、営業再開しても客が来ないんだったら意味がないと思っている店も多そうですね」
パチンコ店は満員状態で不安も
一方で再開したものの、不安視している店もあるという。 「パチンコ店とスナックです。一応、パチンコ店は16日から休業要請は解除されていますけれど、ドアを締め切った状態で店内は外から見ても分かるほど満席でした。また、観光客はあまり行かないかもしれませんが新世界にはスナックが結構あるんです。 キャバクラやバーは引き続き休止要請が出ているのですが、ここ一帯のスナックは昼頃から営業している店も多いようです。ドアを締め切った状態でも、店内からカラオケの音がガンガン聞こえてきますからね。僕も以前はたまに飲みに行っていたのですが、今はさすがに怖いので入ることはできませんでしたね……」
現在、歩いているのは地元の人ばかりかも……と話す男性に、観光目線で見た現在の新世界の印象を聞いてみた。 「店がほとんど開いていないので、緊急事態宣言が完全に開けるまでは観光に来ても面白くないと感じるかもしれません。それに、観光客がいなくて人通りが少なくなったせいか、変わった人が少し増えた気がします。今までは人が多くて目立たなかっただけなのかもしれませんが、昼間でも酔っ払って急に話しかけてくる人とかもいるので女性1人で歩くのは少し気を付けたほうがいいかもしれません。
ジャンジャン横丁
個人的には『ジャンジャン横丁』の立ち飲み屋が少しずつですが再開されているのが嬉しいですね。ドアがないオープンタイプなので換気も良く、お客さん達もソーシャルディスタンスを保っているので割と安心して入れると思います。自粛続きでストレスも溜まっているので、息抜きで1杯飲みに来るのには良いかもしれませんね」 たとえ、すべてが再開されたとしても以前のような賑やかさが戻るのには時間がかかるかも……と男性は話す。コロナが収束して、新世界がふたたび元気な姿を見せるのはいつになるのだろうか。そのときは、是非また串カツを食べに行きたい。