犬神スケキヨ~さざれ石

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戦後体制の終わりと他者の傘

2022-03-21 14:21:00 | 連続
ロシアによるウクライナ侵攻により世界は騒がしくなってしまいました。

ロシア国民の中でも賛否あり国論を二分する事態でもあります。

ドイツのメルケル女史、我が国の安倍晋三が退陣するや、この始末です。

ロシア国内でもネットを使う比較的若い世代はロシアのウクライナ侵攻に『大義がない』と反対運動をしています。
しかし、ネットを使わずメインストリームのメディアしか見ない世代はロシア国家のプロパガンダに毒されているようです。
我が国の世代間ギャップによく似ていると思います。

ウクライナのこれまでの振る舞いが正しいかどうかを論い批判する方々もおられますが、問題はそこではない。
確かに支那と緊密な関係にあり、現在支那が保有する何ちゃって空母を売ったのはウクライナです。
そう言う部分では我が国の国益と相入れない部分はあります。

しかしロシアの侵略は看過出来る問題ではありません。

国連安保理常任理事国がこの様な暴挙に出れば、簡単には止める事が出来ません。

我が国領土、台湾を『核心的利益』と言って憚らない支那中共も何故か国連安保理常任理事国です。

そして支那、ロシア共に核保有国です。
ロシアによるウクライナ侵攻は世界の変化が決定的に変わったと言う事です。

先の戦後体制の終焉を迎え、それまでの秩序はなくなったと言う事です。
東西冷戦が終わり、世界が変化して行く中で我が国は社会党を取り込み自社さ政権が出来た。あれは我が国の冷戦の終結であったのです。

2009年4月・チェコのプラハで当時のオバマ大統領が演説をしました。
『核無き世界』
この様な演説をし東側として暮らし新しい世界に触れたばかりの純朴なプラハ市民を感動させ『ノーベル賞』まで受賞してしまいました。

しかしこの大嘘を純朴なプラハ市民は騙せても先進国である我々を騙す事は出来ません。

核無き世界は本当は核少なき世界であって、核廃絶を宣うものではない

これが真実です。

1978年を境に米国はジワジワとその国力を弱め、しかし太平洋戦争、第二次世界大戦の勝者として国連(本当は連合国)体制の中心であるが故に無理矢理にでも世界を牛耳って来た。
けれどもジワジワと首を絞めて来た結果、米国初の黒人大統領を誕生させて、何とか乗り切ろうとしたのです。

核保有国であるアメリカはその核の維持管理の費用がアメリカの財政を圧迫しているのです。
だから『核無き世界』ではなく『核少なき世界』であるのです。
戦略核ではなく戦術核の保有にシフトする。

戦略核は使わない核ですが、戦術核は使用を前提にした核です。
戦略核は弾道ミサイル等に搭載される核です。
戦術核は例えば潜水艦や爆撃機等に搭載する核で、核の被害も限定的です。
例えば広島や長崎に我々は核を使用されましたが、広島の核の被害は東京や大阪には殆ど影響しません。
使う核とはこう言う事です。

そうやって世界に嘘をばら撒いた結果、今ロシアは『戦術核』をチラつかせ脅しているのです。

同盟関係にもないウクライナが核を使用されてもアメリカがモスクワに核を使用する事はないでしょう。
これはつまり核の抑止が効かないと言う事です。

他方、我が国はアメリカの核の傘の下にいます。日米同盟があるからです。
そして米軍基地があり、同盟関係が有効だからでしょう。
しかし、例えば日本に米軍基地もなくアメリカ人がいなければ同盟関係であってもアメリカが日本の為に核による報復をしてくれるのかはわかりません。

俄に核シェアリングが取り沙汰されてはいますが、未だ世論は核へのアレルギーを克服出来ずにいます。

核武装など本当は無い方が良い。
しかし、今般の情勢を見るならば真剣に考えなければなりません。

ウクライナの状況を見れば明らかに核武装国が非核国を侵略し、更に核をチラつかせて脅してもいる。

例え小国でも核武装していれば誰も侵略しないと言う事は明白で、だから北朝鮮は核を手放さない
この様に理解できます。

またロシアはあらゆるデマ情報を基に核使用の機会を伺ってもいます。
兵器そのものを使わなくても原発を暴走させ、原子力災害を起こせばウクライナには誰も住めず、プーチンの思惑通りに非武装中立地帯が出来上がってしまいます。

