ポトマック自然観察日記

アメリカ東部の自然紹介をきかっけに、日本や世界の自然観察を共有。

北海道・知床半島① Shiretoko Peninsula, Hokkaido, June 14, 2019

2019年06月30日 | 日記

知床半島3泊4日一人旅です。自然観察を満喫しました。

今回最大の目的はエゾシマフクロウ(Blakiston's Fish Owl)。北海道で2箇所しか無いと言われる観察場所の宿、「鷲の宿」にてウォッチングです。宿の目の前、チトライ川の中州に餌場となる小さな池があります。その中に餌となるヤマメが導入されるのです。(日中はカラスにヤマメを取られぬよう蓋されています。)

川に面した宿が右手、左が観察小屋。私の部屋は2階の向かって左側。

私の部屋から餌場はこのように見えます。暗くなって来ると、フクロウに配慮した特殊なライトが餌場の池を照らします。夕食後から深夜までに及ぶ長丁場の観察ですから、自分の部屋から写真を撮ることが出来るのは理想的です。左手はすぐ海。

でも、私はエゾシマフクロウについて無知ですので、自分の部屋に籠ること無く、大勢のベテラン観察者の居る隣の観察小屋でフクロウを待ちました。

この日は18時過ぎから待機開始して、エゾシマフクロウの到着を知らせる「ホッホー」を耳にしたのが、何と23:50。しかし、この5時間余りは、意外とあっという間の感じでした。それだけ、この特別な鳥を待つこと自体が楽しかったのか。

いつもここに現れるペアが、宿裏の大木に留まり鳴き交わし合うこと25分間。ついに、00:15、フワリと大きな鳥が目の前に現れ、川に面した木に音も無く舞い降りました。

来たあー!これはメス。周囲を注意深く観察した後、再度フワリと池に降り立ちます。この面構え、そして目付きの鋭さ!

直立してこちらにポーズ。美しい鳥です。

池を覗き込んだかと思うと、あっという間に飛び込みヤマメを足で鷲掴み。そして、口で咥え、丸呑み!

1匹だけ食べた(=呑み込んだ)のちメスは飛び立ち、一旦姿を消します。そして、00:45にオスが出て1匹、2:25にメスが再度登場して3匹食べ、2:30にオスが入替わり現れ2匹食べました。ベテランの観察者から、「今晩はこれで終わり」と聞き自分の部屋に退散。つまり、この夜はメスとオスが交互に2回づつ登場したのです。

このペアのテリトリーは、この川だけでなく少し離れた羅臼の町さえも含む広大なエリアだと聞きました。オスは真面目な性格で、「食事前にテリトリーの巡回が先」と考えているようで、我々の前に登場する時間が遅くなるようです。観察小屋にあったこのペアの紹介写真です。左がメス。

北海道で約140羽しかいないと言われる絶滅危惧種。目の前で手軽に、しかも高い確率で見られ、この宿は大変貴重な機会を提供しています。給餌について賛否色々な意見があるようですが、私は単純にこのゴージャスで特別な鳥との出会いを大いに楽しみ、その保護の必要性を強く感じました。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

千葉・盤洲干潟 Chiba Banzu Wetland, April 7, 2019

2019年06月09日 | 日記

野鳥の会と干潟を守る会の共同による探鳥会に参加することで、初めて盤洲干潟を訪れました。

近所の小櫃川の土手に車を停め、干潟に向かいます。田園風景を歩いていると、ホオジロ(Meadow Bunting)が登場しました。

田圃と林の間では、キジ(Common Pheasant)のペアが見られました。暖かい千葉では、既に春爛漫と言う感じです。

ゲートから干潟エリアに踏み込みますと・・。広いっ!

ちょうど良いトレイルがあり、快適にウォーキングを楽しみました。この日は干潮でしたが、所々に水路あり、水溜りあり、カニなどの小さな生物の気配が一杯です。

広い湿原を歩き切りますと、海岸線に出ます。完全に潮が引いていて、何キロ先までも歩けそうな広さ。遥か彼方にミサゴ(Ospray)がいました。これは本当に遠い!杭の上の鳥が分かりますか?

この日は残念ながら海岸線地帯では鳥がほとんど見られませんでした。しかし、探鳥会のリーダーが、このニホンスナモグリ(Japanese sunamoguri、写真左)を見せてくれました。潮の引いた砂の上を足をツイストして探すのです。潮干狩りには何度も行きましたが、エビのようでエビで無い、この何だか不思議な生物を見るのは初めてです。

鳥があまり出現せず、参加者の盛り上がりもイマイチ?そこで、同じ干潟内にある「浸透実験池」なる不思議な池に移動しました。

近隣に大型工場を建てる際、この地域では地下水の確保が可能か否かを調べるために造った、ドーナッツのような形をした人工の池です。

池の周りにある土手を上り水面を覗きますと・・・。いました、沢山のカモたち。カルガモ(Spot-billed Duck)、ハシビロガモ(Northern Shoveler)、オナガガモ(Northern Pintail)、コガモ(Common Teal)、ホシハジロ(Common Pochard)、キンクロハジロ(Tufted Duck)、スズガモ(Greater Scaup)。ここで一気に観察出来た鳥の数が増えました。

かつて東京湾を囲んでいた干潟のうち、ついにその本来の自然な姿を残すのは、ほとんどここ盤洲干潟のみとなりました。何ともショッキングなことではないですか。また、この干潟も大型観光施設や製鉄コンビナートに囲まれ、まるで取り残された島のような場所です。こんな盤洲干潟を国設保護区とする運動でさえ、色々な困難に面していると聞きました。これから通いたい、関わって行きたいフィールドを見つけました。

最後に、盤洲干潟では最近イノシシとアライグマの数が増えているようです。アライグマと思われる足跡を砂地に見つけましたが、これも心配すべき事象だと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする