ポトマック自然観察日記

アメリカ東部の自然紹介をきかっけに、日本や世界の自然観察を共有。

Delaware Seashore State Park

2011年07月23日 | 日記
私は小さい時から地図を眺めるのが大好きなのですが、ここアメリカ東部の地図を眺めていると、どうしても大西洋に面した地域の地形の複雑さに目が行きます。外海に面したところはいわゆる「バリアリーフ」と呼ばれる南北に実に細長い島が続き、また、その上を道路が通っており、その内陸側というか反対側には「インレット」といわれる内湾が続きます。つまり、バリアリーフの右側は波の打ち寄せる素晴らしいビーチが続き、左側には静かでのどかな内湾が広がる風景となる訳です。特にノースカロライナ辺りは大変複雑な地形です。いつか行ってみないと。

7月16日、車で片道3時間の日帰りで、デラウァア州のそうした地形にある州立公園に行ってきました。まずは、「左側」のIndian River Bayに浮かぶ島、Burton Islandのトレイルを歩いてみました。近くにはヨットの沢山あるマリーナもあり、少しリッチな気分のするところです。景色もなかなかでしょう?少し遠くだったので何かわからないまま鳥の写真を撮りました(2枚目)。ところが家に帰ってPetersonのフィールドガイドで見てもどの種類なのか良くわかりません。もしや極めて珍しい鳥かもと期待を高め、定期購読してるBirdwathcer誌に写真を送ってみました。翌日には早速返信をもらい、実にあっさりと"Yellow-crowned Night-Heron"だと教えられました。特に珍しい種ではないようです。私にとっては初認でしたが。それにしてもフィールドガイドの挿絵と本当に似ても似つかない、不思議な鳥でした。



このトレイルを歩くと、素晴らしい景色が続きます。内湾に面しているせいか、優しい感じを受ける風景です。枯れ木に止まったツバメの群れの後には、Ospreyの姿が視界に入ってきます。日本で言うところの「ミサゴ」でしょうか。干潟に打ち立てられた人工の杭の上に巣を作っています。



OspreyはBald Eagle同様、70年代ぐらいにはDDTの使用等による影響で絶滅の心配された猛禽ですが、ここ東海岸では個体数も増えてきているようで、見つけるのに難しいことはありません。特にこの辺りはエサとなる魚には事欠かないことでしょう。トレイルの頭上の松の木にも巣を見つけました。直径1メートルぐらいはあるでしょうか。太めの枝も使って粗い作りの巣です。かなり大きくなった若鳥が、飛び立って行った母鳥を恋しがってずうっと甘い声を上げていました。干潟に目を転ずれば無数のカニ。データが重く載せられない写真となりましたが、なぜが死んだカブトガニが大量に見られました。



内湾側の自然観察の後は、中年男一人で気が引けたのですが、「外側」の大西洋に面した砂浜にも行きました。多くの家族連れやカップルばかりの中、イスが一つだけの我が陣地が寂しく見えますね。ジュースを飲んだり、雑誌を読んだり、2時間ぐらいは時間を潰せましたが・・・。それにしてもきれいな白い砂浜で、ゴミもなく、打ち寄せる波の感じも素晴らしく、たまには海もいいものだと思わされました。

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Metapeake Fishing Pier, Chesapeake Bay

2011年07月10日 | 日記
今回は「自然観察日記」ならぬ、「釣りバカ日誌」です。当地のお知合い、M家のご家族とワシントン東部チェサピーク湾の釣り桟橋に行ってきました。思い起こせば私は釣りキチ少年でしたが、釣りとはすなわち自然との対話でこれ以上の観察手段は無いのではないかと。まあ、主に水中の生態系ということになりますが。当時の釣り好きが、今日の自然観察好きに転じたのでしょう。



