岡山のM邸の周りの山は、広葉樹ばかりで、山全体が少しずつ黄色く色ずいてきています。今月末には紅葉も見頃となりそうです。最初この場所を見た時、日本昔話に出てきそうな感じの場所だなと、思ったのを思い出します。外部はもうすぐ左官の中野さんが、塗り終わります。土佐漆喰が緑色をしているので、施主のMさん、これで完成なの?と、いぶかしげ。実は、土佐漆喰は時間をかけて、だんだんと白く変わっていきます。家は、引渡しの時が完成では無く、人間と同じで年を取り、その時々に、住む人の感性に合わせ変化して行きます。今の住宅が20ねんから30年なのは、この家にこれ以上住みたく無いと言う気持ちになるためで、決して、住めなくなったせいではないのだと、思われます。古くなっても、貧しくならない素材を使う事が大事なのは、その為です。良い素材を使っている旧家や建築が残っているのも、その為です。文化財で昼寝をして、思うのは、その昔の人もここで昼寝していただろうと、想像できます。風が通り、木の肌触りが気持ち良い場所では、昔の人もきっと、同じようにしたのではと考える事は、楽しい事。そんな家を作りたい。家を買うのではなく、大工と一緒に創って欲しいと思い、ログハウスを建てています。そんな家はきっと、長く愛されると、思います。この家も、長く愛される家になってほしいと、思います。