世界はこの動きを見ていて『我々も核を持とうか...』となってしまいます。

今般事実上のNPT体制の崩壊、戦後秩序の終わりをまの辺りにして、例えばアジアの小国ですら核武装を考えるでしょう。

そうなれば腐った核でも核は核とばかりに北朝鮮の安い核に皆が群がり、北朝鮮の価値が一気に上がってしまう事態に陥ってしまいます。

我が国の国民を拉致し、核で我が国を脅す国の価値が上がってしまいます。

戦後秩序の終わりが来て、新たな秩序の世界に変わる今、我々はどうするべきか?
難しい時代に否応なく対処しなければならないのです。

議論すら許さない!と考える反日の人々もいる中で我々はどうするのか?

改憲を含めて日本はこの先、核武装をするのか?核シェアリングによる外交安保をやるのか?今まで通り丸腰外交をやるのか?
今迫られています。

当然、日本が核シェアリングにしろ、自前の核武装をやるにしろ核を持てば『あの日本が核を持つのか』と世界は逆にそれ程危機的な世界情勢だと考えるでしょう。

そうなれば先述した通り『腐った核』の価値を上げてしまう事にもなりかねません。

本当にアメリカを信用しその傘を使い続けるのかを考えなければなりません。

我が国は核被曝国です。
核の悲惨さを知っています。
しかし我々より核の実態を知っているのは、それを使ったアメリカです。

原爆で被曝した少女に『治療』と称して、本当は何もせずビタミン剤だけを与えて死んで行くのを逐一観察して記録し、死んでからも内臓や骨を標本にして持ち帰ったのがアメリカです。
人が被曝するとどうなるのか一番知っているのは、核を使用したアメリカ自身であり、核を一番恐れているのもアメリカです。

だから核武装した国には弱腰なのです。

で、あるならばアメリカの傘で雨を凌げるのでしょうか?

他者の傘が抑止にならないのなら、我々はどうするべきでしょうか?

今議論をしなければ民族の絶滅と言う事態に陥ってしまう危険性があるのです。



Japan Air Line 123 ⑥

2021-08-06 16:03:00 | 連続
前回は11tの前向き外力について触れました。

11tもの力で働く前向き外力とはなんだったのか?

事故調の報告書では、与圧隔壁破壊による客室内の急減圧、つまり機内からの急激な空気の流れが機体を前向きに動かしたとしています。

しかしそれ程の力が働くほどの急減圧があったとすれば機内の空気の流れは、それこそ椅子やテーブルなどにしがみついていなければならない程の流れであったはずです。

しかし生存者の証言、更に機内の写真を見てもそのような様子はありません。


そして何よりも、犠牲になられた乗客の中には『遺書』を書き残している方もおられるのです。

例え機体が降下して空気のある高度にあったとしても、機内の気流は激しく遺書を残す余裕があったとは考え難いのです。

迎え角
気流に対する主翼の傾き
縦揺れ角
機首の上げ下げ角

最初の衝撃音の時、機首は下向きになっています。

操作以外で機首が下を向く条件は以下の通りです。



機体上部機首部分への力
機体後部下部からの力


機体上部機首部分の内部からの圧力による反動
機体後部下部内部からの圧力による反動

これらが考えられるのです。
そしてもう一つ...


垂直尾翼付近、後方から前方への力。

例えば、垂直尾翼を吹き飛ばす力が作用したなら上方向に内部圧力が噴き出すのですから機体後部は下を向きます。
すると機首は自然と上向きになります。

しかしフライトレコーダーはその様なデータを示していません。



上の図の一番目と2番目です。
衝撃音の直後、機首は下を向いています。

事故調の説では辻褄が合わないのです。

これは普通、自然に考えるならば11tもの前向き外力が働き機首が下を向いたならば、何が追突したと考えるのが自然ではないでしょうか?