さて、このチェサピーク湾、ただならぬ所(フィールド)です。キーワードは「北米最大の汽水域」。汽水域と言えば、生命の溢れるリッチな所、と言うのが私のイメージです。多様な環境ゆえ様々な動植物が生息する生物多様性の宝庫です。しかし、残念なことに、このチェサピーク湾、環境汚染の代名詞でもあります。最大の汽水域であることはそれだけその「集水域」も広大で、ボルチモアやワシントンを始めとした大都市や多くの人口を抱えた地域から全ての汚染物がたどり着くところでもあります。この集水域にあたる周辺4つの州の知事の間では、チェサピーク湾の環境を改善しようという条約のようなものが存在し、数十年先を見据えた種々の目標も設定されているのですが、これがなかなか達成できません。

さてさて、釣果の方ですが、「爆釣」でした。名前は付しませんが、それぞれの素晴らしい魚達の姿をご鑑賞ください。この日の夜はこれらお魚達の白身の刺身に舌鼓を打ちました。メンバー全員で、20匹ぐらいは釣れたでしょうか。



ワシントン周辺にお住まいでお子さんのいる家庭には、是非子供たちにこの桟橋で釣りを経験させてあげて欲しいものです。ワシントンから車で1時間。周辺に釣具屋もあり便利。何といってもこうした釣り桟橋は非常に安全で安心して子供たちに釣りをさせられます。また、自分で捕ったものを食べる貴重な経験となります。今回ご一緒したM家のご子息たちの目の輝きといったら、それは私が子供達に求める、「それらしい」とっても素晴らしいものでした。

このチェサピーク湾は、私にとってはむしろ野鳥観察のフィールドです。大西洋に面する東海岸沿いのAtlantic Flywayという渡りのルートの貴重な一部です。特にその広大な湿地帯が多くの渡り鳥の休息および栄養補給地になっているほか、カナダや北極圏からの鳥たちの越冬地にもなっています。この秋冬にはそんな鳥たちの姿も紹介したいと思います。
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トンボの天国 C&O Canal

2011年07月02日 | 日記
夏本番の暑さの中、自宅よりほど近いChesapeake & Ohio Canal National ParkのSwains Lockに車を止め、運河沿いを観察してきました。主な目的はトンボ。日本にも水辺環境保護の象徴として「○×トンボ公園」というものがあるようですが、ここのトンボの密度といったら大変なものです。じっくり水辺を観察していると、その数、その速さ、その美しさといったものに圧倒されます。お互い追いかけっこするもの、追い払うもの、空中で他の虫を捕まえるものと、その行動パターンも色々です。空軍の関係者はあのように飛べる戦闘機を持つのが理想なのではないでしょうか。水辺の草木で羽を休める者の数も相当のものです。色々な種類のトンボたちをご鑑賞ください。なお、最後は羽化中の個体です。




トンボの次に目が行くのは魚です。これがまたもの凄い数で水辺で活発に動き回っています。ただし、観察できる種類は少なく、ブルーギル、イエローパーチ、ブラックバス、その他ミノー(小魚)といったところ。面白いのは、「産卵床」と思われる小石で作られた丸い部分がくっきりと観察できます(左から2枚目)。そこには親でしょうか、大き目な魚がいて、他のものが入ろうとするとすごい勢いで追い払うのです。



ここでの定番、カメたちも沢山登場しました。一番最初にみたものが、学校給食に出てきた牛乳瓶の蓋ぐらいの大きさで、とってもかわいいやつです。それからは、30センチ位はありそうな大きいカメのオンパレード。倒木で日向ぼっこをしたり、悠々と水面を泳いだりと。私に気が付くと突然潜ってびっしり生えている水草の森の中を泳いで行きます。結構な速さに驚きます。



最後にこの運河、特にSwains Lock近辺の風景を貼ります。はっきり言って景色が素晴らしいです。運河にかぶさるように覆い茂る森、木々の姿が素晴らしい。写真で撮るとデータが重くなるため、ここにアップローできず残念です。ワシントン界隈にお住まいの皆様は、お弁当を片手に是非ここでのんびり過ごしてください。簡易トイレもあれば、無料のキャンプサイトあります。もちろん、運河のすぐそばにポトマック川が並行して流れており、雄大な景色です(まあ、C&O Canalがポトマック沿いに流れていると言うべきところでしょう)。



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