香南市の板倉工法の民家、梅雨前に、何とか上棟しました。
板倉工法は、壁を落とし込みながら組み立てるので、手間と時間がかかりますが、シンプルに、木だけで壁を作るので、職人には、やりがいがあります。性能表示をすると、高気密、高断熱の、断熱材の箱の家のような家には、数字的優位性は無いかもしれませんが、木だけで作る家は、なんと心地よい事かと改めて感じます。建て込みはハードですが、やりがいは感じています。
最初は窓も無く、要塞のようですが、後から窓を開けて行きます。ただ今回の、はねあげ屋根のような場合、建て込みながら、造作をして行く事になり、改善が必要だと感じました。この落とし込みの板の上に、厚い杉板の、縦木ずりを打ち、その上にシートを張り、杉のラス板を張り、フェルトを張って、漆喰を塗り仕上げます。杉の板が断熱材を兼ね、屋根、床も30ミリの杉の、ほん実の板で覆われます。屋根板を張っただけで、涼しい風が吹き始めたのには、改めて杉の可能性の高さを感じました。この家に使う、本実板だけで、160坪。その他にも多量の杉を使います。こんな贅沢をしても、メーカーハウスと変わらないか、少し安いとは。なんで高知県の人が、メーカーハウスの家を多く建てるのか、不思議と言うより、あきれます。それに、なんと高知県の人が家を建てる時、県産材を使うと補助金も出るのです。今、本当の木造の家を建てるには、良い時代です。使って良い、多量の木のストックが山にある、こんな時代は今まで無かったのではないかと思います。補助金まで出して、木の家を建てようと、官公庁が言う時代に、何故30年前後で壊すを前提に作られる、建材の家を建てるのか、私には理解できません。戦後の木造建築が、最低限の素材で作られた時代が長く、木造=貧しい建築となったのかもしれないが。新しい物が良いと言う風潮は、木材=古臭いと感じるようになったのかも知れません。しかし今、木造住宅は、環境負荷も少なく、人の体にダメージを与えるガス等の問題も無く、持続可能な建築として、最先端の環境性能を持っています。神戸の震災の時、高知の大工の建てた家は、一軒も倒壊しなかったという事からも、手抜き工事さえなければ、十分に震災に耐えられる住宅だと言えると思います。木は製材するより、丸太のまま使った方が強度があります。丸太の家は、木造の中でも最強の強さを持つ事は、疑う余地が無い。
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