つまり垂直尾翼付近に何かが追突した、その衝撃で機首が下を向いた。




そして垂直尾翼下部方向舵には後から前への線状痕があるのです。

この傷は尾翼右側についています。

続く1秒間で約5°もの急激な機首上げが起きています。

つまり考えはこうです。

機体の破壊は内部からではなく、外部からで、その原因は垂直尾翼右側を擦る様に何かが追突。
その為、衝撃音直後に機体は下向きに。
擦る様な追突により、外板や塗装の剥離が生じて空気抵抗となり約5度の機首上げが起こった。

これについては、日本航空整備本部の臼井誠氏が1995年のテレビのインタビューでこう答えています。

『垂直尾翼の外板に初期破壊を示す明解な状況が事故調査委員会の報告書に記録されている』と語り更に『外板が浮き上がり、そこから突風がドーンと入った』と語っています。

この証言は追突説を裏付けるものではありませんが、外板部分の初期破壊を裏付ける証言ではあります。

また、航空11社のパイロットによって構成される団体に日乗連と言うものがありますが、こちらも独自の分析を基に『与圧隔壁破壊説』に非常に懐疑的な見解を示しています。

また、先の臼井氏は圧力隔壁の破壊は二次的なものであると確信を持っているとも語っています。









九州大学名誉教授
大平博一氏も

『圧力隔壁破壊から始まるのであれば内圧が一気に抜けるので尾翼は破壊されない事になる、隔壁破壊は最後でなければならない。垂直尾翼の破壊は翼端付近でのリベットの連鎖的破断から始まる。倒壊尾翼はAPU内蔵のテイルコーンを強打し、最後に防火壁を破壊。』
この様に力学的計算により、垂直尾翼が先に破壊されたと結論付けています。

先に述べた様にフライトレコーダーを見ても内圧により垂直尾翼が破壊されたとすれば空気は上に漏れますから、機首は上を向くはずです。
しかし、実際には下を向いています。
その後、急激な機首上げがあり、自動操縦により機体を水平に保とうとする作動があったのは事実です。

その後、佐々木副操縦士は右側下方に舵を切っています。

何故こんな操作をしたのか?

例えば、車を運転していて咄嗟にハンドルを切る様な場面を思い描いて下さい。

その様なハンドル操作をする時は何かを避ける時ではないでしょうか?

つまり佐々木副操縦士は衝撃音と同時に何かを目撃した。
それを避け様と咄嗟に取った行動ではないでしょうか?

右下方に操作をしていますから、その逆の左上方に何かを見たと言う事ではないでしょうか?




つまり、垂直尾翼右側を擦る様に何かが追突し、左前方へ抜けて行った。

この物体の速度や大きさはわかりませんが、衝撃音の直後に何かが機体上部スレスレに現れ咄嗟に右下方への操作を行ったと考えられるのです。



そうなれば、ボイスレコーダーの24分39秒付近の『なんか爆発したぞ』は全く意味が変わってきます。
そもそも『なんか爆発したぞ』ではないと言う事になります。

しかしこの部分については、やはりあまり判然としませんが、述べて来た状況から考えれば『なんか爆発したぞ』ではおかしいと思います。

この物体についての会話はボイスレコーダーの書き起こしには一切出てきません。
どこに緊急着陸をするか?と言う会話も当然コックピット内であったはずですが、こちらも書き起こしに一切出てきません。

恐らく削除されたものと思われます。

書き起こしには削除されたと思われる部分が多数あるのです。

そもそもリークされる形で世に出て来たボイスレコーダー。
中身が削除されていても不思議はありません。

更に必ずあるはずの『どこに着陸するのか?』と言う部分も、発生当初の羽田に帰るリクエスト以外ありません。

これは以前に記述しました、米軍C130パイロット、アントヌーチ氏の証言にもある通り横田が着陸許可を出していたなら123便からのリクエストがあったはずです。

リクエストがなければ米軍は着陸許可を出しません。

更にフライトレコーダーと実際の目撃情報とに5kmのズレがある事です。
これはあまり知られていないそうですが、事故調発表の事故発生場所と目撃情報とのズレ。
目撃情報の中に『花火の様な音がした』と言う話しがあるのです。

音を聞いた地点、飛んで行く飛行機を目撃した地点、事故調発表の地点のズレ。
事故調発表地点が正確だとするなら、音を聞いた地点は13km離れています。

果たしてそんな離れた場所で音がしっかりと聞こえるのか?
スカイツリーから東京ディズニーランドの花火を見るより更に離れた地点の花火を見る様なもので、間近に聞こえたとする証言とは矛盾します。
一体、目撃者が聞いた音はなんだったのか?

そして、仮説の様に何かが衝突したのならば『なんか爆発したぞ』は『なんか爆破したぞ』ではないのでは?

何か当たったぞ
何かわかったぞ
あんた任したぞ

実際判然としません。

今まで述べて来た事は、あくまでも仮説にしか過ぎません。

しかし可能性の一つとして考えてみる事が必要です。

そして36年後の現代で、最新の技術を使い改めて検証する事が何より必要です。

その為に、今般御遺族が起こされた裁判は重要な意味があります。

無削除、無編集のボイスレコーダーとフライトレコーダー。

これにより真実が判明する事を願います。










Japan Air Line 123 ⑤

2021-07-22 16:45:00 | 連続
ここまでで、ボイスレコーダー冒頭の警報音について『客室高度警報』か『離陸警報』かについて述べて来ました。

さて今回はまた違う角度から考えてみたいと思います。

先ず事故調の見解として以下の事を述べてみたいと思います。



与圧隔壁の金属疲労部分から破断
0.05秒後、機内から噴出した空気により機体尾部の差圧が『4psi』まで上昇

これにより防火壁とAPU(補助エンジン)が離脱、その事により圧力が解放され差圧が急低下

0.3秒後、垂直尾翼点検孔から入った空気により内圧が上昇、上部リベットが飛び破壊が始まる

0.4秒後、内圧が4.75psiに達した内圧に耐えきれず垂直尾翼の半分以上が飛散


以上が事故調が出した結論です。

しかし、この事故調の説では垂直尾翼を吹き飛ばす事は不可能でしょう。

そもそも機体尾翼が脱落し差圧が一旦下がった後に、再び上昇するとは物理的に考えてありえないからです。

機体尾部のセクション48と言われる部分には高圧エアーパイプが通っており、万が一それが破損しても尾翼を保護する為にわざと1.5psiにしか耐えられない構造になっています。

更に1.0psiになった時点で与圧隔壁の下にあるプレッシャーリリーフドアが開く仕組みになっています。



例え尾部の内圧が上昇しても二段階で尾翼を守る構造になっているために、垂直尾翼が内圧で吹き飛ぶと言う事はあり得ないのです。



実はフライトレコーダーのデータを見ると、衝撃音から約1秒後に操縦桿は押し込まれ、ペダルは右に踏み込まれているのです。

これは不可解なデータです。
一体何を意味しているのでしょうか?

自動操縦から手動操縦に切り替えられたのはデータを見ると37.92秒から38.92秒の間になります。

しかしフライトレコーダーのデータからではこれが自動操縦によるものか、或いは手動によるものかよくわからないのです。

もし自動操縦による操作であるならば、6°上に機首が向いた事は以前に述べましたから、これを水平に戻そうと自動操縦による操作と考えられます。操作は37秒の時点であるとわかっています。

しかしフライトレコーダーのデータを見れば37秒時点では、まだ機種は水平を保っています。
と、言う事は自動操縦によるものではないと考えられるのです。

では可能性として考えられるのは、当時操縦桿を握っていた副操縦士が実際に操作したと考えるのが自然です。

では何故、この様な操作をしたのでしょう?

衝撃音に驚いてつい操作してしまったのでしょうか?

通常、自動操縦はパネル部のスイッチで解除します。
しかし緊急時等では、操縦桿に付いた自動操縦解除ボタンで解除できます。

フライトレコーダーのデータによると、操縦桿を一杯に押された状態で解除されている為にこれは、操縦桿の解除ボタンで自動操縦を解除したと考えられます。

つまり何らかの理由により、意識的にこの様な操作を行ったのです。

事故調査報告書には、操縦桿やペダルの操作については書かれていますが、その理由については書かれていないのです。
事故原因究明に大きく関わると思われるはずなのに、全く触れられていないのです。

この最大の謎を考えなければ、事故原因に迫る事は出来ないでしょう。



報告書によれば18時24分35.70秒に約11tの前向き外力が作用したとしています。
上の図の上から3番目のグラフで見てとれます。

36.20秒以後の大きな変化は機体運動によるものとしています。



九州大学名誉教授
大平博一氏は、前後加速度の最初の部分はエラーとして読み飛ばすべきだと、1995年の報道番組のインタビューで答えています。

元日航パイロット
杉江弘氏は前方へのGが検出されているのは、後方への力が働いた事による反作用であると考えるのが自然であると、事故調査報告書の与圧隔壁破壊説を肯定しています。

ならば、時速500km以上の速度で飛行するジェット旅客機を前方へ加速させるほどの力が与圧隔壁破壊によって起こったのでしょうか?

では生存者の証言『客室内に空気の流れはなかった』と言うのはなんなのでしょう?


元大手航空会社パイロットの方が以前に匿名で証言していましたが、11tもの前向きに押し出す力が作用したなら、機内風速は50mにはなったはずであると。

しかし事故調は10m/sの空気の流れがあったとしています。

上の写真を見ても空気の流れがあったとは思えません。

では、前後方向加速度が示す11tもの前向き外力とは一体何なのか?

次回詳しく考察してみたいと思います。

続く...








Japan Air Line 123 ④

2021-07-18 15:30:00 | 連続
前回は警報が客室高度警報ではない可能性を示してみました。

警報は実際には1.4秒で停止しています。
客室高度警報が停止する条件は以下の通りになります。

気圧高度が−500〜−1500ftまで降下する

機関士が停止する

機関士が1.4秒で停止するとは考え難いですね。もしその様な短時間で停止するならば構えて待っていなければならないでしょう。ならば事前に知っていた事になります。

降下するにしても1.4秒と言う短時間で13000ftまで降下しなければなりません。
不可能です。

ボイスレコーダーを聞けばわかりますが、機長は22000ftまでの降下をリクエストしています。

つまりそれ程の短時間で急減圧があったとは考え難いのです。

更に酸素マスクをつけた方が良いという機関士からの提案は衝撃音から9分後です。



これは約25年前に放送された特別番組でも実験されていましたが、高度24000ftで、急減圧が起き酸素不足に陥ればまともな判断が出来るのは2分が限界です。
これにより、当初は酸欠に陥ってしまったパイロット達は操作を誤ったのではないかと実しやかに噂された理由です。

しかし実際にはボイスレコーダーの解析から、全くそうではないと判明しました。
15年が経ち、内部リークされたボイスレコーダーにより、その汚名は晴らされたのです。

事故調によれば

18時24分37秒、1秒間に3回警報が鳴り停止。27秒間停止した後に25分02秒からまた鳴り出す。

事故調はこれに対して
1秒間鳴った後、故障して27秒後に装置が復活してまた鳴ったと言う訳のわからない推論を述べています。

しかし、実際には1.4秒間に5回鳴った。
しかも、そもそも客室高度警報が鳴っていないと考えたなら、故障も起こしていないのです。

この様に考えれば、そもそも急減圧があったことすら考えられません。
もし短時間にそれ程の急減圧があれば、機内には風速数十メートルの空気の流れがあったはずですが、証言からもその様な事実はありません。

客室高度警報でないならば、あの警報は同じ音を使っている離陸警報と言う事になります。

ネット上には実しやかに囁かれる噂があります。

ボイスレコーダーの24分46秒の部分です。
事故調はこの部分を『オールエンジン』と言う発言と解析しています。

この部分がネットでは『オレンジエア』だとし、訓練用模擬飛行機がオレンジなのでオレンジエアだと言うものです。
このオレンジエアが事故に関わっている。
元自衛官である機長はこれを知っていたから思わずオレンジエアと発言したと。

しかし、実際には機関士が発言したものであり、更にオレンジエアなる言葉もありません。
後にこれは『ボディギア』だと、ボイスレコーダー解析者も訂正しています。

しかしボディギアでもないのです。

実際には、これは元旅客機パイロットも衝撃していますがオレンジギアであると思われます。


そして57秒にも同じ発言があります。
これはオレンジドアではないかと思われます。

そう考えると辻褄が合う。

フライトレコーダーを見れば、衝撃音の直後に機首が6°変化しています。
この6°の変化が元に戻るまでの時間が1.4/sなのです。



着陸装置には安全装置が付いています。
これが最初の衝撃と機首の傾きにより安全装置に不具合が出た。
具体的には安全装置のセンサーが着陸装置の不具合を感知した。
しかし機首が戻る事で警報が止まったと考えられるのです。


そしてそれらの警告灯は機関士の前にあり、異常がなければ緑色に光っています。
異常があればオレンジに光ります。

例えば離陸後、ギアに異常が無ければ『オールグリーン』や『ギヤグリーン』と発言します。

それを考えると着陸装置のインジケーターがオレンジに光り『オレンジギア』や『オレンジドア』と機関士が機長に知らせたと考えられるのです。

これらを考え合わせると

18:24.35の警報は客室高度警報ではなく、離陸警報であり、25.04から客室高度警報が鳴り出した。
そう考えれば、異常から29秒かかり緩やかに減圧していた。
と、言う事になります。

事故調は5秒強の減圧時間を示しています。
更に少なくとも10秒以内であると。
しかし実際には29秒かかっているのです。

計算では垂直尾翼を吹き飛ばす為には客室高度が5秒以内に10000ftに達しなければなりませんが、事実はそうなっていません。

では、一体何が原因で機体後部や垂直尾翼が吹き飛んだのか?

次回、更なる可能性について考えてみたいと思います。

続く...








Japan Air Line 123 ③

2021-07-16 18:47:00 | 連続
18時24分35〜36秒
『ドーン』と言う衝撃音と共にこの悲劇は始まってしまいます。

18時24分37秒
警報音が鳴り響きます。

この警報音を事故調は客室高度警報音として事故調査報告書に記載しています。
1秒間に3回警報音がなったと。

この客室高度警報こそが、急減圧があった証拠であると言う見解です。
これこそが与圧隔壁破壊の為に起きた急減圧で、されを示すのが警報音であると結論付けました。

しかし、本当にそれが正しいのでしょうか?

実はこの警報音は1秒間に3回ではなく
1.4秒間に5回鳴っていたのです。

これは、ノイズリダクションをかければハッキリと判りますし、可視化されたグラフにも1.4秒間に5回鳴ったと言う事が示されたのです。

そもそもボイスレコーダー冒頭の衝撃音の後に鳴り響く警報音は客室高度警報音と離陸警報のどちらかです。
両方は同じ警報音を使用しています。

離陸警報は主に地上で、客室高度警報は離陸後使用されるものであるから、同じでも構わないと言う事です。

24000ft上空は約8000m弱です。
この高さの気圧は0.3気圧です。
空気は薄く、デスゾーンと呼ばれる高さです。

その為に機体内部は圧力が高められ地上気圧に近い状態にされています。
これを与圧と言います。

B747には2種類の与圧があります。
差圧8.9psiこれは、更に高高度を飛ぶ事が多い国際線が主に行う与圧です。
差圧6.9psiこれは主に国内線が行う与圧です。

そして当時のJALは国内線に於いても8.9psiに設定されていました。
事故調はコレに対して『6.9psiならば与圧隔壁の疲労は3倍に延びていただろう』と見解を示しています。

さて、この差圧とは客室内の気圧ではありません。
差圧とな外気圧と客室気圧の差を表すものです。

これを計算する公式がありこれを
測高公式と言います。

P=po{1−0.0065z/(to+273.15)}^5.257

poとは気圧(hpa)
toは地上気温(℃)
zは高度(m)

事故当日の気象を加味しながら計算すると

地上気圧1013hpa、当日の気温26.3℃、高度は7285m
先の公式を基に計算すれば
上空気圧P=409.84hpaになります。

これを重量毎平方inchに直します。
(÷68.948)

5.94psiとなり23900ft気圧となります。
これは衝撃音がした時に飛んでいた高度とぴったり合います。

では客室気圧を計算してみましょう。

1013hpa、外気温26.3℃
客室内設定高度198.12m(650ft)
990.3hpa
(÷68.948)

