知床半島3泊4日一人旅です。自然観察を満喫しました。
今回最大の目的はエゾシマフクロウ(Blakiston's Fish Owl)。北海道で2箇所しか無いと言われる観察場所の宿、「鷲の宿」にてウォッチングです。宿の目の前、チトライ川の中州に餌場となる小さな池があります。その中に餌となるヤマメが導入されるのです。(日中はカラスにヤマメを取られぬよう蓋されています。)
川に面した宿が右手、左が観察小屋。私の部屋は2階の向かって左側。
私の部屋から餌場はこのように見えます。暗くなって来ると、フクロウに配慮した特殊なライトが餌場の池を照らします。夕食後から深夜までに及ぶ長丁場の観察ですから、自分の部屋から写真を撮ることが出来るのは理想的です。左手はすぐ海。
でも、私はエゾシマフクロウについて無知ですので、自分の部屋に籠ること無く、大勢のベテラン観察者の居る隣の観察小屋でフクロウを待ちました。
この日は18時過ぎから待機開始して、エゾシマフクロウの到着を知らせる「ホッホー」を耳にしたのが、何と23:50。しかし、この5時間余りは、意外とあっという間の感じでした。それだけ、この特別な鳥を待つこと自体が楽しかったのか。
いつもここに現れるペアが、宿裏の大木に留まり鳴き交わし合うこと25分間。ついに、00:15、フワリと大きな鳥が目の前に現れ、川に面した木に音も無く舞い降りました。
来たあー!これはメス。周囲を注意深く観察した後、再度フワリと池に降り立ちます。この面構え、そして目付きの鋭さ!
直立してこちらにポーズ。美しい鳥です。
池を覗き込んだかと思うと、あっという間に飛び込みヤマメを足で鷲掴み。そして、口で咥え、丸呑み!
1匹だけ食べた(=呑み込んだ)のちメスは飛び立ち、一旦姿を消します。そして、00:45にオスが出て1匹、2:25にメスが再度登場して3匹食べ、2:30にオスが入替わり現れ2匹食べました。ベテランの観察者から、「今晩はこれで終わり」と聞き自分の部屋に退散。つまり、この夜はメスとオスが交互に2回づつ登場したのです。
このペアのテリトリーは、この川だけでなく少し離れた羅臼の町さえも含む広大なエリアだと聞きました。オスは真面目な性格で、「食事前にテリトリーの巡回が先」と考えているようで、我々の前に登場する時間が遅くなるようです。観察小屋にあったこのペアの紹介写真です。左がメス。
北海道で約140羽しかいないと言われる絶滅危惧種。目の前で手軽に、しかも高い確率で見られ、この宿は大変貴重な機会を提供しています。給餌について賛否色々な意見があるようですが、私は単純にこのゴージャスで特別な鳥との出会いを大いに楽しみ、その保護の必要性を強く感じました。