ポトマック自然観察日記

アメリカ東部の自然紹介をきかっけに、日本や世界の自然観察を共有。

栃木・太田原市 羽田沼 Handa-numa Pond, December 30, 2018

2019年01月05日 | 日記

北関東有数の白鳥飛来地、と聞くだけで「行ってみなければ」と思わされます。のどかな田園風景の中にあるホッとするような可愛い沼、羽田沼(はんだぬま)です。

多くのカモ類に混ざってオオハクチョウ(Whooper Swan)が数羽います。有数の飛来地と言う割には、期待したより少ないなと思いました。しかし、やはりその姿は美しいですね。存在感があります。少しグレーがかった幼鳥を含む3人家族のようです。

 

ご覧の通り多くのカモ類がいます。マガモ(Mallard)、カルガモ(Spot-billed Duck)、オナガガモ(Northern Pintail)、キンクロハジロ(Tufted Duck)、ホシハジロ(Common Pochard)、ヒドリガモ(Eurasian Wigeon)と言ったところです。ガアガア鳴きながら皆んなで大騒ぎ。

カモを狙って上空に鷹か!と思いましたが、トビ(Black Kite)のようです。ゆっくりと池の上を旋回していました。

池から岸辺に視線を動かすと綺麗なツグミ(Dusky Thrush)がいます。写真を撮って欲しいと言わんばかりのポーズです。どうやら視線もこちらに?

羽田沼で見かけたオオハクチョウは計4羽でした。明らかに少ないと思わざるをえません。情報収集の結果、その要因の一つとも言うべき水田が近くにある由。餌付けもされているようです。羽田沼から車でたったの3分、そしてこの光景が!

やはり餌付けは大変パワフルですね。さすがの風景が展開されていました。我々が近づくだけで鳥たちが集団で近づいて来ました。エサは与えませんでした。持ち合わせてもいませんでした。

県道に出くわすまでの農道でもゆっくりウォッチング。車の中からじっくりとジョウビタキ(Daurian Redstart)のメスを観ることが出来ました。日本では冬鳥で、4月ぐらいまでは滞在するようです。

雪も強くなって来ましたので、「羽田沼 vs 餌付け田圃」をやや気に掛けながらウォッチングを終えました。


奄美大島 Amami-oshima Island ② November 30, 2018

2019年01月03日 | 日記

さあ、奄美大島のナイトサファリです!テレビの旅紀行モノで何度も見ては憧れていた経験です。

もちろん、主人公はアマミノクロウサギ(Amami rabbit)。言わずと知れた国の特別天然記念物で、世界中でこの奄美大島と徳之島にしか棲息していません。減少を続けていた個体数も、「マングースバスターズ」のお陰で増加に転じているそうです。

さあ、良く目を凝らしてご覧下さい。斜面をゆっくり登って行きますよ。

ナイトサファリのガイドさんは最強・最高レベルの専門家で、彼のお陰で、7−8羽のアマミノクロウサギを見ることが出来ました。車が林道を行くと、何か黒い物体が藪の中でゴソゴソと動く。次の瞬間、大抵の場合、ウサギは逃げて姿を隠してしまうのですが、中には上の写真の様なのんびり屋さんも居て、ゆっくり写真を撮らせてくれるのです。

これは路上に見つけたアマミノクロウサギの糞。臆病な彼らにとり、道路は見通しが良いのでお気に入りのトイレだとか。

このサファリでは他にも色々なものが観察できました。今回の旅行のハイライトであるアマミノクロウサギを十分に堪能しましたので、気分的な余裕が出てきて、「他にも色々見せてください」と言う感じでした。

最強レベルのガイドさんが、「実はこれが本当に見せたかったものです」と胸を張って我々参加者に紹介したのが、ケナガネズミ(Ryukyu long-tailed giant rat)でした。これはでかい!しかも、車を停めたガイドさんが指差す先は、何と電線を伝って森に逃げ込むケナガネズミの姿でした。