14.36psi(0.977気圧)となります。

14.36−5.94=8.42
差圧8.42psi

事故調もほぼこれと似た差圧を計算しています。
事故調はこの差圧こそが後部圧力隔壁を破断に導き、客室の気圧を一気に低下させた為に、冒頭の警報は客室高度警報が作動した音であると推定し結論付けています。
しかしこれはあくまで『推定』です。

果たして事故調の推定は正しいのか?
寧ろ事故調の事故原因に対する結論から考えれば『客室高度警報でなければならない』と言うご都合が働いているのではないでしょうか。


当然ながら、客室高度警報が鳴るには条件があります。

それは客室内気圧が10000ftに達した時に警報音はなり出します。

事故調が示したグラフ計算では衝撃から最速で1.656秒です。

この客室高度警報のセンサーはコックピットにあります。
圧力隔壁で変化した気圧はコックピットのセンサーに届くまでの時間はパスカルの原理にしたがい時速1224kmで届きます。
これはつまり音速で均一に広がるわけです。

東大名誉教授の加藤寛一郎氏は大雑把ながら『圧力隔壁の開口が1㎡ならば2.4秒』と計算しています。


事故調は圧力隔壁破壊により約11tの前向き圧力がかかったとしています。

加藤教授はフライトレコーダーから
力=(重量÷G)×0.05G=0.05×重量=12t
と計算しています。
そこから圧力隔壁の開口面積を0.83㎡と導きだしています。
更に開口面積が1㎡、客室気圧1気圧であった場合の計算が2.4秒と言う事です。
つまりこの時間は客室の圧力高度が圧力隔壁破壊から客室圧力が10000ftに達して、警報がなるまでの時間と言う事です。

しかし、事故調は開口を1.8㎡と言う見解で1.656秒と試算しています。

また、事故調の報告書では減圧が緩やかだった場合でも5秒としています。

つまり事故調は1.656秒から5秒の間に客室高度警報が鳴ったはずだと推定しているのです。

圧力隔壁から収録用マイクまでの距離は53.7mです。
最初の衝撃音がマイクまで届くには経路は2種類。
一つは機体内部を伝わる空気伝播。
もう一つは機体そのものを伝わる固定伝播音です。

音の速さは密度と体積の弾性率で変わります。即ち硬さです。
密度が高く硬いほど音は早く伝わる。

普通に考えれば機内の空気伝播音より機体を伝わる個体伝播音の方が早く届いたはずです。

空気中の音速は摂氏0℃1気圧の場合、331.5m/sです。
1℃上がる毎に、0.6m/s速度があがるので機内を25℃とした場合

331.5×0.6×25=346.5m/s
と、なります。

機体は金属ですから密度が高く硬い、約空気の15倍程度で5000m/sになります。

しかし旅客機の機体構造は複雑な為、機体を伝わる正確な速さはわかりません。
しかし、空気伝播音と時間差があった事は確実です。

過去にこの時間差をあるテレビ番組が解析したことがあり、その時間差は約0.14秒と結論しています。

空気伝播音が機内マイクまで伝わった時間は約0.15秒。
と、言う事は固定伝播音は0.01秒で機内マイクに達した事になります。

これによりボイスレコーダーの波形を検証した結果、隔壁破壊から1.58秒後に警報がなった事がわかります。
事故調推定の1.656秒より短いのです。

となると警報音は客室高度警報ではない可能性が出てきます。
しかしこれはあくまで圧力隔壁の開口が1.8㎡と仮定した場合です。

しかし警報圧力到達時間はいくら開口を1.8㎡より大きくして計算しても1.58秒より早く鳴ることは不可能なのです。

そもそもそんな短時間の急減圧が起こりうるのか?と言う事です。
生存者の証言では機内に急激な空気の流れは無かったとあります。

急減圧があれば、機内の空気は一気に外に排出されてしまいますか、相当な速さの空気の流れがあったはずです。

つまり最初の警報音は客室高度警報音ではないと結論付けるしかないのです。

では、あの警報音はなんなのか?

次回、別の角度から考えてみようと思います。

続く...