ポトマック自然観察日記

アメリカ東部の自然紹介をきかっけに、日本や世界の自然観察を共有。

Blackwater National Wildlife RefugeでのAnnual Eagle Festival

2013年03月10日 | 日記
先月行ったばかりのBlackwater国設野生生物保護区にまた行って参りました。今回は職場の同僚と一緒です。これだけBlackwaterに通っているのに、これほど盛大なイベントが行われているのは全く知りませんでした。今年で13回目、Annual Eagle Festivalというイベントで、5種類の観察ツアーから、本物の鳥の展示、テントでのプレゼンテーションやミニ・セミナー、子供のための工作コーナー等、大変充実した内容です。駐車場も含めいずれも無料!まずは、会場の様子をご紹介。







上の写真にあるバスに乗って1時間程の観察ツアーに参加しましたし、そのほかにも時間を見つけ上空を見続ける一日でした。とにかくこの日はBald Eagleのオンパレード。あちこちのポイントで計15羽位の個体を見たのではないでしょか。真っ青な空に飛翔する姿が良く映えます。頭と尾が白いので、識別も簡単。レンジャーの説明によると、メリーランド州はBald Eagleの個体数で全米でも有数の州で、このBlackwaterでは昨年の調査では189羽、30の巣が確認されたそうです。戦前には頻繁に行われたハンティング、戦後はDDTによる卵の殻の薄弱化といった困難のため絶滅寸前だった70年代から奇跡のカムバックを為しえた、とのレンジャーのコメントに会場は拍手の喝采。







さあ、このBald EagleそしてGolden Eagleをアップで見ましょう。これが今回のフェスティバルの目玉ですね。因みにGloden Eagleは日本にもいるイヌワシと恐らく近い種類。Bald Eagleはアメリカ大陸にしかいないのです。







このほかの展示では私の大好きなフクロウが多く紹介されました。これはShort-eared Owlのメス。上述のワシ類も含め、これら展示用の鳥たちはいずれも、交通事故などのため野生に復帰できないため、こうした教育目的に飼育されているものです。



これはアメリカ東部では一般的なBarred Owl。一般的と言ってもなかなか見られませんが。



以前Sheanandoah国立公園でのイベントでも見ることのできた、Eastern Screech Owl。赤系とグレー系の二種がいますが、これは後者。



フクロウの締めとしてBarn Owlをご紹介。これは新大陸にしかいないフクロウで、その名の通りBarn(農作業小屋)に良く巣を作るそうです。ところが都市の周辺は農地が減ってきていてBarnも減少。従ってなかなか見られなくなったと聞きます。我がフィールドガイドでは、Uncommonとの紹介です。何となく姿振舞いが滑稽です。







大変賑やかな会場を満足した気分で離れ、今度は人気のない場所をRefuge内に探しました。同行した同僚(オランダ人・ドイツ人夫妻)のご厚意に甘え、素晴らしい湿原の風景の前でサンドウィッチをご馳走に。そしていよいよBlackwaterを離れようと車を走らせつつ、少し前に場所を確認していたBald Eagleの巣をチェック。この時はラッキーにも親が巣にいるのが見えました。時期的には、既にヒナが孵化していたのかもしれません。

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Huntley Meadows

2013年03月03日 | 日記
今日は本当に寒かった!駐車場からスタートし、いつものように折り返し地点となる展望台に辿りつくことなく引き返すことになりました。今日はワシントン野鳥の会の皆さんとウォッチング。2歳と0歳児の若い会員を含む総勢11名の団体でした。森から湿地帯に入るボードウォークの手前でRed-bellied Woodpeckerを間近に観察するも、皆さんのご関心は、「赤いのは頭なのに"red-bellied"とはこはいかに」、との疑問に集中。答えは分かりませんが、Wikiでは名称が"misleading"だと、そして手許のフィールドガイドでは"Red-headed Woodpecker"という別の種もいるということが判明。



次に湿地帯に入ると大きな巣箱が目立ちます。これはWood Duckというカモの巣箱ですが、「カモが巣箱を使う?」のには少し違和感を感じますが、これは彼らが大きな木の洞に巣を作る習性を持つため。面白いカモですね。美しいカモですが、本物は見当たりません。一方、足元のボードウォークに目をやると実に多くのフィールドサインが見られます。糞、植物の実の食べ残し、そして足跡が。この写真の足跡はアライグマでしょう。その後を追いかけると実に長い距離をボードウォーク上で歩いたことが判明します。探偵のような気分で楽しめる瞬間です。次回は野鳥の会の皆さんにも「アニマル・トラッキング」ご紹介したいと思います。





少し距離あるところに水鳥が多く見られますが、双眼鏡で確認するとCanada GooseとMallardという常連さんのみ。以前のような多彩なカモ類が見られないのが残念です。などと話していたら急にMallardの群れが一斉に飛び去りました。その群れで飛ぶ姿の美しさに見とれるばかりでしたが、数秒後その原因がBald Eagleの出現であることが判明!写真は撮れませんでしたが、悠々と上空を舞う姿を楽しむことができました。そうしたら、間髪置かずに今度は我々の右手を後ろから前方へと飛んでいくタカが!Red-shouldered Hawkです。少し距離あるところに停まりましたが、写真ではとっても小さくなってしまいます。





もうとっても寒いので、これは引き返そうということに。でも帰る道すがらも鳥がちらちらと。こちらは春に向け色が鮮やかになってきたNorthern Cardinal。



色々と気になるものが目に入ってきました。これはボードウォークそしてその上にあるベンチをも飲み込んだビーバーの巣。



摂氏0℃近い寒さの中にも、かすかに春の兆しが。



いやいや、この通りHurricane Sandyの被害もお忘れなく。これは松の木ですが、根を観察すると意外と深くは根を張らずに横に広がっていた様子が分かります。これでは倒れてしまいますよね。



Downy Woodpeckerを観察しつつ、フィーダーにも足を運びました。春の直前のこの時期、鳥たちにとって食べ物関係が最も厳しいのではないでしょうか。命をつなぐフィーダーですね。





およそ1時間の短いウォッチングでしたが、観察のできた種類は下記の通り21種。Huntley Meadowsの実力というものを実感させられました。以下は会員の皆さんとの「鳥合わせ」で出てきた順番です。印象に残った鳥、名前の覚えやすいものなど、色々なことが反映した登場順なのでしょう。

Bald Eagle, American Goldfinch, American Crow, Carolina Chickadee, Red-bellied Wookpecker, Northern Cardinal, Tufted Titmouse, American Robin, Mourning Dove, Canada Goose, White-throated Sparrow, White-crowned Sparrow, Mallard, Red-shouldered Hawk, Common Yellowthroat (Voice), American Coot, Downy Woodpecker, Turkey Vulture, Carolina Wren, Ring-billed Gull, White-breasted Nuthatch

コメント (2)
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