大きさは体だけで30cmぐらいで、尾っぽはそれより長い!日本最大のネズミ!何と樹上性!これも、奄美から沖縄地域の固有種!必死で撮った写真がこれです。(ああ、何と残念な写真・・)

二度目のハイライトをやや興奮気味にご紹介しましたが、早速、三度目のハイライトが待ち受けていました。(さすが史上最強のガイドさん。)1メートルは優に越す猛毒のハブ(Hub snake or habu pit viper)とヒメハブ(Ovophis okinavensis)です!道路脇の水路で、夜中じっと餌となるカエルを待つヒメハブの何と不気味なこと。

この人類最強のガイドさんは、夜であっても我々に鳥を見せてくれるのです。この漆黒の闇の中で、どうしてこのズアカアオバト(Whistling Green Pigeon)を見つけられるのでしょう?夜のせいか全く動かないので、観察し放題です。お腹がぷっくりして可愛いものです。

そして、主なウォッチングが終わり、我々を乗せた車は山を降り、人家の見える里に入りました。またこの最強ガイドさん、「いつも居るんですよ」と余裕の様子で我々にアオバズク(Brown Hawk Owl)を見せてくれました。しかも2羽いました。

はっきり申して、このナイトサファリは大満足。私も色々なガイドツアーに参加しましたが、この日のガイドさんは本当にしつこいですが「最強」でした。奄美大島でのナイトサファリは色々なツアー会社が運営しており、その質もまちまちのようですので、十分評判を調べてから参加申込みすることが重要です。

奄美大島、本当に素晴らしかった。自然の美しいバードアイランド。ユネスコの世界自然遺産登録を目指しているようですが、その実現によって、より一層の自然保護が進むことを願うばかりです。大丈夫でしょうか。


奄美大島 Amami-oshima Island ① November 29 - December 2, 2018

2019年01月03日 | 日記

もともと「田中一村」の絵が好きで関心があったのですが、NHK大河ドラマの「せごどん」に触発され、「バニラエア」直行便が自宅近くの成田空港から出ていることを知り、人生初の「ふるさと納税」を奄美市に行い、この4つのキーワードを以って初めて奄美大島に行ってきました。

まずはこのような風景の島です。真ん中の写真は、田中一村が気に入ってテーマにしていた「アダン」の木と実です。

もうこれだけで、この島の魅力を伝えられるような気もしますが、ウォッチングしましたので、その結果報告です。

最初に、イソヒヨドリ(Blue Rockthrush)のメスとオスです。島中で何度も見掛けました。贅沢ですね。

美しい島では、ハトだって何だか美しく見えてしまいます。キジバト(Oriental Turtle Dove)、いえリュウキュウキジバト、そしてカラスバト(Japanese Wood Pigeon)です。シャイなカラスバトは中々こちらを向いてくれませんでした。

猛禽類では、サシバ(Grey-faced Buzzard-eagle)が見られました。道路を走っていると、電柱の上に止まった姿を何度も見つけます。この時期は本土から奄美方面にリゾート滞在中のようです。

さらにはチョウ!これには大変楽しませて頂きました。この時期にチョウが居るなんて、さすが亜熱帯気候の島です。なかなかチョウの名前が分かりません。最初のはクロアゲハですか?その次はアサギマダラ。その後の2種は名前が分かりませんが、とにかく美しい!

チョウのことも、もっと勉強しなければなりません。

最後のチョウを夢中でカメラに収めていましたが、ふと顔を上げるとデイゴの木がありました。沖縄の歌で聞いたあの木を初めてまじまじと見た次第です。

「奄美の野鳥図鑑」によれば、奄美地方には4種の固有種がいます。(さらっと書きますが凄いことです。)ルリカケス、オオトラツグミ、オーストンアカゲラ、アマミヤマシギ。そのいずれも今回は見ることが出来ませんでした。ルリカケスの「ジャージャー」と言う騒がしい声だけでした。既に奄美大島には何度か通わねばならない予感がします(笑)。

続いてナイトサファリの様子を紹介します。