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台風1号(ヴォンフォン)発生 5月に「1号」は4年ぶりの遅さ

2020年05月12日 23時34分33秒 | 天候のこと
台風1号(ヴォンフォン)発生 5月に「1号」は4年ぶりの遅さ

 5月12日(火)21時、フィリピンの東で発達中の熱帯低気圧が台風1号(ヴォンフォン)になりました。

▼台風1号 5月12日(火)21時
 存在地域   フィリピンの東
 大きさ階級  //
 強さ階級   //
 移動     北 ゆっくり
 中心気圧   1002 hPa
 最大風速   18 m/s
 最大瞬間風速 25 m/s

今後はフィリピン方面へ
 
 今後は北上し、フィリピンに接近・上陸する予想です。その後は進路を北東に変えて、勢力を弱めながら沖縄の南を進むとみています。

  台風が直撃しない場合でも、沖縄付近の梅雨前線に湿った空気を送り込み、前線の活動を活発化させる可能性もあります。今後の情報に注意してください。
     
平年の台風発生数        
 


やや遅めの時期の台風1号発生
 
 台風の発生は、昨年12月28日に熱帯低気圧に変わった台風29号以来で、約4か月半ぶりとなります。

 台風1号の発生時期としてはやや遅めで、7月に発生した2016年の台風1号以来、4年ぶりに遅い時期の発生と言えます。

  平年の5月の台風発生数は1.1個となっていて、台風の発生が増え始める時期です。ウェザーニュースでは、引き続き状況の監視を行い、新しい情報が入り次第お伝えします。

台風の名前
 
 台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

  台風1号の名前「ヴォンフォン(黄蜂/Vongfong)」はマカオが提案した名称で、「すずめ蜂」を意味します。



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不要不急”の検察庁法改正が、安倍官邸と黒川氏には“必要至急”のワケ

2020年05月12日 21時16分35秒 | 政治のこと
不要不急”の検察庁法改正が、安倍官邸と黒川氏には“必要至急”のワケ


“東京の女王様”から電話「検察庁法改正がヤバい」
 
 5月8日の午後、私が取材を終えて「さあ原稿に取り組むぞ」と意欲をかき立てていた矢先に、武井由起子弁護士から電話がかかってきた。世の人の幸せと平和を願い、政治や人権の問題で積極的に発言している方だが、かなりの無茶振りをかます方でもあり、私は“東京の女王様”とお呼びしている(ちなみに大阪にも別の女王様が君臨している)。

「相澤さん、検察庁法改正がヤバいのよ。(以下、何がヤバいか延々10分ほど演説した後)それで、記事書いてくんない?」

 私は「たまらんなあ」という雰囲気を思いっきり醸し出しながら答えた。

「おっしゃることはわかりますけど。私、いま文春の原稿抱えて結構大変なんですよ。赤木さんの件で。だからなかなか他のことに手が出せないんです」

「赤木さんの件」とは、森友事件で公文書改ざんをさせられて命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さんと、妻の赤木雅子さんのこと。雅子さんは3月18日、国と佐川宣寿元財務省理財局長を相手に裁判を起こすとともに俊夫さんが書き残した手記を公表した。その日以降、私は『週刊文春』で連載を続けている。

 だが、そんな理屈は女王様には通用しない。

「だって、これだって赤木さんに関係あるじゃない。検察ですよ? 俊夫さんは検察の捜査におびえていたんでしょ? それだって追い詰められる一因になってるんでしょ?」

「それはその通りです。確かに俊夫さんに対する検察の接触の仕方はまずかった。主治医が止めていたのに、いきなり俊夫さんに電話してきて20分も長電話した。そのあげく財務省の人たちを全員不起訴にしたんですから、いったい何のために病気休職中の俊夫さんに無理して話を聞こうとしたんだか……」

「でしょ? だからこんな“不要不急”の法案をね……」

 この女王様の“不要不急”という言葉に私はピンとくるものがあった。以前、検察幹部に聞いていた話を思い出したのだ。私は思わず答えていた。

 「わかりました。検察庁法改正で記事を書きますよ」

あっちがそうくるなら、こっちも考えがある」 
 話は今年1月にさかのぼる。黒川弘務・東京高検検事長の定年延長が閣議決定で決まった。よく知られているとおり、黒川氏は2月7日に定年を迎えるところだったが、これを半年延ばして8月にした。今の稲田伸夫・検事総長が慣例通り就任2年で勇退すれば7月にポストが空き、その後釜に据えられる。

 この定年延長は“官邸の守護神”の異名を取る黒川氏を検察トップの検事総長にするための奇策と見られ、それまでの法律解釈をいきなり変更する“超法規的措置”だったことから世の批判を招いた。検察幹部にとっても“寝耳に水”の話で、黒川氏の定年を前に予定されていた送別会が急きょキャンセルになった。これは検察史上初めてのことだという。

 ここからが検察幹部に聞いた“知られていない”話だ。黒川氏の定年延長を聞いて、稲田検事総長がこんな一言を漏らしていたのだ。

「あっちがそうくるなら、こっちも考えがある」

「あっち」はもちろん安倍官邸。「こっち」は稲田総長をトップとする検察組織。「安倍官邸vs.検察」の闘いが火ぶたを切った。なんか似たようなタイトルの本があった気もするが……。

 では「こっち」の考えとは何か?

 それはもちろん、広島地検が着手した河井克行前法務大臣(衆院広島3区)の妻、河井案里参議院議員の選挙違反事件だ。夫妻の秘書が逮捕・起訴されているが、実はこの事件、広島地検だけで捜査しているわけではない。

 逮捕した秘書の取り調べにあたったのは、大阪地検特捜部から応援に派遣された実力派特捜検事だ。そしてその内容は逐次すべて東京にも報告されていた。完全に東京マターなのだ。検察幹部は語る。

 「だって最初から狙いは議員本人だからね。あ、議員と言っても案里じゃないよ。夫の克行の方。前法務大臣ね」
 “動かぬ証拠”は河井前法務大臣の指示メール
 
 私は検察幹部に尋ねた。

――どうして、そこまで断言できるんですか?

「それはさあ、“動かぬ証拠”があるからよ」

 実は、河井克行・前法務大臣が今回の買収について、秘書たちに詳細に指示したメールがあるのだという。

「あんなものがあったら、もう言い逃れできないでしょ。メールはすべて克行から出ている。案里は何もわかってないんじゃないかな? 『籠池夫妻の妻と同じ』と言えばわかるでしょ」

 「それがわかっているなら、籠池泰典さんの妻・諄子さんを起訴しちゃダメじゃないですか!」と言いたいところではあるが、今はその取材ではないのでぐっとこらえて……。

森本宏・東京地検特捜部長は「議員の逮捕」のために待機!?
 
 私はさらに質問を続けた。

――連休中に夫妻を事情聴取していますね。

「ああ、東京地検特捜部の検事がね。国会議員を逮捕するとなったら広島に任せておけないでしょ。国会会期中で逮捕許諾請求も必要だしね。東京地検特捜部の出番だよ。森本(森本宏・東京地検特捜部長)が動いていない(異動していない)でしょ?

  もう2年以上たつから、本来ならとっくにどこかの検事正に動いてなきゃいけない。同期どころか1期下まで検事正になっているからね。それが特捜部長に残っているのは『議員の事件をやるならこいつしかいない』と見込まれているからだよ。コロナが一段落したら許諾請求。ここで森法務大臣が指揮権発動したら、それこそ内閣が倒れるだろう」
 安倍官邸は黒川氏の定年延長で、検察の“虎の尾を踏んだ”
 
――そこまでやるんですね。

「安倍官邸は黒川さんの定年延長で“虎の尾を踏んだ”んだよ。稲田総長は当初は就任2年で7月に辞めて、その後に林さん(林真琴 名古屋高検検事長)が就任という流れを考えていた。林さんは7月末で定年を迎えるけど、検事総長になれば定年が2年延びるからね。

 でも、その構想を覆されて稲田さんもブチ切れたんだよ。総長が2年で辞めるというのは慣例であって、稲田さんは65歳の定年まであと1年ある。本人が『辞める』と言わなければ定年まで辞めさせる手立てはない。

  黒川さんは半年延長しても8月には定年だから、稲田さんが辞めなかったら結局総長にはなれないからね。さすがに2度の定年延長はできないでしょ? 稲田さんはそれを考えているよ」
検察庁法改正は、安倍官邸と黒川氏にとっては「必要至急」
 
 そこに出てきたのが検察庁法の改正案だ。

●検察官の定年を63歳から65歳に引き上げる。
●検事長、検事正などの幹部は63歳で役職を降り、平の検事に戻るが、内閣が必要と認めた場合、役職を続けることができる。

 定年の65歳への引き上げは、ほかの国家公務員についても提案されている。実は、去年秋に政府部内で検察庁法改正が検討された時は、この65歳への引き上げだけが入っていた。それだけならさして反対もなかっただろう。だが問題は「役職の延長」だ。これは内閣の判断で決まる。ということは、内閣に都合のよい人物を検察幹部として残すことができるということだ。

 例えば黒川氏は8月に定年を迎えるが、違法な延長だと厳しく批判されている。だがこの法案が通れば、あの定年延長も「超法規的措置」ではなく合法的だったと後付けで正当化できる。そうすれば再度の定年延長も不可能ではなくなり、稲田検事総長が定年を迎えた暁には、めでたく検事総長に就任できるようになる。

  コロナ対策で「不要不急の外出は控えましょう」と政府をあげて呼びかけているさなかに、「不要不急」としか思えない検察庁法の改正を急ぐのは、まさにこれが安倍官邸と黒川氏にとっては「必要至急」な法案だからだ。

官邸の守護神”黒川氏が森友事件をつぶした!? 
 ところで、その黒川氏が東京高検検事長になる前、法務省の事務次官をしていた時の重要事件が森友事件である。国有地の不当な値引きによる背任罪。関連する公文書を破棄・改ざんした公用文書毀棄(きき)、公文書変造罪。告発を受けて大阪地検特捜部が捜査していた。

 当時、私はNHK大阪報道部で検察取材を担当していた。この事件について、ギリギリまで大阪地検にはやる気があると感じていた。ところが一転して、結果は全員不起訴。その時、東京から大阪に大きな圧力があったという。その圧力をかけたのが黒川事務次官だとささやかれていた。黒川氏が“官邸の守護神”と言われるゆえんだ。

  この事件で命を絶った赤木俊夫さんの妻、赤木雅子さんが望んでいる「真相解明のための再調査」。もしも検察が財務省の関係者を起訴していれば、法廷ですべてが明らかになったはずだ。黒川氏は赤木さんの願いをも握り潰したことになるのである。
 現職検事は定年引上げに「そんなんいらんわ」
 
 この記事を書くにあたって私は、とある現職検事に話を聞いた。定年の引き上げ自体は、検事にとって歓迎すべきことではないかと考えたからだ。その検事はベテランの域にあるが、定年引き上げには冷ややかな見方を示した。

検事:まず年金の問題があるやん。今は65歳からもらえるけど、定年が65歳になった時にどうなるか? 先に延びるんやないの?

 次に再就職の問題がある。私たちは公証人が有力な再就職先やろ? 公証人は普通8年くらいできる。それで60歳前後になると、いい席が空いたら「そろそろどう?」って声がかかるんよね。そしたらそもそも定年なんて関係ないやん。

 ただ、公証人の声がかかるのは、それなりに実績を認められている人。辞めて弁護士になるのも、実力がある人。定年まで役職にもつかず検事を続けている人は、やはりそれなりの人ということや。

 そんな人たちをあと2年も抱え込むことになると、役所の人事を決める人たちも頭が痛いやろうね。そして、そんな人があと2年余計に役所で給料をもらえるというのが、そもそも国民の税金の使い道としてふさわしいかという話やね。

相澤:じゃあ、今回の検察庁法改正で定年が延びることは歓迎しないと?

 検事:歓迎どころか、余計なお世話。ほとんどの検事が「そんなんいらんわ」と言うやろな。喜ぶのは使えない検事だけ。こんなことで自分たちの歓心を引くことができると思われているなら、むしろ腹が立つ。結局、黒川さんだけのための法案やないの?

政権のため事件を握り潰した人物を、捜査機関のトップに据える“検察支配”法案
 
 有名なリンカーンの演説「人民の、人民による、人民のための政治」をもじって言うなら、検察庁法改正案はまさに「アベちゃんの、アベちゃんによる、検察支配のための法案」である。

 政権のため事件を握り潰した人物を捜査機関のトップに据えることを正当化するための法案が、コロナ問題の真っただ中に、最優先で審議されようとしている。

 そのことをヤバイと感じた、これまであまり政治的発言をしてこなかった人たちが、声を上げ始めている。

●きゃりーぱみゅぱみゅさん(tweet削除済み)

●浅野忠信さん。

●城田優さん。

●井浦新さん。

●西郷輝彦さん。

●俵万智さん。

●そしてキョンキョンこと小泉今日子さんは、立て続けに連投している。

 こうした著名人のツイートに対し「芸能人が政治的発言をするな」的投稿で圧力をかける人たちが大勢いる。だが「#検察庁法改正案に抗議します」のハッシュタグがついたツイートは、10日午後の時点で380万件を超えた。

 コロナのさなかに、この法案を最優先で通す。反対の声を押しつぶそうとする。我が国は、そんなことでよいのだろうか? 愛国者の方にこそ考えてほしい。

<文/相澤冬樹>

【相澤冬樹】
 大阪日日新聞論説委員・記者。1987年にNHKに入局、大阪放送局の記者として森友報道に関するスクープを連発。2018年にNHKを退職。著書に『安部官邸VS.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)

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緊急宣言延長で消費冷え込み 失業者77万人も 民間予測

2020年05月12日 20時15分04秒 | 雇用と職のこと
緊急宣言延長で消費冷え込み 失業者77万人も 民間予測


政府は、新型コロナウイルス感染拡大をめぐる緊急事態宣言を延長する方針だ。消費や人の移動が抑制され、国内経済に一層の打撃を及ぼすことが避けられない。民間エコノミストからは、宣言が1カ月延長された場合、個人消費が大きく冷え込み、新たな失業者が77万人に増えるといった厳しい予測が出ている。

 第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは、6日までの宣言の影響による失業者が36.8万人に上るとみていた。1カ月の延長で約2倍の77.8万人になると分析している。

 野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、宣言の1カ月延長で個人消費の減少額が13.9兆円増えて27.8兆円になると予測する。

 BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは、従来の宣言で2020年度の実質GDP(国内総生産)が1.6%押し下げられるとみていた。宣言延長でさらに1.5%低下し、マイナス6.3%に落ち込むと予測。4~6月期に大きく落ち込んだ後に急上昇するものの、年度内は1~3月期の水準に戻らないとみている。

  河野氏は、治療薬やワクチンが普及するまで外出を控える動きが続くとして「宣言解除後も1年くらいは元通りの経済活動に戻れない」との見通しを示した


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安倍首相の「越権行為」で教育現場が大混乱…一斉休校の“裏事情”

2020年05月12日 19時30分46秒 | 教育のこと
安倍首相の「越権行為」で教育現場が大混乱…一斉休校の“裏事情”

>休業補償と違い、休校には大きな予算が必要ではないからです。だからこそ、各都道府県によって感染の状況は違うのに、『全国一律で休校』などという要請になるのです

大規模なPCR検査を実施してこなかったこと、緊急事態宣言発令のタイミングが遅れたこと、そして、休業補償が定まらないこと。政治判断が後手に回り、諸外国より対応が遅れているのは明白でしょう。国民から批判の声が上がるのは当然です。私が長年携わってきた教育現場の混乱についても、責任の所在ははっきりしています」

独占入手!安倍昭恵さん「大分旅行の全貌写真」50人の参加者と…

元文科省事務次官・前川喜平氏(65)は、きっぱりとそう語った。

2月27日、安倍晋三首相は全国の学校に3月2日から春休みまでの休校を要請。4月7日には「緊急事態宣言」を出し、これに伴って多くの自治体が5月6日までの休校延長を発表した。だが、蓋を開けてみれば、行政からの具体的な指示は遅れ、現場は大混乱。教師は困惑し、保護者からは批判が殺到している。

官僚か、政治家か。はたして、「コロナパニック」の原因は誰にあるのか。前川氏に聞いた。

「責任は、安倍首相をはじめとした政治家にあります。というのも、官僚は『こういった要素がある』といった提案はできますが、決定権はない。判断するのは常に政治家なのです。

当然、文科省に休校を要請する権限はありません。ちなみに、これは皆さん誤解しているところかもしれませんが、首相にも各自治体の首長にもその権限はないのです。休校等を決定する権限は、各都道府県の教育委員会が持っている。緊急事態とはいえ、首相が休校の発表をしているのは越権行為。教育委員会と相談した上で決定するというのが本来のプロセスです。教育委員会、自治体と様々なケースを想定して事前に協議しておけば、これほどの混乱は起きていないでしょう。

文科省は政治家に振り回されて、疲弊しきっている。すでに内部で若い有望な職員の退職希望が出始めているという情報も、私の耳には入っています」

緊急事態宣言や休業補償は遅れに遅れているのに、一斉休校はいち早く踏み切った安倍首相。前川氏はその〝裏事情〟も明かしてくれた。

休業補償と違い、休校には大きな予算が必要ではないからです。だからこそ、各都道府県によって感染の状況は違うのに、『全国一律で休校』などという要請になるのです」

つまり、カネがかからない「休校要請」は、政治家にとって選びやすく、批判をかわすためのアピールにはもってこいというわけだ。

「子供の1日の価値は大きい。学校に行けないことは、将来の財産を奪っている。休校要請の重さを政治家には理解してもらいたい。

マスク2枚に500億円もの予算を使うなら、医療や教育に回すなど、いくらでも使い道はあるはず。安倍は似合わないマスクをつけて、アピールしている場合ではない」

ウイルスは〝忖度〟してくれない。安倍首相ら政治家たちは、いま真の実力が問われている。

 『FRIDAY』2020年5月1日号より     
FRIDAYデジタル


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本誌入手のアベノマスク「仕様書」でわかった“欠陥”と国内生産の謎 「命取りになる」と自民党幹部

2020年05月12日 18時30分24秒 | 社会のことなど
本誌入手のアベノマスク「仕様書」でわかった“欠陥”と国内生産の謎 「命取りになる」と自民党幹部

政府が新型コロナウイルス対策として、日本の全世帯約5000万世帯を対象に1住所あたり2枚の布製マスクを配布している「アベノマスク」が、物議を醸している。

【本誌が入手したアベノマスクの「仕様書」はこちら】 
 安倍首相が国会での答弁で、「布製マスクは使い捨てではなく、再利用可能であることから、急激に拡大しているマスク需要に対応するうえで非常に有効であり、また、サージカルマスク等を医療現場に優先して供給するためにも家庭向け布マスクの配布を行うことは理に適った方策と考えています」と自賛する肝いりの政策だったが、早くもつまずいた。

 4月17日から全戸配布が始まったが、これに先行して配布が始まっていた妊婦向けの布マスクについて、虫や髪の毛の混入、カビの付着や縫製のミスがあるなどの「不良品」が次々と発見されたのだ。全戸配布用からも検品中に同様の問題事例が約200件見つかったという。

 政府が公表した情報などによれば、アベノマスクの発注先は興和(契約額54.8億円)、伊藤忠商事(同28.5億円)、マツオカコーポレーション(同7.6億円)、ユースビオ(同4.7億円)、横井定(契約金額不明)の5社。ユースビオはベトナムで生産した布製マスクを1枚135円で350万枚、政府に納入したことがわかっている。だが、それ以外の4社は、生産地は海外であるとされているものの、1枚あたりの単価や生産枚数は公表していない。

 政府はアベノマスの配布に掛かる費用を466億円と算定していた。だが、4社の契約金額の合計は95億円ほどだ。配送を請け負う日本郵政の受注額は26億円で、合計121億円。ここまで大きな差額が生じていることも不可解だが、本誌が入手した資料からも、さらなる“謎”が浮上した。

 4月8日、発注先5社のうちの一つであるA社の従業員N氏から、繊維業がさかんな東海地方のアパレル関連会社に送信されたメールがある。

<御社及び外注縫製工場を含め、ガーゼマスクの縫製にご協力いただけませんでしょうか?>
<加工賃ですが、政府向けの仕事なので、正直申し上げますが¥80円/枚以下です>

  などと記され、アベノマスク製造、加工について、細かな仕様書が添付されていた。

アベノマスクの全戸への配布開始が4月17日。このメールは、それよりもわずか9日前に送信されたことになる。メールを受け取った東海地方のアパレル会社の社長はこう話す。

「確かに、私のところにも取引先を経由して、ご指摘のものと同じメールが届きました。加工賃が1枚80円なのは、安いなと思いました」

 同様に、取引先を通じてA社からのオファーを受けたという別のアパレル会社の社員はこう話す。

「A社は『50万枚をお願いしたい』と言っていた。納期はメールにもあるように5月20日という。単価が安すぎて受ける業者がなかなかないようだ。最近になって、A社が単価を100円くらいに上げてきたので、ちょこちょこ受注する業者が出てきたと聞いた」

 東海地方の街はずれにある、プレハブの小さな作業場。そこで働く自営業者の男性は、知人の会社を通してA社からアベノマスクの仕事を請け負ったという。本誌の取材に不安な胸中をこう打ち明けた。

「まだ製造はしていません。布、ゴム紐などが提供されれば、ゴールデンウィークは返上してやるつもり。単価が80円?金額はハッキリとは言えない。A社の間に別会社が入っているので、もっと安いかも…なぜ安い単価で引き受けたか?緊急事態宣言で仕事がなく倒産の危機でもある。ハッキリ言って安すぎですが仕方ない。赤字が出なければいいのですが」

 不思議なのは、A社がアベノマスク配布の直前の4月8日になってから国内業者に製造、加工を依頼していることだ。

「A社の担当者から『不良品が多く出そうだ』『海外生産で問題ある製品が出てしまった』という話を聞いた。配布前から不良品がかなり出ることをわかっていたので、国内で追加生産を決めたようです」(前出のアパレル会社従業員)

 不良品が発見されたことを受け、興和と伊藤忠商事の2社は、全世帯配布分のうち未配布のマスクをすべて回収すると発表。今後は検品作業を強化するという。今回の「国内生産ルート」の動きは、不良品が続出することへの対応策なのだろうか。

A社は本誌の取材に対し、「政府に納入したマスクは海外生産したもの。今後は国内生産も予定している」と回答した。中国などでつくれば、布マスクは1枚10円もしないでしょう。国内で製造、加工すると、その10倍以上はかかります。おまけに、国内生産分は製造、加工してから医療用品専門の検品会社でチェックするとも聞いた。検品料も上乗せされる。最終的に1枚120円から150円くらいになるのでは?」(同)

 海外での生産で出た不良品の分を国内生産でカバーした場合、国民が追加で負担を強いられるようなことにならないのだろうか。

 前出の、マスク生産の仕事を請けた東海地方の自営業者の男性は、A社から送られた仕様書に驚かされたという。

 アベノマスクは、縦27cm、横63・3cmの1枚のガーゼを折りたたんで15重にし、左右の端の1列ずつを縦に縫って、ゴムをかけて完成させる仕様になっている。

 本誌も、送られてきたアベノマスクの現物を入手。手に取って計測すると仕様書とほぼ同じ、縦9.5cm、横13.8~13.9cm。縦の縫製部分が、斜めにずれていた。男性は本誌の取材にこう語る。

「元は1枚のガーゼですよね。1か所でも汚れがあれば全体に広がります。布製ですから、繰り返し洗って使えると安倍首相は言っていました。しかし、左右1カ所ずつの縫製だけですから、耐久性は乏しい。縮んだり、型くずれして使えなくなりますよ、この仕様では。それにWHOも、布製マスクは推奨しないと言っていますよね。ものづくりを長くやってきた職人としては、国が税金使ってコロナ感染防止で配るなら、もっとキチンとしたものにしてほしい。日本は安倍首相だって認めるように、ものづくり大国ですよ。私はこれで、感染防止ができるとは思えないので使いません」

 聖路加国際大大学院の大西一成准教授(公衆衛生学)は、届いたアベノマスクの「漏れ率」を計測した。漏れ率とは、マスクの外側と内側の粒子の数を計測して、どれくらい内側に入り込んでいるかを調べるものだ。

 5回計測したところ、5回とも100%の漏れ率だった。つまり、外に浮遊している粒子が全て内側に入ってしまっているということだ。

 「ウイルスの取り込みを防ぐという観点から言うと、ほとんど効果がない。布ではフィルターの役割を果たしていないことに加えて、サイズが小さいので隙間ができやすい。一生懸命マスクの周りを押さえて測ってみても、漏れ率は97%でした。人からの感染を防ぐ効果は期待できませんね」(大西准教授

巨額の税金を投入しながらも、早くも「ほころび」だらけのアベノマスク。ある野党幹部議員はこう話す。

「アベノマスクは感染拡大防止のためのものなのだから、短期間で全世帯に配布されなければ意味がない。短い納期に間に合わせるために、契約した会社は海外で生産したと聞いている。今になって国内生産するなど考えられない。それに、公表された契約金額は海外の生産を前提にしたものでしょう。国内生産に変えるので、追加費用分をよこせと言われたら、政府はどうするのか?」

 ある自民党幹部も、突き放した見方を示す。

 「安倍首相が是非ともと言うので始めたアベノマスクですが、党内でも『466億円も投入するならもっと別の対策に使うべきではないか』という意見はかなりあった。そこに来て、不良品の問題や情報公開の不透明さで疑念ばかり生んで、批判が強まるばかり。やらないほうがよかったと思うよ。アベノマスクが安倍政権の命取りになりかねないとの声もあがりはじめた





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